[YAGOOのメン限2025]カバー株式会社 第9期定時株主総会 〈株主質問 書き起こし 2025.6.26〉
はじめに
2025年6月26日、カバー株式会社の第9期定時株主総会がバーチャルオンリー形式(完全オンライン)にて開催されました。
本書き起こしは、当日の株主総会において株主から寄せられた質疑内容を、進行順に沿って可能な限り取りまとめたものです。一部、質問や回答が重複する箇所がありますがご了承ください。
なお、すべての質問の読み上げおよび回答は、谷郷元昭代表取締役社長が実施されています。
本書き起こしは、株主総会での質疑を可能な限り取り纏めたものであり、情報の正確性や完全性を保証するものではありません。
内容には不備や主観が含まれる可能性がありますので、投資判断その他重要なご判断には使用せず、必ず後日公表される会社側の正式な情報をご確認ください。また本書き起こしを根拠として、会社様や関係各所への問い合わせ・確認を行うことはご遠慮ください。
書き起こし内に掲載している画像やリンク等は、筆者が関連性が高いと判断したものを独自に掲載しており、実際の株主総会で使用された資料・映像とは異なります。
本投稿内容について不備や誤り等がございましたら筆者までご連絡いただけますと幸いです。
事前質問(全14問)
1.第1号議案 定款一部変更の件について、「レコード原盤及び音楽録音物の製作」を定款に追加することで、貴社事業にもたらすメリット面について教えて下さい
回答
定款変更によって音楽ビジネスに係る収益構造がすぐに何か変わり即時に収益増につながるものでは無く、音楽事業活動における実務的な制限の解消を目的に追加している。
2.第3号議案 取締役の報酬等の額の決定の件について、報酬増額を求める理由について教えて下さい
回答
こちらは複数ご質問があり、中にはご賛成いただくご意見や、取締役責任を果たしているかなど厳しいご意見も頂戴している。
今回の増額は現取締役の報酬増に直接つながるものではなく、報酬枠の拡大を目的としている。新任取締役2名の追加や、事業の拡大・多角化に伴い管理監督機能を拡充する際の取締役の増員を見据えた報酬枠の確保を目的としている。役員報酬は報酬委員会が定めた基準に基づき、業績に応じた適正な水準で運用している。
3.2024年10月の下請法違反に関する公正取引委員会の勧告について、改善措置の実施状況及び現在どのような対応策や再発防止策を講じているのか教えて下さい
回答
本件についても複数ご質問を頂戴しており、代表取締役として皆様にご迷惑、ご心配をお掛けしていることを深くお詫び申し上げます。
本件に関し真摯に反省し、今後の改善に活かす所存。勧告に従いやり直しに要した費用相当額の支払いを完了している。また取締役会での決議確認、類似取引の調査及び発見された事案に対する追加支払いならびに再発防止に向けた社内採択を実施。
これらを取り纏めて改善報告書の提出を行い対応を進めている。具体的には再発防止に向けた社内フローの改善、管理監督体制の構築、社内研修による周知などを行い、社内体制の刷新を進めている。
一方でこれで完了ではなく、今後は実施した改善策や体制整備が機能していることをモニタリングすることで実効性を有し、信頼回復に向けて不断の努力が必要と考え今後も取り組んでいく。
4.プライム市場への市場区分変更の状況について教えて下さい
回答
こちらも複数ご質問を頂戴しているが、6月24日の開示通り一度申請を取り下げている状況。具体的な審査内容は公表できないが、これまで審査項目への対応は継続してきた。開示までに審査中断や終了はなく、時期は未定だが今後も再申請に向け準備を進める方針。
株主の皆様には状況が見えにくい点についてはお詫び申し上げ、何卒ご理解賜るようお願い申し上げる。
5.2025年3月期決算において中期目標を発表しましたが、具体的な計画や投資計画等の会社の方針について教えて下さい
回答
今期は中長期的な成長基盤を築くための重要な投資フェーズと位置付けている。将来の収益拡大や競争優位性の確立に直結する領域への戦略的・機動的な投資を優先していく。
具体的には、政策能力の拡充、新技術サービス開発に関わる研究開発、SCM効率化の体制拡充、海外事業開発、経営基盤強化などに重点的な投資を行う。
一方で急速な組織体制の拡大でコスト効率が一部低下していることも事実であり、新経営体制下での構造改革により効率性改善を行いつつ、中期時間軸において投資の成果を着実に回収していく方針。中期目標の発表にあたり事業の方向性や成長イメージを対外的に共有することを重視しているが、現時点では中期経営計画書といった形式的な資料の発表は予定していない。
