(日本生命セ・パ交流戦、阪神1ー3ソフトバンク、3回戦、ソフトバンク2勝1敗、22日、甲子園)阪神で1994年に新人王に輝き、米大リーグのアスレチックス、ジャイアンツ、楽天と渡り歩き、日米通算91勝をマークしたサンケイスポーツ専属評論家の藪恵壹氏(56)は七回、坂本誠志郎捕手(31)にバントを命じた阪神・藤川球児監督(44)の采配に言及した。
あの作戦は何だったのか。1点を追う七回1死一、三塁、カウント3-0からのセーフティースクイズは、ちょっと考えられない。1点を守らなければいけないソフトバンク・松本裕はいきなり大山、高寺に連打を浴びて、アップアップの状態。投手の立場からいえば一番苦しい。しかも、高寺は送りバント失敗後に切り替えて強攻での右前打。阪神側からすれば流れが自分の方に来ていた。一気に逆転を狙う采配があっても不思議ではない。
1死後。坂本の打席はおそらく全球、セーフティースクイズのサインだったのだろうが、仕掛けるなら偽装スクイズでの一塁走者の二盗だ。投手側からすれば、その攻めが一番イヤ。どうしても坂本の打席で同点にしたいのなら、普通にスクイズの作戦で良かった。3-0からのセーフティースクイズで相手を助けてしまった。
交流戦期間中に7連敗があり、その中には勝てる試合を落としたケースが何度もあった。リーグ戦再開後は「勝てる試合をいかに確実に勝つか」が大事だ。