1人の忍が風を切り裂きながら木から木へと進んでいる。
漆黒の美しい髪が暗い森の中でキラキラと輝いていた。
木の葉の暗部服を身にまとっていた。
ならば、暗部象徴の動物の面を着けているかというとそうではなかった。
白く透き通った綺麗な瞳を持った少女の顔は面に隠されてはいなかった。


【髪】


少女の名は日向ヒナタ。
木の葉名門の日向一族の嫡子でありながら照れ屋で引っ込み思案である。
しかし、それは表の彼女であって今の彼女は裏の火影と称せられる綺羅という暗部である。
彼女の今回の任務は盗まれた秘伝の巻物を取り戻すというものだった。



「巻物ですかぁ。つまらなそうだね、その任務。」
綺羅はいつもの笑顔で言った。
彼女は常にニコニコと笑っている。
悲しい時も苦しい時も怒っている時も・・・彼女はいつも笑っていた。
彼女の本当の笑顔を見た者はいないのである。
「本当は白露に頼もうと思ったのだが。」
綱出が呆れた表情で言った。
「ナルト、何か用事でもあったの。」
「綺羅、暗部の時はナルトのことは白露と呼べ。まあ、あいつは・・・腹を壊したらしく・・・。」
綱出はハァとため息を付いた。
「白露らしいですね。また、賞味期限切れの牛乳でも飲んだんだろうね。おもしろいなぁ、白露は。」
綺羅はクスクスと笑って言った。
「で、この任務。引き受けてくるな。」
綱出の目は真剣みを帯びていた。
「ヤダ。」
綺羅はにっこりと笑った。
「えっ。」
綱出が思わず声を上げた。
「嘘です。」
綺羅が再びにっこりと笑って言った。
「お前なぁ、人をからかうのもいい加減に・・・。」
綱手が話し終える前に綺羅は火影の部屋の窓から外に出てしまっていた。
「やれやれ。」
綱手は呆れた笑みを浮かべていた。



秘伝の巻物を盗んだ者が何者かは分かっていなかった。
しかし、綺羅には過去と未来が分かる術がある。
この術を使える人物が後2人いる。
日向の象徴の白い瞳は過去と未来をも見通せてしまう。
また、綺羅は第六感と言われているものがとても優れており、日向の技を使わなくとも過去や未来を推測する事も可能だった。



先ほどまで居なかったはずの青い蝶が綺羅の周りをヒラヒラと飛んでいる。
この蝶は前の任務で綺羅が勝手に口寄せ動物にした人の命を吸い取る蝶である。
「見つけたの。」
綺羅は蝶に問う。
蝶は羽をパタパタとさせ、普通の人には聞こえない音を出す。
綺羅と蝶の会話はこれで成り立っているのである。
「何人居たの。」
蝶は5と伝えた。
「5人かぁ。強ければ楽しくなるんだけど。」
綺羅は口元に笑みを浮かべていた。
ヒラヒラと舞う蝶の後に綺羅はついて行った。





綺羅の視界に4人の男が映っていた。
後、1人は何処かな。
綺羅は心の中で思ったが、すぐに5人目の居場所は断定する事が出来た。
相手の忍達も馬鹿ではないらしく追ってくる綺羅の存在に気づいていたらしい。
私の正体に気づいたのは誉めて上げるけど・・・。
後ろからの不意打ちなんて私には無意味なんだよね。
綺羅は両手に一本ずつクナイを持ち、冷笑を浮かべていた。
奴らにはクナイで十分。
「あの一番右の奴の命、食べちゃって良いよ。」
綺羅は小さな小さな声で蝶に指示を出した。
蝶はゆっくりと一番右側の男に近づいていく。
4人の男達は蝶の存在に気づかない。
スッと右側の男の肩に蝶が触れたその瞬間、その男は目をカッと見開いてその場に倒れた。
「どうしたんだっ。」
仲間の男が声を掛ける。
蝶は何もなかったかのようにヒラヒラと飛んでいた。
綺羅は音もなく木から降り、2人の男の喉元を一気に切り裂いた。
パサァと辺りに赤い花が咲いたように思えた。
2人の男は声を上げることなく地面に倒れた。
綺羅の背後にいる男は動く気配を見せない。
「止めてくれっ。」
最後の一人が願うように言った。
「ダメ。生かしてはあげないよ。」
綺羅が笑顔で言った。
「死ねぇっ。」
綺羅の背後に居た男が威勢良く言った。
が、綺羅によって瞬殺されてしまった。
3つ目の赤い花が咲いた。
と同時に綺羅の漆黒の髪がバッサリと切られていた。
サラサラと黒髪が地面におちていった。