また既存事業のグロースだけでなく、新規事業の展開によりある程度サービスミックスの変化が起こると考えている。マーチャンダイジングやライセンス/タイアップ、TCGやゲームを含む新規事業の構成比がさらに高まると考えているが、現時点では経営変化にも柔軟に対応できるよう具体的な数値について非開示としている。
中長期的な戦略や各事業の進捗状況については、今後の決算説明やIR活動を通じて、できる限り具体的かつ継続的に情報をお伝えしていく方針。株主の皆様からいただいたご意見・ご関心にも目を向け、今後も資本市場との対話を大切にしながら適切な情報開示に努める。
6.IR方針について教えて下さい
回答
当社は中長期の拡大方針や進捗を株主・投資家の皆様に対し適切にお伝えすることを重視し、昨年度もIR説明会や適時開示、各種資料を通じて計画の全体像と事業の進捗を継続的に発信してきた。
年間300回以上の機関投資家ミーティングを実施しており、海外機関投資家の比率が上昇、長期保有を前提とする「ロングオンリー投資家」との面談機会も増加し、インベスターベースの拡大に繋がっている。
また個人投資家の皆様からご指摘の点について真摯に受け止めている。足らなかった点は改善し、頂いたご意見は今後の参考とする。その上で市場環境の変化や投資家層の多様化を踏まえ、一層の理解促進と納得感のあるコミュニケーションを図るべくIR開示の更なる改善に取り組んでいる。
こうした取り組みや一過性の対応ではなく、中長期的な企業価値の向上に資する重要な経営課題と位置づけ、段階的かつ計画的に推進していく。
IR開示の方針や運用についても、経営陣が連携しつつ、必要性・適時性を判断した上で実施している。IRの発信基準や内容についてもご意見頂戴しているが、今後の改善に向けた課題として真摯に受け止め、透明性と一貫性の高いIR体制の構築に引き続き取り組む。
今後も建設的なご意見を頂戴しながら、より透明性と納得性の高い情報開示体制の強化に努める。
7.株主還元に対する現在の方針について教えて下さい
回答
株主還元策は配当、自社株買い、株主優待など様々な手法があり適宜検討している。
基本的な方針は成長投資を優先しつつも、株価が企業価値の実態を大きく乖離して低く推移する場合や、事業の進展においてキャッシュの積み上がりにより、資本効率が大きく低下する場合などについては、機動的な還元施策の実施についても検討をしていきたいと考える。
そのため「確実にこの時期にこの施策を行う」といった示唆や断定はできないが、適切なタイミングを開示の方針に従い随時検討・実施する。
株主優待については限定グッズなど株主かどうかで区別されるような検討はしていない。一方、当社コンテンツの理解を深めていただくための活用は将来的に実施する可能性はあるが、先述の方針と照らしながら有用性や実施コストなどを勘案し実現性について適宜検討する。
8.これまで発生しているタレントの卒業に対しての会社の考えや、今後の方針について教えて下さい
回答
タレントの体調不良や卒業が続いている現状を重く受け止めている。
タレントデビューから年月が経つことで、タレントのライフステージやサポートニーズの変化・多様化が発生している。従来の体制では多種多様化したニーズに応えきれず、タレントと会社の間の進め方にギャップが発生することがあったのは事実。現在はタレントへの負担軽減と心身の健康維持は最重要課題と認識しており、継続的に運営体制の見直しと改善に努めている。
具体的には、昨年末よりタレントマネジメントの新しい本部長の採用や、体制変更を通じて足らなかった点を反省し、今後お互いにより良い形にするにはどうすべきかを考え、各種取り組みを通じ、個々のタレントが抱える課題の早期把握と対応を行っている他、過剰とならないようなモニタリング体制を始めとするサポート対策も拡充しており、引き続き安心して活動できる環境作りにも注力していく。
またタレントの稼働が相対的に低い分野の収益も増加している中で、必ずしも事業拡大とタレント負荷の増大は比例するわけでは無いと考えており、このような事業拡大を進めることで健全に成長していくことを可能とするべく、多様なサービス展開を進めている。
今後もタレントとの対話を通じてタレント一人ひとりの声にさらに耳を傾け、より密接なコミュニケーションで互いの理解を深める。所属タレント一人ひとりが安心して活動できる環境作りに注力し、新たなコンテンツ企画の推進、既存タレントの更なる活躍支援などを通じ、タレントと共により良いコンテンツを届けられるよう改善を追求する。
