こんにちは、日向ヒナタです。
ここ木の葉の国に去年から行われているハロウィン祭がやって参りました。
大通りに仮装した人々が集まりお菓子を交換し合ったりします。
屋台なんかも出たりしてとっても楽しいです。
このお祭りの参加条件は仮装をすること。
つまり、仮装さえしていでば誰でも参加出来るということです。
私は今、衣装に迷ってます。

~恋人はミイラ男~

「はぁ・・・どれにしようかな?」
ヒナタはたくさんの衣装を出してそれと睨めっこをしている。
やっぱり魔女かな。
彼女は魔女の衣装をあてて鏡を見る。
鏡の中の私が不服だという顔をする。
確かに衣装は似合ってると思う。けど、魔女はありきたりかなって。
髪も長くなったからこれを活かしたいんだけど。
ヒナタは髪をちょっといじる。
そして、再び衣装に目を向ける。
思い切って吸血鬼にしてみようかな・・・。
うーん、でも私が吸血鬼だと弱そう。
鏡にしゅんとなった自分が映った。吸血鬼にはなれないね。
じゃあ、小悪魔なんてどうかな?
ヒナタは衣装を見て嫌そうな顔をする。
スカートの丈が短すぎるよぉ。胸元も結構開いてるし・・・。
それにぴたっとしそうで嫌だな。
サクラちゃんが小悪魔は私に似合うって言ってたけど。
この衣装はちょっと無理。
素直に魔女にしよう。
カツンッ。
ヒナタはビクッと反応する。
彼女の部屋は薄暗くなっていた。
今、カツンって音したよね・・・。
なんだろ?
ヒナタは恐る恐る窓を開ける。
外をキョロキョロと見回す。
誰もいない。
「Trick or Treat」
「きゃっ・・・」
窓からの侵入者にヒナタを唇を奪われる。
「さ、サスケ君っ」
ヒナタは怒ったような恥ずかしそうな声をあげる。
「俺にとってのお菓子はお前だから」
彼は悪戯っぽい笑みを浮かべる。
ヒナタは何も言えずに顔を紅くした。
サスケ君の馬鹿・・・。
「ヒナタ、何に仮装するんだ?」
サスケはたくさんの衣装を見て言う。
彼もまだ衣装に着替えていない。
サスケは抜け忍である。だから、顔の見えないような仮装をしないといけない。
「迷ってるの・・・魔女じゃありきたりかなって思ってて。サスケ君はどうするの?」
サスケは衣装をじっと見る。
ヒナタの質問には答えない。
彼は突然ヒナタの髪を触る。
「え、何?」
触られたヒナタはピクリと動く。
「綺麗な髪だな」
「ありがとう」
ヒナタは照れつつ微笑んだ。
「メドゥーサにすれば」
サスケの発言にヒナタは困ったような顔をする。
だって、メドゥーサって蛇頭だよね・・・。
「それって大蛇丸の影響?」
ヒナタは恐る恐る問う。
「別に」
サスケは短く応える。
もしかしてまずいことを言っちゃったかな?
彼女は少し後悔する。
「俺だったら・・・ヒナタに石にされても良いけど。ずっと側に置いといてくれるなら」
サスケの黒い目がヒナタの白い目を見つめる。
ヒナタは心臓がトクンと鳴るのが分かった。
「サスケ君だったらメドゥーサの私でも愛してくれる?」
上目使いのヒナタ。可愛い・・・。
「もちろん」
彼はそう言うと優しくヒナタを抱きしめる。
サスケ君は暖かいなぁ。安心する。
二人は見つめあう。
屋根に止まっていた鳥がバタバタと空へ飛び立つ。
そして、ちょっぴり長いキスをする。
お菓子より甘いキス。
「私、メドゥーサにする」
ヒナタはにっこりと笑った。
「可愛すぎ」
サスケは再び彼女を抱きしめる。
「でも・・・メドゥーサってどんな格好?」
ヒナタは多くの衣装を見て疑問符を浮かべる。
「あれが良い」
サスケは小悪魔の衣装を指差す。
あれは無理だよぉ。
ヒナタは顔を林檎色染める。
「サスケ君・・・あれはちょっと」
サスケは暫く考えて言う。
「確かにお前の綺麗な肌を他の奴に見られるのは気に入らないな」
ヒナタはほっとした表情を浮かべる。
じゃあ何を着たら良いんだろう?
「普通に魔女の衣装で良いんじゃん」
「でも、それじゃあメドゥーサって分からないんじゃないかな?」
ヒナタは魔女の衣装を自分にあてて言う。
これでは魔女である。
サスケはヒナタの髪にそっと触れる。
「これでどうだ?」
ぱっとヒナタの綺麗な髪が蛇へと変わる。
「ふぇっ」
ヒナタは驚いた声を上げて尻餅をついてしまう。
これじゃあ・・・外に出れないよ。
確かに本物の蛇っぽいけど。
「俺はこんなお前も好きだけど」
サスケは後ろからヒナタを抱きしめる。
鏡に二人の顔が映る。
そしてぽすっと魔女の帽子を被せる。
「これで気にならないだろ」
ヒナタはうんと頷く。
「帽子被ったら分からなくないかな」
「良いんだよ・・・」
サスケはヒナタを押し倒す。
な、何っ?
「お前は俺だけのメドゥーサだから」
何か言おうとしたヒナタの唇を塞ぐ。
角度を変えての熱いキス。
「ん、あ・・・さす、けくん」
ヒナタは色っぽい声を発する。
目がとろんとしている。
誘ってるのか?
「なあ、襲っても良いか?」
サスケはヒナタの上着を脱がそうとする。
ヒナタは我に帰ってサスケの腕を押さえる。
「だ、駄目ぇ」
ヒナタは慌ててサスケの側から離れる。
「もう、突然なにするの・・・」
彼女は顔を真っ赤にする。顔が熱い。
「お楽しみは後でということで」
サスケは笑った。
「早く着替えないと我慢できなくて襲うぞ」
ヒナタは慌てて服を持って部屋を出ようとする。
「あの、サスケ君は何の格好するの?」
「ミイラ男」
サスケは短くただそう言った。
ミイラ男か・・・確かにそれだったら顔はばれなさそう。





