あなたを守ることのできる分家を誇りに思う。


~守衛~


いつもと変わらない一日。
今日もまた俺は修行の一日で終わるのだろう。
全くつまらない日々である。
今日も一日そのように過ぎていくと思っていたが・・・。
前方から宗家のヒナタ様がやって来る。
俺の存在に気づいたのか、怯えた表情になる。
ヒナタ様の父上が分家の俺に頭を下げたあの日から宗家に対する憎しみ、恨みは消えつつあった。
しかし、昔の幼い頃のようにヒナタ様に接することができなくなってしまった。
接し方を忘れてしまったのだろうか。
ヒナタ様に一礼してから俺はこの場から去る、
つもりだったのだか、不思議にもヒナタ様に声を掛けられた。
声を掛けられたといっても、おはようございますというあいさつだった。
俺もあいさつをしてヒナタ様の側から去る。










ヒナタは自分の側から去って行くネジを見つめていた。
「ネジ兄さん・・・。」
やっぱり、ネジ兄さんはまだ宗家のことを恨んでいるのですねとヒナタは思い心が痛くなる。
昔のように宗家と分家なんて関係ないかのように接してくれはしないのだろうか。
もう無理なのかもしれない。
ヒナタの目には涙が貯まっていた。
大好きなのに・・・。











「ネジッ、ネジ!」
息を切らせて同じ班のリーが走って来る。
「何だ、一体。」
「大変です。日向が・・・。」
ネジの顔は険しくなる。
「日向がどうした。」
「暁と言う組織に襲われたらしいのです。」
暁と言えば木の葉の抜け忍でもあり、あのうちはサスケの兄がいる組織である。
やばいと思ったネジはリーには目もくれず走り出す。
「ヒナタ様、どうか無事でいて下さい。」
日向は木の葉の中でも一、二位を争うほどの優秀な一族なのだが、今日に限ってたまたま頭首のヒアシ様がハナビ様の修行の為いないのだった。
今いるのはヒナタ様だけ。
ヒナタははっきり言って日向の中ではあまり強くない。
暁などに襲われたらとんでもないことになる。
今朝、会ったヒナタ様の声がネジの頭の中で響いている。











「日向と言うものはこんなものだったのだな。」
赤い恐ろしい瞳の男が隣にいる男に言う。
「そうですね。あっけないですね。」
笑みを浮かべて言う。
「しかし、日向頭首がいないのが不思議だな。」
「逃げだしたんじゃないですか。」
ヒナタはそんな会話をしている二人の男を怯えながら見ていた。
さっきからずっとヒナタは震えていた。
頭の中ではお父様の言っていた、『日向の上の者は下の者に守られているが、いざというときは上の者が下の者を守らなければならない。』という言葉が回っている。
だからなのだろうか、ヒナタの体は行動を起こした。
「お父様は逃げ出したりなんかしていません。」
「ほぉ、まだいたんですか。イタチさん、殺しますか。」
男はそう言いながら大きな刃の武器を握る。
「お前は日向ヒアシの娘と言ったところか。」
イタチと呼ばれた男は傍らにいた男の問いを無視してヒナタに声を掛ける。
「そうです。」
ヒナタの体はカタカタと震えていたが、声ははっきりとしていた。
「お前の父親はどこだ。」
イタチはヒナタに問う。
「今は事情の為いません。多分しばらくは帰ってきません。」
「鬼鮫、殺して構わない。」
とイタチが言ったとたん、鬼鮫と呼ばれた男は大きな刃を振り下ろす。
しかし、ヒナタもそこまで甘くはない。
紙一重で交わす。
「少しはやるようですね。どこまで持ちますかね。」
大きな刃を鬼鮫は振り回す。
避けるのは以外と簡単だったのだが、鬼鮫には隙がなかった。
イタチはじっと二人の戦いを見ていた。





明らかにさっきまでの鬼鮫は手を抜いていたようだった。
今、少し本気を出したらヒナタの肩は一瞬にして真っ赤に染まっていた。
「苦痛ですか。すぐに楽にしてあげますよ。」
鬼鮫はそう言いつつ大きな刃「鮫肌」を振り上げる。
一瞬鬼鮫に隙ができたのをヒナタは見逃さなかった。
鬼鮫が鮫肌を振り下ろす前にヒナタの柔拳法が決まった。
驚いた表情のまま鬼鮫は突き飛ばされる。
「まさか、こんな小娘に・・・。」
肩が負傷したヒナタ、心臓を負傷した鬼鮫、どちらかと言えばヒナタの方が有利になった。
鬼鮫は苦しそうに立ち上がろうとする。
そんな鬼鮫を見ていたイタチが行動に出る。
「そこで見ていろ。こんな小娘に負けるとは情けない・・・。」
イタチは隙一つ見せずにヒナタに近づく。
ヒナタは目を伏せている。
写輪眼の能力は知っているのでヒナタは目を伏せていた。
「立派だったな。誉めてやる。だが、これで終わりだ。」
イタチはクナイを振り上げる。





私、
最期くらい
日向らしく
死ねるのかな・・・。





クナイは動かない。
動くことができなくなっていた。
「ヒナタ様を死なせる訳にはいかない。」
ネジは後ろからの不意打ちだったが、確実にイタチに柔拳法を決めていた。
これ以上ここにいるのは危険とイタチは悟ったのか、鬼鮫を抱えて去ろうとする。
「日向はなかなかやるのだな。うちはよりましだな。いつか・・・。」
「逃がすかっ!」
ネジは叫んだが遅かった。
イタチと鬼鮫に逃げられてしまった。
「ネジ兄さん。」
「大丈夫ですか、ヒナタ様。」
「はい、何とか。」
「すいません、あなたを守れなくて。分家は宗家を守る為にいるのに。」
「宗家とか分家とか関係ないと思います。」
「いえ、俺は宗家のあなたを守れる身分である分家を誇りに思っています。」
「ありがとう、ネジ兄さん。」
ヒナタは苦しそうだが笑顔で言った。

(終わり)
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久しぶりの小説です。
ネジヒナ+暁のつもりです。
少しイタヒナもあるかもです。
ちなみにこの後にはちゃんと救護班が来て、日向の皆様を助けてくれます。
しかし、中途半端な感じで終わってしまいまして、すいません。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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