9.情報漏洩を疑われる事実や誹謗中傷、インターネット上での噂などに対してどのように対応しているか教えて下さい
回答
法令上のインサイダー情報に当たる重要事実は社内でも限られた社員のみアクセス可能であり厳重に管理している。
一方でインターネット上の情報に関する真偽について当社から回答はできないが、これらは信用に足るものではなく、鵜呑みにしないようにお願い申し上げる。
またシステムにおいて不正アクセスを防ぐための監視体制を強化しており、万が一情報漏洩が生じた際には迅速に特定し再発防止に努める。今後もより一層の情報セキュリティ対策を強化し、安心して活動を応援いただける環境を維持していく。
なお各種対応については事実に基づいて調査を実施し、各所への報告や処罰等の対応を進めているが、証拠保全等の調査や開示手続きに関わる影響を考慮し、進捗等については報告できないことをご理解賜るようお願い申し上げる。
10.ホロライブプロダクションの各グループをどのように運営していくのかの方針について教えて下さい
ホロライブやホロスターズなど各グループの運営方針や戦略、情報開示に関するものを頂いているが、個別施策や対応・数値等については戦略上回答できないことをご理解賜るようお願い申し上げる。
一方で頂いたご意見は真摯に受け止め今後の展開の参考にさせて頂く。その上でご説明すると、基本的には潜在ファン層グループ別の多様な嗜好性などに応えるべくコンセプトの異なるVTuberグループを複数運営している。
現状、我々は女性VTuberグループによる男性ファンを中心としたアニメやゲームファン層の拡大に強みを持っているが、特に国内では音楽や様々な方面でのタレントの活躍を通じて多様な顧客セグメントを開拓しており、こうした領域を拡大していく意義が中長期的には大きいと考えている。今後は各タレントのニーズや頑張りに応じて公平にリソースを割り振った上で運営していく方針。
またリスク管理分野に関するご質問を頂いているが、社内チェックやモデレーションのフローを整え、万が一リスクが発生した際も報告から対応まで迅速に対応できる体制を構築している。問題発覚時だけでなく、事前教育やレッスンなどのサポートを適宜実施する。
11.新スタジオの活用状況や技術開発の進捗について教えて下さい
回答
スタジオの稼働率は1年間を通じて約80%でありフル活用されている状況。
タレントが自由に使える環境を提供し、ショート動画の収録を始め3D利用が可能なセルフ配信ブースやレコーディングスタジオの活用など、幅広く利用できるシーンも増えており環境整備を継続している。
またUnrealEngineを使ったライブなど新しい表現技術の活用も進めており、映画のようなカメラ・照明・リアルな流体や天候など、ハイエンドな表現を独自のアニメ・イラスト表現と高次元で融合させることができる。
目指すのは「このライブは今、世界のどこかで本当に行われている」とユーザー様に感じていただくこと。この体験を極限まで高められるよう引き続き開発を続ける。
12.海外展開の進捗状況について教えて下さい
回答
現状、潜在市場規模・収益性・当社需要との文化的な親和性などの観点から優先度をつけて海外事業開発を実施。当面の重点地域としてアニメ文化が大きく浸透している北米やアジア地域での展開を進めている。
これまでは日本と比較して海外での施策が遅れていたが、各エリアでローカライズされたコンテンツ・商品・サービス等の配下を増やしていく想定。
特に北米では毎年グループのライブを実施している他、ワールドツアーやソロライブ・大型コラボなどの施策が好評。手応えを感じながら拡大を進めている。
昨年はカバーUSAを立ち上げライセンス機会が大きく増加。カバーUSAの一番の役割は時差無く現地でのライセンスニーズに応えることで機会を最大化していくことであった。その機能は既に計画通りの成果を上げており、今後は現地採用を進めてそのボリュームを増やし成長が持続する想定。
また海外事業開発やカバーUSAの設立を昨年実施したことで、ライセンス営業面だけでなくENタレントがよりスムーズに活動ができ、タレントの要望を叶えやすい土壌が整ってきたと考え、今後一層の拡充を進める。
なお現状においてカバーUSAは重要性の観点から連結対象としていないため詳細な開示は実施していない。一方で事業拡大に応じて適切な管理が必要であり、今後の重要性基準に照らしながら開示事項についての拡充を検討する。
