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『 10 』
ベッドが軋んじゃうくらい、あたしたち絡みあって、もつれあって。
もうこれ以上はないって位、抱きしめあう。
離れないようにじゃないの、
もっともっと、近付けるように。
言葉なんかよりも、ずうっと近くに。
いいかげん俺なんか汗だくなんだけど、
奥さんはほんのりいい薫りがするだけで、ふんわりと俺を包み込む。
時々瞳を薄く開け、ふっくらした真っ赤な唇から覗くちいさな舌。
吐息まじりの掠れた声で、俺の名を呟いて。
洩らす吐息は高くなったり、低くなったり。
滑らかな身体の線が、上下に波打って。
まろやかな胸が震えてる、ほっそりと折れそうなウエストライン、
その下のくびれた曲線と、すっきりと伸びた脚の線。
こんなに色っぽくて可愛くて綺麗な人なんて、
他には絶対いるはずない。
引き締まった胸が背中にあたって、背骨にあなたの汗が触れる。
あたしの曲線にぴったり寄り添うように、あなたがあたしに重なって。
もう、あたしは力なんか抜けちゃってる。
あなたの波に、押し流される。
あん、どうしたの?いきなり抱き上げて。
カレの膝にだっこされながら、
気が付いたらあなたの肩で、喘ぎ声なんかあげてるわ。
形のいい耳に、舌なんかいれてみちおゃう。
どの位気持ちいいか伝わるかしら。
「あうっ、 ・・りか・・ちゃ・・・・ん 」
相変わらず耳が弱いのね、あたしの素敵な旦那様。
嬉しくなっちゃって、あたしは抱えられたまんまくすくすと笑う。
あなたの上で、あなたに重なったままで。
「あんま気持ちいいから・・お仕置きよ。」
耳の中で囁いてみる。
あなたはあたしをかき回すように、
あたしはあなたにだっこされたまま、頭の後ろが痺れてきそう。
「ねえ・・・・悠河クン。」
「だめ、離さない。」
力なんかとっくに抜けちゃってる身体、
横抱きにされたまま、仰け反っちゃうあたし。
カレの長い腕に支えられたまま、このまんま昇天しちゃっていいの?
あたしを見つめて、笑窪なんか浮かべてるじゃない。
そういう意地悪すると、妙に可愛く見えちゃったりもしちゃう。
膝の上のりかちゃん、ゆらゆらした瞳に俺だけが映る。
そうっとそうっと、揺りかごみたいに抱きしめて。
柔らかくしっとりと、りかちゃんは俺の腕の中で。
「気持ち・・・・いい。」
細くて長い首が、猫みたいに仰け反って。
うなじに張り付いた後れ毛が、たまんなく色っぽい。
もう俺も、言葉になんないよ。
「・・・・ん。」
霞むような視界の中、悠河クンだけで一杯になりながら、
ねえ、一緒にいきしょう。
「りか・・・ちゃん。」
あたしの頭にカレの顔が潜ってる。
あんまり気持ちよくて、あたしたちは重なったまんま枕に並んでる。
胸の上にあなたの掌、あたしの鼓動が吸い込まれていくみたい。
あたしの不安も幸せも、全部全部吸い込んでくれるみたい。
擽るように曲線をなぞられながら、あたしは満ち足りた余韻に浸って。
くっついたまんまの身体と身体をゆっくりと擦りあわせる。
「このまんま、溶けちゃいそう。」
「溶けちゃいたい?」
「ん、このまんま。」
悠河クン、また笑ってる。
そういうところがたまらなく素敵、あなたに全部委ねちゃっていいの?
笑窪が浮かぶの、見えなくても分かるの。
奥さんの長い脚に、脚を絡めて。
ちょっとびくんとする背中、そして満ち足りたように力が抜けていく。
そうっと、ゆっくりと絡めた足をシーツに滑らせる。
しっかりと後ろから、あたしはあなたに包まれて。
深く深く、あなたがあたしに。
近く近く、あたしはあなたに。
そしてあたしは、身体もこころも包まれて世界一幸せな眠りに向かう。
あなたの寝息に、浸されながら。
夢の中でも、いろいろしてね。
ねえ、聞こえてる?
ずうっとずうっと、愛してね。
あたしの素敵なダンナ様。
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