~蝉と豪雨と~


夏の暑さも和らぎつつある今日この頃。
とは言っても夏の風物詩である蝉は激しく鳴いている。
なんとかして子孫を残そうとしているのだろうか?
最近・・・蝉の息絶えた姿を良く見る。





綺麗な髪を靡かせ一人の少女が風を切る。
目は白く美しい。
夏だというのに雪を思い出せる。
ふと彼女の前を蝉が通り過ぎる。
あまりに突然の出来事だったので少女は驚き小さな声を発する。
そして、木から足を踏み外し地へと落ちる。
「いったぁ・・・」
ヒナタはポツリと言う。
彼女は木の枝で腕を裂いたようだ。
赤い液体が川のように流れる。
今日はある人物に会うという個人的な用事だったので薬は持ってきていない。
もちろん、包帯も。
ヒナタは急いである人物の元へ向かおうとした。
そうすれば、手当てもしてくれるだろう。
ヒナタの視界に大きな蜘蛛の巣。
彼女は避けようとして遠回りする。
バタバタ。
彼女の耳にそんな音が入る。
ヒナタは音をしたほうを見る。
蜘蛛の巣に蝉が捕らわれていたのである。
その姿は哀れだった。
これは自然の摂理。
ヒナタは優しい心の持ち主のため蝉を助けようとする。
蝉には短い命を全うしてもらいたい。
ヒナタはクナイを使って蜘蛛の巣を破壊する。
「ごめんね・・・蜘蛛さん」
中央にいて蝉を食らおうとしていた蜘蛛はそそくさと去る。
ヒナタは優しく蝉を掴むと空の世界へと放す。
彼女はほっとした表情をする。
ヒナタは印を結んで蜘蛛の巣を元に戻しておいた。
ここも彼女の優しさだろう。
彼女が立っていた木が劣化していた所為かピキピキと音がする。
ヒナタはハッとしたが遅く、再び地へと落ちってしまった。
「・・・痛い。我愛羅君・・・」
ヒナタは思わず会いたい人の名を読んでいた。
空の様子が可笑しい。
黒く黒く雲が染まる。
ポツリポツリ。
「雨・・・?」
彼女がそう呟いた時にはザァという音が奏でられていた。
大粒の雨は彼女の傷を痛める。
血は相変わらずダラダラと流れ続ける。
ヒナタはゆっくりと歩いて大きな木の下に腰を下ろす。
「はぁ・・・どうして私ってこんなにドジなんだろ」
そして彼女はもう一つ溜息を付く。





「こんなところにいたのか?」
ヒナタの耳に届く声。
「・・・我愛羅君」
ヒナタは顔を上げ愛しの人を見る。
我愛羅は青い傘を持っていた。
「酷い怪我だな」
「うん・・・でも大丈夫だから」
ヒナタは微笑む。
無理していることは我愛羅にはばればれだった。
我愛羅は傘をその場に置きヒナタの前にしゃがむ。
そして、彼はヒナタの傷口を舐める。
「ひゃあっ!な、何するの!」
ヒナタは顔を赤くして言う。
舌が上手く回ってなかった。
「生憎だが俺も薬は持ってない。応急処置だ。文句言うな」
我愛羅はそういうと距離をとっていたヒナタを引き寄せる。
ヒナタは顔を赤くしていたが素直に我愛羅に寄った。
我愛羅はヒナタの傷口を優しく舐める。
ヒナタは恥ずかしそうに俯いていた。
暫くして我愛羅は自分の衣服をビリビリと破りヒナタの傷口に巻く。
「ありがと」
ヒナタはぺこりと頭を下げる。
我愛羅は黙ってヒナタを見つめる。
「どうかしたの?」
ヒナタは不思議に思って問う。
我愛羅はヒナタにキスする。
ヒナタは驚いて退こうとしたが我愛羅の腕によって拒まれる。
我愛羅の舌に残っていた血の味がヒナタの口の中に広がる。
「口直し」
我愛羅は悪戯っぽい笑みを浮かべる。
ヒナタは「もう」と言う。





その間に雨は止み、太陽がきらきらと輝いていた。
蝉は再び鳴き出す。
我愛羅とヒナタは仲良く手を繋ぎながら砂の里に向かった。

(終わり)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
久しぶりの我ヒナv
個人的には我ヒナはラブラブで!
悲恋は嫌なんですね。
我愛羅は優しく受け止められるのはヒナタだけ。
前半は夏の終わりの悲しさを。
後半はラブラブな我ヒナをvvv
ヒナタは虫は大丈夫だと思います。シノのおかげですね。
ネジヒナもサスヒナも書きたい。
アニナルの影響強いし、漫画のNARUTO(ヒナタが表紙)ではサスケが登場!
此処まで読んでいただき有り難うございました。
書いて欲しいCPがありましたらWeb拍手かなんかでどうぞv
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
SEO