その他、EN(英語圏)やID(インドネシア)などのブランチ別の成長状況について関心をいただくことが増えていることを認識している。現時点では売上の地域別やブランチ別の分解は収益の主帰属構造など、一部集計が難しいため海外全体としての売上動向を開示している。しかし今後海外展開の規模が拡大し、一定の重要性を持つ地域やブランチが明確になる中で、個別開示の可能性について慎重に検討を進める。
なお配信・コンテンツにおける海外売り上げは英語圏を中心に比較的消費者単価が高く、現地のファン層の拡大とともに順調に成長している。今後もコンテンツの充実と多言語展開を通じて地域ごとの成長ポテンシャルを高めていく。
13.ゲームやTCGなど新事業領域の開発・展開状況について教えて下さい
回答
TCGについては好調なスタートを切れたと考えている。
第三者調査において、2024年度に新規発売されたカードタイトルの中で一番売り上げたカードゲームとして表彰を受けており、カードゲーム市場の中において一定のシェアを獲得している。
また各店舗様で実施いただいている大会や交流会、会場を借りて行う大会参加希望者数は回を追うごとに増加。今後も既存の施策だけでなく、様々な新規施策の検討を進める。
ゲーム領域ではスマートフォン向けゲームプロジェクト「DREAMS」について、現在リリースに向けて開発を順調に進めている。本作は国内外の幅広いユーザー層に楽しんでいただける内容を目指しており、ゲーム性やクオリティにおいても妥協のない取り組みを行っている。
リリース時期や収益貢献の見通しについて現時点で具体的な情報はお伝え出来ないが、当社として重要なプロジェクトとして位置づけており、皆様の期待に応えられるよう引き続き全力で取り組む。今後の進捗や詳細については適切なタイミングで改めて報告する。
14.ホロアースの開発状況について教えて下さい
回答
サービスや最低限の機能を実装して正式リリースを迎え、今後も継続的に開発を行いユーザー体験を向上させていく方針。
初期段階ではホロライブプロダクションの熱心なファンの皆様を対象と想定している。タレントアバターの実装を推進し、他では得られない新しい交流体験を提供することで、皆様とともにサービスの基盤を築き価値向上を図ることでエンゲージメントを高め、その熱量をデジタルアイテムやイベントといった収益化に繋がるコンテンツへ展開する計画。
ホロアースは当社が中長期的にユーザー体験の可能性を広げるためのチャレンジとして位置付けており、現時点では定量的な成果よりもコミュニティが広がる仕組み作りや技術的基盤の積み上げを重視している。
また正式サービス開始後のユーザー体験の向上や課金システムの技術的な検証、様々な決済手段への対応といった将来的なマネタイズ最大化に向けた先行テストを実施。これらのテストを通じて大変貴重なデータや知見を得られており当初計画よりも好調に推移している。
サービスの継続に関しては現時点では単一の仕様や短期的な数値だけで判断せず、ユーザー体験の質、技術的進展、パートナーシップの可能性、ブランド資産との相乗効果など複数の観点から事業としての成長可能性を継続的に評価している段階である。
早期の黒字化は重要な目標として認識しており、ユーザーのエンゲージメントとコンテンツの拡充による収益機会の創出に注力し、今後のユーザー動向やコンテンツ展開の進捗を見ながら早期実現を見据えている。
当日質問(全31問)
1.貴社では中長期の事業計画を営業利益および営業利益率を基準として策定しているが、株主の立場からは資本効率を示すROEやROICも併せて活用することが重要と考える。今後、ROE・ROICを考慮した目標設定の検討と、決算資料などへの実績値・計画値の開示を要望する
回答
現時点の資本効率は業界平均と比較して高水準と認識。今後バランスシートの拡大等により資本効率が一定程度低下する可能性も踏まえ、ROEやROICを将来的な資本政策・株主還元の判断材料の一つとして適切に活用していく方針。
事業計画における具体的な数値目標への折り込み・開示は、ご意見を踏まえ今後の検討の参考とする。
2.取締役に女性を登用すべきではなかったか。小倉氏は社外取締役であり、小倉氏以外にも企業運営上必要と考える。また政府方針として東証プライム市場でも2030年までに女性役員30%以上を目指すとされている
回答
役員人事に関しては、東証が示す男女比の基準も考慮しつつ、適切な陣容を見定めて選任していく方針。
