~天使が護るべき者~


〔3.悪魔との出会い〕


『キャー、生徒会長』などの声がヒナタの居る教室に響いていた。
ヒナタの居る教室はいつの間にかに女子生徒でいっぱいになっていた。
「本当に人気者なのね、生徒会長は。」
テンテンは少し呆れた顔をして言う。
ヒナタはこんなにも人気のある人とはどんな人だろうと思っていた。
勿論、生徒会長を悪魔ではないかと疑ってはいたが。
「おや、生徒会長こっちに来てないですか。」
こちらに向かっていることに気づいたリーが言う。
「えっ、本当っ。」
サクラが声を上げる。
確かに生徒会長と思われる人は近づいて来ている。
「こんにちは、うちは先輩。」
サクラは愛想良く言う。
「うちは先輩・・・。」
ヒナタは顔に疑問符を浮かべる。
「生徒会長はサスケの兄ちゃんだってばよ。」
ナルトが説明する。
「そうなんだ。」
「初めましだな、日向ヒナタ。生徒会長のうちはイタチだ。」
生徒会長でもあり、サスケの兄でもあるイタチが言う。
「はっ、初めまして。日向ヒナタです。」
ヒナタは頭を下げる。
「この学校には慣れそうか。」
「はい、とっても素敵な学校だと思います。」
「なら、良いのだが。」
ヒナタはイタチに悪魔の気を感じなかった。
むしろ感じの良い生徒会長という印象だった。
さっきの感覚は一体と思っていた。
「そうそう、日向ネジ。」
イタチはネジに声を掛ける。
「なんですか。」
「久々に学校に来たなら生徒会の仕事をして帰れよ。」
「・・・はい。」
「では、失礼させて頂く。ヒナタ、何か分からないことがあったらいつでも聞きに来い。」
イタチはヒナタの頭にポンと手を置いて去って行った。











一日の授業を終え、時は放課後に移る。
「ヒナタちゃん。」
ヒナタはテンテンに名を呼ばれた。
「何ですかテンテンさん。」
「何かボーっとしてない。」
「えっ、そうですか。」
「うん。生徒会長に会ってからずっと。もしかして、ヒナタちゃんも惚れちゃったとか。」
テンテンは笑みを浮かべる。
「ちっ、違うよ。」
「なんだ、違うの。」
「あの、ネジ兄さんは何処に行ったのかな。」
「ネジなら生徒会のお仕事中でしょ。生徒会長に言われてたでしょ。」
「そうでしたね。でも、ネジ兄さんが生徒会副会長だったことには驚きました。」
「そうかしら。ネジは生徒会とかぴったりだと思うけど。」
「そうかもしれませんね。」
「じゃあ、私はリーが待ってるから。また、明日ね。」
テンテンはそう言って教室を出て行く。
ヒナタは手を振っていた。
教室にはヒナタしか残っていなかった。
バチッという嫌な感覚をヒナタは思い出していた。
無意識のうちに手をイタチの触れた頭に乗せていた。
あの時イタチに触れられた瞬間、ヒナタの全身に鋭い痛みが走ったのだった。
天使が触れられて痛みを感じる人はほぼ確実に悪魔である。
そう、うちはイタチは悪魔だった。
しかし、不思議なことがひとつある。
イタチの弟であるサスケには悪魔の特徴は見られなかった。
触れても別に何ともなかった。
兄が悪魔で弟は人間、本当はあり得ない兄弟である。
ヒナタは静かな教室の中で一人考えていた。











「本当に久しぶりだな。ネジ。」
もう一人の生徒会副会長であるテマリが言う。
ネジは「そうですね」という表情をする。
「相変わらず素っ気ないんだな、お前。」
再びネジは「そうですね」という表情をする。
ネジは机でプリントの整理を行っている。
テマリは職員室に持って行く為のプリントをまとめている。
会長のイタチはというと各部、各委員会からの報告書を眺めている。
「で、何で突然学校に来る気になったんだ。」
テマリはネジに問う。
ネジは黙って作業を続けている。
「可愛い従兄妹が転入して来たからではないか。」
イタチが会話に割って入る。
「そうなのか。可愛い従兄妹ね。」
テマリはニヤニヤしていた。
ネジは相変わらず作業をしていた。
「じゃあ、私は職員室に行って来るから。」
テマリはそう言って生徒会室を後にする。
「乗り越えたのか、ご両親のことは。」
イタチがポツリと言う。
ネジは驚きの表情を見せる。
「何でそれを。」
「生徒会長と知っておくべきことだと思っているのだが。」
イタチが不適な笑みを浮かべていることにネジは気づいていない。
ネジの心にどす黒いものが広がっていく。
「まあ、そろそろ乗り越えるべきだろう。過去を悔やんだって仕方のないこと。」
「お前に何が分かる。」
ネジの目は怒りに満ちていた。
軽々しくそんなことを言ったイタチにネジは怒りを持つ。
「お前だけではない。あの事件の被害者は。俺の親も殺されている。」
ネジは怒りから驚きに変わっていた。
「サスケも俺も、もう乗り越えた。だらだらと引きずるな。人の命など儚いものなのだから。」
イタチは笑みを浮かべていた。
「乗り越えられない奴もいる。」
「親なんて大した者ではないのにな。」
親を尊敬していたネジを再び怒らせるのには十分な言葉だった。
「俺はもう帰る。」
ネジはドンッと机を叩いて言う。
そして、生徒会室を出て行こうとする。
ガラガラと生徒会室のドアが開く。
「あれ、ネジ兄さん。お帰りですか。」
ネジの視界にヒナタが映る。
「お前、まだ居たのか。」
「ネジ兄さんのことを待ってたんですよ。」
ヒナタは笑顔で言うが、目は開いたドア越しから生徒会室を見つめていた。
異様な雰囲気の生徒会室に、ネジの心に広がっている闇。
ヒナタは開いていたドアをピシャリと閉める。
「帰るか。」
ネジの声でヒナタは我に返る。
「はい。」
ネジとヒナタはのんびりと夕焼けの道を歩いていた。











生徒会室ではイタチが一人、ネジが落として行ったプリントを拾っていた。
「全く、無駄な仕事を増やしてくれる。」
イタチは文句を言いながらも笑みを浮かべていた。
「日向ヒナタか。有能な天使を天界も送ってくるものだな。」
生徒会室の電気が一人でに消えていた。
そして、生徒会室は暗黒の闇に包まれていた。
イタチの背から漆黒の羽根が出ていた・・・。


(〔悪魔との出会い〕終わり)

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とうとう悪魔様の登場です!
イタチですよ。
悪魔と言ったらイタチしかいないという私の考えです。
この後サスケも重要な存在になります。
まあ、兄との関係やら家族のことやらと・・・色々。
それとテマリの登場です。
生徒会副会長様です。


悪魔に関しては今、思ったのですが別に大蛇丸でも良いかなと。
大蛇丸が悪魔だとすると先生役がぴったりだと思います。
でも、やっぱり私にとって悪魔はイタチですから。
ほら、イタヒナも書けそうだし・・・(笑)
大ヒナも好きですが。


書いている私も先が楽しみです。
此処まで読んでいただき有り難う御座いました。
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