「俺、お前の髪。好きなんだよな。」
日向と並ぶ程の一族だったうちはの血を継ぐ少年が綺羅の髪を触りながら言った。
少年の名はうちはサスケ。
彼もまた暗部であり、暗部名は霊妙。
「そうなの。そんなこと言われたの初めてだけど。」
綺羅は嬉しそうに言った。
「お前、髪の毛伸ばさないのか。」
「う~ん。忍術で伸ばしてあげよっか。」
「自然に伸びたのが良い。」
「じゃあ、これから伸ばしてみようかな。」
「ああ、それが良い。」
霊妙はそう言って綺羅の額にキスをした。





綺羅に表情が無くなっていた。
「あんたねぇ、世の中にはして良いことと悪いことがあるんだよ。」
綺羅は笑顔で浮かべて言った。
男の顔は青ざめていた。
「止めてくれっ。悪かった。」
哀願を込めて男は言った。
「生かしてはあげる。」
綺羅はニッコリと笑った。
男はホッと安堵の色を見せた。
「ねぇ、生きているのに地獄にいる気分って分かる。」
綺羅は素早く印を結び男の顔に人差し指と中指を着けた。
「うっっっ、くっ苦しい。何なんだっ。」
男の苦しみのうめき声がした。
「ずっと生きてられるよ。死ぬことは出来ないけど。」
綺羅は冷笑を浮かべ、一番最初に死んだ男に近づき、秘伝の巻物を取り返して、その場を後にした。
「くっ、苦しいっ~。」
男の苦しそうな声が森に響いていた。










コンコンという音が火影の部屋に響いた。
「誰だ。」
扉の向こうに居るだろう人物の返事は無い。
「綺羅か。入れ。」
綱手がそう言うと綺羅はニコニコと笑いながら入って来た。
「あっ、霊妙。」
綺羅の視界に霊妙が映った。
「よお、任務お疲れ様。」
霊妙はうっすら笑みを浮かべながら言った。
「火影様、これ。」
綺羅は秘伝の巻物を綱手に渡した。
綱手は良くやったとういう風に頷いた。
「綺羅、お前。髪・・・。」
霊妙は驚いた表情で言った。
「ん、これか。ちょっと任務に失敗しちゃって。」
綺羅ははははっと照れ笑いをした。
「お前の髪、好きなのに。切った奴、殺したか。殺してないなら俺が。」
霊妙が真剣な顔で言った。
「一応、切った奴には最低の運命を歩ませてやったけど。」
綺羅は冷笑を浮かべた。
「そうか、なら良いけど。」
「ごめんね。心配かけちゃって。霊妙が髪伸ばして欲しいって言ってたから伸ばしてたんだけどね。」
綺羅はにっこりと笑った。
「俺の為にか。ありがとな。でもな・・・。」
霊妙は丁度髪が切れていつもなら見えないはずの綺羅の頬にキスをした。
「ほっぺにキス、したかったんだよな。髪の短いお前も俺は十分好きだぜ。」
霊妙はそう言って火影の部屋を後にした。
伸ばすの止めようかな。
綺羅はにっこりと微笑んだ。
人の部屋でイチャつくな。
綱手は心の中でそう思っていた。


(終わり)


OOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO
久しぶりにスレ小説です。
CPはスレサスヒナですっ!
スレではサスヒナが一番好きですv
やたら綺羅(ヒナタ)にキスする霊妙(サスケ)が私的に良いんですね。
それを嫌がらない綺羅が私は好きですっ!
前の小説(青き蝶)で口寄せ動物にした蝶を登場させました。
何か良い名前ありませんかね?(無くても良いのですが。)
今度はスレネジヒナを書きたいなぁと思っております。
後はスレシカいのとかも。
スレハナビも書いてみたいッス。

アニナルではヒナタ様がヒロインになってますね!
ヒナタのストーカーの私にとってこれほど嬉しいことはないですよ(笑
可愛すぎですvvv
詳しい感想は明日書かせて頂きますね。
ヒナタ様、萌え~ですよv
OOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO
SEO