3.直近であるタレントの活動に関わる告知が取り決め日より前倒しで公式アカウントで発表され、当該タレントは非常に困惑していた。これまでも同様の事案を含め公式の過失が散見され、都度再発防止が表明されているが、所属タレントとの信頼関係が損なわれつつあるように感じる。ひいてはタレント卒業による損失が懸念される。改善の余地はないか
回答
ご心配をおかけしている点についてお詫び申し上げる。
経営陣も問題を認識しており、社内で共有の上、改善を指示している。それぞれのケースごとに原因を解明し再発防止策を講じていく。
4.ホロアースについて、第7期定時株主総会では2025年にマネタイズを目指すとされていたが、現状は達成できていないように見える。このまま事業を続けるのか、見直すのか、または省エネで運営するのか考えを聞きたい
回答
上場当初より「サービス開始後数年でのマネタイズ」を目指す方針であり、本年4月に正式サービスを開始した段階。早期の黒字化を重要な目標と認識し、ユーザー動向やコンテンツ展開の進捗を見ながら早期実現を目指す。
5.大都市ではアニメショップを中心に公式グッズが手に入りやすくなったが、地方では依然として見かけにくい。ホロライブが皆に愛される存在となるため、より幅広いグッズ販売展開を望む。またリアルな情報発信基地としての意味も含め、リアルショップの常設化も検討いただきたい
回答
東京駅の公式ショップでは若年層のお客様が多く、若年層と新規層の獲得につながっていると考える。当社としても今後の展開を前向きに検討しており、先日大阪での公式ショップ開設を告知した。
なお常設店舗の展開は、適切な場所の確保や十分な集客が見込めるかを考慮して検討している。
6.タレントの卒業が多く出ている現状について、タレントのメンタルや方向性の理解、業務量の把握・共有ができているのか。また社内の情報リークと思われる投稿について調査しているのか
回答
タレントの体調不良や卒業が続く現状を重く受け止めており、タレントの負担軽減と心身の健康維持を最重要課題と認識。継続的に運営体制の見直し・改善に努めている。
具体的には、メンタルケアサービスの導入や健康診断の受診サポートを実施。また情報漏洩が疑われる事案については調査し、関係各所への報告や処罰等の対応を社内で進めている。
7.ホロアースは高性能PCでの動作に限られているため、多くの人がアクセスできるよう、holo Indieと同様にゲーム機プラットフォーム対応を進めてほしい。前向きな検討をお願いしたい
回答
現状、PCへの負荷に課題があると認識しており、解決に向けて取り組んでいる。多くのユーザーに楽しんでもらえるよう、ご意見も踏まえつつ各種開発を進めていく。
8.タレント卒業後もキャラクターのIPは会社に帰属すると理解しているが、そのIPを活用したキャラクタービジネス展開は検討されていないのか。ファンの気持ちに応える意味でも意見を聞きたい
回答
VTuberはキャラクターと演者が一体となって活動することで最大のロイヤリティを発揮するコンテンツ形態と考えている。演者との契約が終了した後に積極的な展開を行うことはキャラクターを蔑ろにしていると捉えられ、顧客体験を大きく毀損する可能性があるため慎重に考えている。
課題対応として「配信活動終了」という新たな形態も設定しているが、今後はそちらの活用も含めてあるべき姿を検討していく所存。
9.昨年度は倉庫販管費が約35億円かかり利益を圧迫していた。昨日発表された物流改善に関するIRを踏まえ、本改善でどの程度のコスト削減効果を見込んでいるか
回答
今期の業績には一定の改善効果を織り込んでいる。新生産拠点の立ち上げにより業務効率化が進む見込み。配送費用についても交渉を進めており、国内は今期中に一定の効果を見込む。海外配送も製造先を含めて見直していく所存。
10.株主総会時、谷郷氏の負担が大きいと感じる。司会役を雇い省力化を図っていただきたい
回答
ご提案ありがとうございます。本年度より事業報告パートを事前録音にするなど、当日の負担軽減を図っている。
11.今後の設備投資について、さらなる成長のためにライブができるスタジオ設備や他社との協業を含め、どのような計画があるか、回答できる範囲で教えてほしい
回答
事業戦略上申し上げられることは限られるが、中長期的に取り組む分野と考えている。今後のキャピタルアロケーションとして500億円規模の成長投資・M&A枠を設定しており、今後あらゆる可能性を検討していく想定。
12.東証プライム市場への移行審査がかなり長期化しているが、話せる範囲でなぜここまで審査が伸びたのか、その要因を説明してほしい
回答