ヒナタは着替えて再び部屋に戻ってくる。
彼女に目に背広にシルクハット姿のサスケが映る。
顔は包帯でぐるぐるで分からない。
ヒナタは思わず笑ってしまった。何だか面白かったのだ。
「何が可笑しいんだよ」
サスケは口を尖らせて言う。
でも、背広にシルクハット姿は格好良い。
「何でもないの。行こう」
ヒナタはサスケの手を握り外へ出る。





大通りは仮装した人々で溢れていた。
魔女に吸血鬼、悪魔にミイラ男にフランケンシュタイン、狼男・・・などなど多くの怪物で賑わっている。
これなら抜け忍のサスケも誰にも気づかれないだろう。
「なあ」
サスケがヒナタの耳元で言う。
「何?」
ヒナタが疑問符を浮かべる。
「後ろから抱きしめて歩いて良いか?」
既に彼はヒナタを後ろから抱きしめている。
ヒナタは体中が熱くなるのを感じる。
「ど、どうしたの・・・急に?」
彼女はおどおどと言う。
「人が多いとお前がどっかに行きそうだから」
サスケが悲しい顔をしたような気がした。
包帯の所為で表情は読み取れないけど。
歩きにくいけど・・・サスケ君は暖かいから良いよね。
「うん、良いよ」
ヒナタは頬を染めて微笑んだ。





何人かの人とお菓子の交換した。
誰もサスケ君に気づかなかったので安心しました。
やっぱり人の多いところは不安なんです。
彼はそんなこと気にしてないみたいだけど。
サスケ君は甘いものが苦手だからそんなにお菓子は食べなかった。
私はけっこうたくさん食べちゃって。
チョコレートはサスケ君に口移しで食べさせられて。
その時、包帯を取ったから心配になりました。
背広にシルクハットのサスケ君は本当に格好良かったの。
「月が綺麗だな」
サスケに言われてヒナタは闇包まれた空を見た。
月がお踊りの賑わいとは対照的に静かに輝いている。
「うん、綺麗だね」
そう言った瞬間、ヒナタは手に違和感を感じる。
「ちょ、サスケ君っ」
彼女の腕は包帯によって縛られていた。
目に映るのは悪魔の笑みを浮かべたサスケ。
「お楽しみには後でって言っただろ。ヒナタは俺にとっての最高級のお菓子だからな。最後に食べないと」
ヒナタは顔を真っ赤にした。
「俺、トマトは好きだぜ」
「サスケ君の馬鹿っ」
ヒナタが何とか言えた言葉。
その次の言葉は彼によって塞がれて・・・もう、甘い声しか発せられない。



私の恋人は包帯の活用が上手なミイラ男です。



(終わり)

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ハロウィン小説、書けました!
サスヒナはやっぱり良いですね。書いてて楽しいですv
今回は甘甘を目指しました。
サスケにとってヒナタは唯一食べれるあま~いお菓子なんです(ふふv)

此処まで読んでいただき有り難うございました。
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