ペルー最高峰のワスカラン山で遭難し、死亡と判断された登山家の稲田千秋さん(40)=山梨県北杜市=は、登山者の健康を思う山岳医だった。山が大好きで、東京都から山梨に移住。副院長として勤務する「ほくと診療所」では優しい医師として知られていた。
ほくと診療所の院長で衆院議員の中島克仁氏によると、稲田さんは昨年4月から副院長として勤務していた。都内に住んでいた頃から毎週のように山梨を訪れ、登山を楽しんだ。
優しい人柄で、専門分野にかかわらず患者に丁寧に対応した。山岳医の資格も持ち「山梨で安心安全に登山できる環境を整えたい」と、登山者の健康をチェックするシステムづくりを考えていた。
中島氏は「山梨の山岳医療の礎を築きたいとの志を持って来てくれた。まさにこれからという時の出来事で、いまだに受け入れられない」と声を落とした。