現在もプライム市場への上場区分変更に向けた準備を継続中であり、ガバナンス開示体制や内部管理体制の強化を含め、安定的に基準を満たす水準の実現に努めている。準備が整い次第、適切なタイミングで報告する。
13.イラストAIを使ったファンアートに関し、所属タレントに対し配信に用いないよう指導しているようであるが、各タレント任せのため、不正確な案内や手書きのファンアートをAI製と誤認し周知したことによるファンアート作者の風評被害などトラブルが生じている。競合他社のように事務所としてAI製ファンアートへの対応を一本化すべきではないか
回答
AI活用については、理解を深めつつ動向を注視し、慎重に検討を進めている。生成AIの活用と悪用は区別し、違法なものについては法的措置も含めて対応していく方針。
14.タレントの卒業や下請法違反など経営課題がある中で、役員報酬を増額する合理性を説明してほしい。株主への利益還元である配当を優先することが経営陣と株主の利害を一致させる道だと考えるがご意見伺いたい
回答
今回新任取締役が2名いることで取締役の人数が増加するほか、事業が拡大・多角化を続ける中で、管理監督機能を拡充する際の取締役の増員を見据えた報酬枠の確保を目的としてる。実際の報酬は報酬委員会が定める基準に基づき、業績や貢献度を反映して決定し、株主の利害と一致する形となるよう報酬基準などを定めている。
15.昨日、所属タレントの外部レーベルでの活動終了と、御社レーベルでの活動開始が告知されたがこれは定款変更と関連があるのか
回答
音楽事業活動における実務的な制限の解消を目的に追加している。本件は所属タレントの当社レーベルでの活動開始とは直接の関係はない。定款変更により音楽事業の活動の幅が広がり、タレントをサポートできる幅が広がるものと考えている。
16.無許可の2次創作に対する会社の考えを教えて欲しい。タレント本人にはアバター権利に対する厳しい規制がある一方、第三者が無許可で2次創作を行い、利益を得ていることに対してどう考えているか
回答
2次創作に関する当社の方針は、公開している2次創作ガイドラインに基づいている。不適切と判断されるものについては、当該創作物の取り下げを依頼するなど、ガイドラインに基づき適切に対応している。
17.ホロアースが既存のメタバースゲームの二番煎じにならないか懸念している。ホロアースだけの特異性や魅力は何か。また単に既存VTuberの活動の幅が増えるだけなのか、あるいはメタバースとして独自の市場や文化を作り上げたいのか、どの程度の投資を予定しているのかを聞きたい
回答
ホロアースは自社が作る「ホームグラウンド」であり、安全な環境を担保。タレントとファンがより直接的で深いレベルで交流体験することが可能になる。熱心なファンが日常的に集う居場所を創造し、強固なコミュニティ基盤を築くことに注力。
このコミュニティを核として、次にユーザー自身が創造主となるUGC機能を更に展開する。これにより遊び方の幅を大きく広げ、既存ファン層に留まらない、より幅広い層のユーザー獲得を目指す。
18.一部配信者が侮蔑的な表現を配信やSNS等で使用している事例が見受けられるが、所属タレントに対し不適切な言葉の使用に関する指導やガイドラインを整備しているか。またそのような発言が視聴者やコミュニティに与える影響についてどうお考えか
回答
タレントの配信・発信について各種ガイドラインを設け、不適切な言動が起きないよう努めている。仮に不適切発言があった場合は、当社からタレントに対し適切な指導を行っている。
19.所属タレントのキャラクターデザイン担当イラストレーターが同一性保持権の侵害を主張し、担当タレントの2次創作イラスト制作を独自に規制するとSNSで発言。またそれに反したイラスト投稿者を提訴すると表明している。会社として、こうしたガイドラインを超える2次創作規制に対しどのように対応するか
回答
イラストレーターとの契約関係に基づき、2次創作ガイドラインに記載の通り考える。今後もイラストレーターおよび2次創作者、双方の理解を得た2次創作活動の促進ができるよう努めていく。
20.売上原価は同業他社とほぼ同じ約162億円だが、販管費は当社が84.5億円と同業他社の28.5億円を大きく上回っている。この差により利益率も変わると思われるが、タレント数は同業他社のほうが多い中、要因と今後どのように売上利益につなげていくかを教えてほしい
回答
事業構造が異なるため単純比較はできないが、当社は海外事業開発や表現技術に関わる研究開発など将来成長に向けた積極的投資を行っているため、短期的な利益率は競合より劣後していると認識している。
