【永遠】

此処は木の葉の火影の部屋。
部屋には火影である綱手と二人の暗部。

「不死の薬ねぇ」
綺羅は綱手に渡された書類を見ながら言った。
今回の忍務は不死の薬を開発しようとしている人物の捕獲。
木の葉の里では不死の薬を作ることを禁止している。
「誰でも一度は永遠に生きたいと思うよな」
霊妙は綺羅に同意を求めるように言った。
だが、綺羅の顔からいつもの笑顔が消えた。
一瞬だったが・・・。
「思わない。永遠の命なんて・・・嫌よ。永遠にこの醜い世界を見ているなんて」
綺羅はにっこりと笑った。
「そ、そうか」
霊妙は綺羅の笑顔に恐怖を感じた。
それは綱手も同じだった。
「それじゃあ、頼んだぞ」
綱手がそう言うと綺羅と霊妙は部屋を後にした。





二人の視界には小さな小屋が映っていた。
「随分、小さな研究所だな。ほんとにこんな所で不死の薬を作っているのか」
霊妙は不審そうに言った。
綺羅はじっと小屋を見つめている。
「ねぇ、霊妙は永遠という言葉が好き?」
綺羅はぽつりと言った。
「え・・・」
霊妙は言葉に詰まった。
先ほど綺羅は永遠という言葉が嫌いと言った。
何と言えば綺羅は笑ってくれるだろうか?

「俺は・・・お前と一緒に居られる永遠なら好きかもな」

妙な沈黙。
「無理よ。永遠の愛なんて。どちらかが相手に飽きてしまう。それが現実」
綺羅が冷たく言った。
「人間に寿命があるから世の中は成り立つ」
そして彼女は笑った。
「そうか・・・」
霊妙がそう言うと血の花が咲いた。
彼らの側には敵がいた。
勿論、綺羅もこの存在には気づいていた。
「不死の薬を研究する者の側にいたこいつの命は寿命を迎えずにつきるか」
綺羅は哀れむように言った。

「敵だっ」

そんな声が響いた。
綺羅と霊妙の視界には多くの敵が映った。
「一体何人いるんだ?」
霊妙はわくわくしたような表情で言った。
同じく綺羅も目を輝かせていた。
そして二人は敵の波の中に入った。

多くの花が咲いた。
霊妙は腕の中に隠されたワイヤーに取り付けられた武器を使う。
各腕に五つずつ武器の装着された武器が隠されている。
綺羅は基本的にはクナイを使う。
最近は口寄せ動物である「青蝶」を使う。





綺羅の視界に小さな小屋から逃げようとする二人の人物が映った。
一人は不死の薬を研究している老人である。
もう一人は若い女。それも美しい。
「霊妙、此処は任せたわ。私は・・・永遠と言う言葉を潰す」
綺羅はそう言うと霊妙の側を離れた。
「此処から先は通さない」と言う敵がいたが綺羅によってすぐに息絶えた。
霊妙は綺羅の背を見つめていた。





「大丈夫ですか?」
若い女が肩で息している老人に声を掛ける。
「だ、大丈夫だ。それより・・・敵は?」
老人は苦しそうに言う。そして当たりを見回す。
「多分、逃げきったと思います」
女もきょろきょろと当たりを見ながら言う。
「それは・・・良かった」
老人と女はゆっくりと前に歩く。
森が開ける。
月明かりで辺りが輝いていた。

「この私から逃げられるとでも」

突然、綺羅が現れる。
老人と女は驚いた表情をする。
綺羅はにっこりと笑っている。
「貴方は私がお守りいたします。貴方が死んでしまったら誰が不死の薬を完成させるのですか?」
女は老人を自分の後ろにやる。
そしてクナイを構える。
「不死の薬は完成しない。私が此処で止める」
綺羅は悪戯っぽく笑った。
「随分、自信満々ね。私はねこうみえても昔は木の葉の暗部だったのよ」
女は不満そうな顔をして言った。
「そう。今も木の葉の暗部にいれば死ぬことはなかったのにね」
綺羅はそう言ったと同時に素早く印を結び老人と女に金縛りの術をかけた。
二人は「うっ」と小さく呻き、その場に跪く。
綺羅は笑顔でそんな彼らを見ていた。
「助けて・・・くれ」
老人が苦しそうに呟いた。
目は綺羅をじっと見つめている。
綺羅はふるふると首を振った。
「そうだ。この薬が完成したらお前にもわけてやろう。だから殺さないでくれ」
老人は哀願した。
「そうよ。貴方も永遠に若いままでいられるのよ」
女は説得するように言う。
「お前はずっと若いままいたいの?」
綺羅はすこし不機嫌そうに言った。
しかし顔は笑っていた。
「当たり前でしょ。永遠に若く美しく強いままでいたいじゃない。衰えるのはいやなのよ」
女が大きめの声で言った。
綺羅は「永遠」と言う単語を聞くたびに心が黒く染まるのが分かった。

何故、人は永遠を求めるのか。
私には理解できない。
どうしてこの醜い世界を永遠に生きたいと思うのか。

「だったら・・・若いまま死ねば良い」
綺羅はそう言うと女の心臓目掛けてクナイを投げた。
そのクナイは女の心臓を貫き、彼女の後ろに生えている木に勢い良く突き刺さった。
女は赤く染まりながらその場にバタリと倒れた。
驚愕。老人の頭の中ではその言葉が回る。
「お前は・・・永遠を求めぬのか?」
老人はカタカタと震えながら言った。

「もしこの世に永遠という言葉があるのならば私は永遠にその言葉を嫌いで生きよう」

老人は綺羅のその言葉を聞いて間もなく死んだ。
彼の側を青き蝶が飛んでいた。





「綺羅、大丈夫か?ってこんなこと聞く必要ないか」
霊妙はフッと笑った。
「敵は全部倒したの?」
綺羅はいつもの笑顔で言う。
「ああ、勿論。」
「そうだね。当たり前よね」
「帰るか」
霊妙が綺羅に手を差し伸べる。
綺羅は霊妙の手を握る。

「綺羅。俺はお前が永遠という言葉を永遠に嫌うのなら俺も一緒に嫌おう」

霊妙は真剣な目で言う。
霊妙となら永遠にいたい。と思うことがある。
でもそれは叶わぬ夢。
人は永遠を求めてはならぬ。

「俺はお前といられる今の時が好きだ」

霊妙はそう言うとそっと綺羅を抱きしめた。
綺羅は今まで誰にも見せたことの無いようなとびきりの笑顔で笑った。

まるでありがとうと言うように。

(終わり)

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「もしこの世に永遠という言葉があるのならば私は永遠にその言葉を嫌いで生きよう」
この台詞が使いたかった。
中間テスト中にもずっとそう思ってました。
この台詞を是非ともスレヒナに言って頂きたいと!

ちなみに今回の作品で伝えたかったのは、
永遠の時よりも今を大事にして欲しいってことです。
今この瞬間はもう二度と会えませんからね。
後、管理人はこの世界が醜いとは思ってませんよ。
確かに醜い所もあるかもしれませんが美しいところも沢山あると思ってます。
此処まで読んでいただき有り難う御座いました。
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