『人は生きる為に生まれてきた。』
お前の言葉に救われた。
まさかお前に助けられるとはな・・・。


~この命ある限り~


風の温度も寒くなってきた。
秋から冬への境といったところか。
いや、もう冬だろう。
冬ってどことなく寂しい気がする。
寂しいという気持ちを思い出させてくれたお前のことを考える。
いつ、来るんだ。
早く来いっ。
と思っても待ち合わせの時間までまだあった。
「ヒナタ・・・。」
ヒナタと我愛羅は出会ってからまだ間もないが、月一回会うほどの仲になっていた。

















「我愛羅君、待ちましたか。」
ヒナタは待ち合わせ時間十分前にやって来た。
女として礼儀正しいと我愛羅は密かに思う。
「いや・・・。」
「そうですか。」
ヒナタは笑顔で言う。
その笑顔に我愛羅も思わず笑みを零す。
「どこか行きたい所あるか。」
「えっと。砂隠れの里で一番オススメな所とか行きたいです。」
ヒナタは恥ずかしそうに俯きながら言う。
「分かった。」
我愛羅はそう言うと歩き出す。
ヒナタも我愛羅について行く。
我愛羅の歩調はヒナタに丁度良く、適度に間を保ち二人は歩いている。


















我愛羅がヒナタを連れてきた場所は特に何もない山の広場だった。
しいて言えば、秋ならば紅葉がたいそう美しいだろう。
しかし、今は葉も落ち、もの悲しい雰囲気が漂っている。
「ここですか。」
ヒナタは顔に疑問符を浮かべて尋ねる。
「これは表の姿、もう少ししたら裏の姿が見える。」
「裏の姿ですか。」
ヒナタの疑問符の数は増える。
「見れば分かる。」
我愛羅はそう言いつつ、地面に腰を下ろす。

















「我愛羅君っ。」
ヒナタが珍しく大きな声で我愛羅を呼ぶ。
「見えてきたか。」
「これが裏の姿なの。」
「あぁ。ここは紅葉の頃しか人が集まらない。何故か紅葉を見に来るほとんどの人はあまり夕暮れまでいない。」
「穴場ってことですか。」
「あぁ。」
ヒナタと我愛羅の見ている光景は言葉では表しにくい。
葉のない枝には冬独特の雫が夕日に照らされて赤く輝いている。
さっきまではよく見えなかった山の奥の方には銀色の雪が積もっていた。
またこの雪も夕日に照らされて光っている。
「すごいね。」
「俺も初めて見た時は驚いた。」
二人は輝かしい世界に見入っていた。

















「ここへは俺の唯一信頼していた人が連れてきてくれた。結果的にはその人に裏切られたが。ヒナタはお前は・・・。」
我愛羅は言葉を止める。
「裏切りません。」
ヒナタは我愛羅の言葉の先を読みとったのか、そう言う。
「ありがとな。お前に会うまでは死んだような生活をしていたような気がする。自分は生まれてきて良かったのかとずっと悩んでた。」
「生まれてきて良かったんです。人は生きる為に生まれてきたんです。そして、人に幸せを与える為にもですね。」
ヒナタは我愛羅に微笑みながら言う。
「ヒナタ、この命ある限りお前に幸せを与えることが俺にできるだろうか。」
「側に・・・。」
その後はヒナタは我愛羅の耳元で囁く。
「居てくれるだけで幸せです。」
ヒナタの顔色は夕日のせいか少し紅く見えた。
「そうか。」
「はい。」

















人は生きる為に生まれてきて、
人は幸せを与える為に生まれてきた。
この命ある限り大切なあなたを守りたい。
この命ある限り大切なあなたの側に居たい。
命を失ったら多くの涙を見ることになるだろう。
これ以上苦しいことはない。
だから・・・




















命を無駄にしてほしくない。






(終わり)
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CPは我ヒナですよ。
分かりましたか?
命という重いテーマで書きました。
やっぱり難しいです。
命の大切さは伝わりましたか?
少しでも伝わったのならば嬉しいです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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