一方で、単独でも非常に強い集客力を持つタレントを複数擁するブランドを構築できており、ブランドを起点としグローバル展開や多角的なサービス運営を実現。ファンベースに高品質なコンテンツを提供し、マーチャンダイジングやライセンス/タイアップなどの売上構成に占める割合の増加や、TCGなど新規事業領域における利益率は改善していくものと想定。今期については先行投資により利益水準は一定抑えられるものであるが、今後の収益性はこれまでよりも改善していく見込み。
21.株価が低く、配当や株主優待もないため株式を手放すことを検討している。今後も配当・優待の導入や株価対策を行わないのか。
回答
株価は市場の需給や投資家心理、業界動向など様々な外部要因に左右されると認識している。一方で、グロース企業として中長期の成長方針とその進捗を市場にしっかり伝え、長期投資家の参加を増やすことが株価安定に重要と考えている。機関投資家との面談やIR情報開示などの施策を検討・実施している。
22.YouTubeでタレントが出演する広告は増やさないのか。私はホロライブの広告が流れて新鮮に感じたことで実際に来場する最後のひと押しになった。またカバーや所属タレント自体の活動をYouTubeで広告することは考えていないのか。実情とそうすることによる問題点・懸念点があればお聞きしたい
回答
YouTube広告に関わらずプロモーションについては様々な施策を比較・検討しているが、事業戦略上詳細な回答は控えさせていただく。
23.所属タレントに対して業務や活動の指示・制限を行うことがある場合、それが優越的地位の濫用に該当しないか法的なチェックを実施しているか
回答
タレントの業務活動に関する指示や制限について、法的懸念がある場合は当社の法務部や社内弁護士、顧問弁護士に確認し、法令遵守のもと進めている。
24.グッズのラインナップが多様化している反面、従来と比べ完売する商品の数が減っているように見えるが、この状況が売上や収益にどのような影響を及ぼしているのか。また今後の物販戦略についても見解を聞きたい
回答
欲しい商品を欲しいときに購入できるという点では購入機会の最大化に繋がると考えており、商品供給の安定化には一定のメリットがあると考える。
一方で前期は商品の評価損を計上したが、今後は需要予測の精度を高め在庫リスクを低減しつつ、販売期間の最大化に取り組む。
25.一部タレントのレーベルがホロライブに変わるなど、カバーの内製化が進んでいるが、谷郷さんは拡大するカバーをコントロールできるのか。成長を感じることができる・初めからできるわけではないタレントの発掘ができる体制になっているか
回答
事業拡大に応じて会社体制の強化を進めている。4月の経営体制変更や先行投資は今後の拡大を見据えたものであり、持続的に成長可能な形で運用するための施策の一つ。今後も皆様の期待に応えられるよう事業運営を続けるので引き続きご支援のほどよろしくお願い申し上げる。
26.タレントの卒業が相次ぎ、「方向性」という都合の良い不誠実な言葉にうんざりしている。卒業理由について詳細を知る術が無く、今後も続くのではないかと思うと応援できない。卒業理由はハラスメントや強要の類ではないと断言できるのか。結果として大きな損失であり、代表が責任を取るべきと考えるがどう思うか
回答
個別事情は契約上、双方から詳細を公表できないことご理解を賜りたい。「方向性の違い」という表現はデリケートな事柄で憶測が生じないよう、個別の事情に深く踏み込まず、当事者双方の意向を尊重し円満な合意を発表するために用いている。
卒業するタレントについては卒業するその日まで全力でサポートを行って送り出しており、ファンの皆様が楽しみ、応援いただけるような形でのコンテンツを提供を目指していく。
27.昨日、タレントの1人が所属CDレーベルを離れ、ホロライブ内で音楽活動を継続すると発表された。今後もレーベル所属時と同等のサポート体制が維持されると考えてよいか
回答
活動についてサポート体制が悪化するということは無い。これまで回答しているタレントサポート方針に合わせて各タレントの活動領域に合わせてサポートの幅を広げよう、より充実させるべく取り組む。
28.御社の設備投資は競争力の基盤として重要と理解しておりますが、VTuber事業における最大の魅力は、タレントが自身の表現でファンを惹きつけ、その関係性を深めていく「語りの力」にあると考えます。ROI重視の下、設備主導に見える稼働設計では、演者の創造性や継続的関与が損なわれる構造的リスクはありませんか。ファンエンゲージメントとは別軸として、演者リテンションを重視したKPIへの転換と制度設計方針を伺います
