選挙プランナーの内閣支持率・政党支持率月次調査レポート(2025年5月)
この記事では、世論調査会社グリーン・シップの「GS選挙調査センター」が全国規模で毎日実施している情勢調査のデータ提供を受け、内閣支持率や政党支持率の分析を月次レポートとしてお送りします。
内閣支持率
グリーン・シップ社の調査では、内閣不支持率は3月以来微減となっていますが、大きな変動はありません。支持率は3月以降「横ばい」が続いており、大きな支持率回復の兆しはないといえます。予算通過後の国会は参院選モードが高まっており、選挙前の嵐の前の静けさとも言えるでしょう。
ただ、内閣支持率は、5月20日頃から上昇基調にあり、その上昇基調は先の衆院選後最も大きな幅になりつつあります。5月21日に小泉進次郎農林水産大臣が就任したことで、備蓄米の放出に目処が立ち米価安定へ期待がかかっているほか、小泉進次郎氏の登板で、石破内閣そのものへの支持も回復基調になりつつあるとみられます。小泉氏の発言から、旧態依然の自民党を払拭してくれるのでは、との期待も高まっているとみられ、この傾向がどこまで続くのかも注目です。
党や官邸が支持率回復を「小泉頼み」と考えれば、小泉氏への依存度が高まり、今後の総裁選への影響も大きくなるとみられます。背に腹はかえられない考えでの小泉氏登板ですが、支持率は回復傾向とはいえ依然として低く、全体として吉と出るか凶と出るかはまだわかりません。
政党支持率
つづいて政党支持率です。自民党の支持率は低空飛行ですが、とはいえ下げ止まっているとの見方もできます。国民民主党の支持率が下がっている一方で、参政党や特に支持している政党はない層が若干増えました。
月次の数字でみると、国民民主党の支持率が衆院選後大きく上昇し、3月をピークに下降トレンドに転換したことがわかります。国民民主党と反比例的に連動しているのは、無党派層や参政党であり、ネット世論の移り変わりが早い、政党に対する賞味期限の問題を垣間見ることができます。
国民民主党の支持率低下を因数分解する
ところで、本記事で紹介しているグリーン・シップの世論調査は毎日行われているため、日次グラフを観察することで、国民民主党の支持率低下について、その原因を細かく因数分解することができます。
上記のグラフは、国民民主党の支持率を日次(移動平均3日間)で指し示しています。このグラフをもとに国民民主党の支持率低下を分析していくと、4月中旬をピークに横ばいだった支持率が、平岩征樹衆議院議員の偽名不倫報道で支持率が20%を切り、無党派が増えたことが分かります。
5月に入り、いわゆる四人衆公認そのものでは支持率の低下は招きませんでしたが、直後の山尾氏による女系天皇に関する発言やそれに対する玉木代表の注意、さらに和光市議補選における公認候補者の落選などにより支持率は大きく低下しました。和光市議補選における国民民主の候補者落選は、地方選挙の市長選挙に便乗した補欠選挙という枠組みを考えれば、必ずしも党勢と大きく関連付ける話ではないようにも思いますが、各種報道では党勢と連動した動きのように報道されてしまったことも、要因の一つと考えられます。
ここまでは国民民主党の支持率と無党派層のグラフがほぼ対称的となっており、無党派層から(衆院選を経て)国民民主党支持層となった人々が、無党派層に回帰する現象とみられます。
また、直近では玉木代表の「エサ米」発言もあったことが注目されていますが、ここ数日は国民民主党支持層が無党派層に回帰というよりは、自民党の支持が復調していることもあり、米価高騰の問題に敏感な人たちが、小泉農相の対応を評価し、自民党支持に鞍替えしている可能性もあります。
今後、6月13日公示22日投開票の東京都議会議員選挙で、国民民主党が議席を一定数獲得できれば、「国民民主党が都議選で躍進」などと報道され、バンドワゴン効果で再度国民民主党の支持率が上昇気流になることが予想されます。一方で、大型選挙の前は様々な不祥事ネタなども報道されやすい時期であり、ネット世論の形勢も含めて注目です。
調査会社:グリーン・シップ(GS選挙調査センター)
調査日:2025年 5月1日〜31日
調査手法:電話調査(RDD方式)
サンプル: N=12,711(有権者ウェイトバック集計)