運動部の幹部が大集合する「宴」
この悪習は重量挙部に限った話ではない。日大側は「重量挙部のような私的流用はなかった」と弁明しているが、陸上部やスケート部でも同様の不正徴収が発覚しており、難波氏自身も「重量挙部に限ったものではない。なぜ俺だけ処分されるのか」などと話しているという。
「年に2~3回、東京・原宿の中華料理店『南国酒家』で、大学本部所属の34の運動部の幹部が一堂に会する『部長・副部長・監督・コーチ会』が開催されていました。飲み放題付きフルコースの宴会代は、大学の費用で賄われており、田中前理事長や学長らも来賓として参加していました」(同前)
長らく日大を支配していた田中英壽前理事長体制下では体育会出身者が主流派となり、出世してきた。難波容疑者もいわゆる「田中派」の一人だったという。運動部の幹部たちの間で、こうしたノウハウが共有されていたのか。
「表向きの目的は『ヨコの結束を図る』というものでしたが、その実態は有望な選手の情報交換や、推薦枠の貸し借り、そしてカネ集めのノウハウの相談などが目的でした」(同前)
難波氏は「寄付金として保護者の了解を取り付けてもらったお金だという認識だった。詐欺ではない」と供述しているというが、A氏は「一部の運動部の関係者は、世間の感覚とは大きく乖離している。裏口入学を斡旋していたと言っているのと同じだ」と一蹴する。