回答
所属タレントやクリエイターの個性・創造性は極めて重要な価値創出の源泉であり、その継続性・持続性は当社の競争優位性を支える中核的な要素と認識している。タレントマネジメントに関する事項についても経営課題の一つとして真摯に取り組む。
タレント個々の特性を最大限に生かした活動方針を重視し、よりきめ細やかなマネジメント体制の強化に継続的に取り組んでいる。今後もタレントが安心して活動できる環境整備とコンテンツ価値向上に努めていく。
質疑原文は以下のnoteより引用しております
29.「bilibili」でのコンテンツ拡大方針がタレントに責任を押し付けた形で進められているように見える。会社としてbilibiliへの参入をどのように考えているか
回答
bilibiliでの配信は十分な準備のもと会社主導で実施しており、これまで問題なく展開できていると認識している。
未然に防いでいる部分は表に出ず具体的な言及ができないため体感としてわかりにくい部分が多いかもしれないが、配信モデレーションや事前教育など、これまで体制として変わっている部分を含めて種々対応している。
30.有価証券報告書の総会前開示ありがとうございます。男性社員の育児休業取得率向上は素晴らしいが、社員だけでなく所属タレントのワークライフバランスについてどのように考えているか。また数値目標はあるか
回答
タレントの心身の健康維持は最重要課題と認識しており、継続的に運営体制の見直しと改善に努めている。具体的にはタレント向けのメンタルケアサービス導入や健康診断の受診支援などにより心身の健康維持を図っているが、現時点で具体的な数値目標は定めていない。
31.谷郷CEOはタレントと直接ヒアリングする活動をしているが、本当にヒアリングを必要とするタレントほど土台となる信頼関係が築けてないように思う。今後どのように信頼関係を構築していくお考えであるか。すごく大事なことだと思う。健康に気をつけてこれからも頑張ってください
回答
所属タレントは当社の事業において中核的な要素であると認識している。そのため現場だけに任せるのではなく私を含めた経営陣とのコミュニケーション機会をとることも重要であると認識している。
今後は会社体制を強固にしたことで組織的に対応できる体制が整ってきており、こうした機会も定期的にとりながら、タレントとともにファンの皆様が楽しめる最高のコンテンツを提供したい。
株主総会では水が用意されていました
最後に
事前質問と当日質問を合わせて、約40分程度にわたり谷郷代表がすべての回答を行いました。
今回は昨年に続き2度目となるバーチャルオンリー形式での株主総会でした。SNS上の声を踏まえると、当日質問の取捨選択が昨年以上に実施されていた印象を受けます(筆者の当日質問も2問中2問取り上げられませんでした。他の質問と関連し処理されたと考えます)。
バーチャルオンリー形式では、企業側が恣意的に不都合な質問を排除できてしまう可能性や、回答に対する再質問ができないといった制約がある一方で、遠方に住む株主でも手軽に参加できることや、一般に従来の株主総会では経営と関連性のない質疑を行う株主も一定数存在するため、それらを事前に制限できることはメリット面にあると考えます。
これらのメリット・デメリット面はありながらも、会社と株主の双方が建設的な議論を交わし、企業価値向上に繋がる株主総会となることを期待しております。
開会前には「時間の都合上、すべての質問には回答できない」との説明があり、回答しきれなかった質問については後日文書で回答する旨の案内がありました。正式な会社発表資料には、今回取り上げられなかった質疑も掲載されるものと想定されます。
またご覧いただいたとおり、タレントサポートに関する質疑も多く寄せられ、ファンホルダーに位置付けられる株主からの高い関心がうかがえました。
ファンの間では谷郷代表への親しみを込めて、株主総会のことをYouTubeのメンバーシップ向け限定配信になぞらえ「YAGOOのメン限」と呼ぶ文化が生まれているのも同社の特徴のひとつです。
株主総会は年1回の開催であり、次回は2026年に予定されています。出席には3月の権利確定日にカバー株式会社の株式を100株以上保有していることが条件です。ご興味のある方は株主となり「YAGOOのメン限」へのご参加もご検討いただければ幸いです。
大変お疲れ様でした。




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