「毎回同意なんてとれない」はズレている

日本では人権教育や包括的性教育が行われておらず、アンコンシャス・バイアス(UB)やセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス・ライツ(SRHR)等のことを何も知らないという自覚、「無知の知」を持つことが誰にとっても大事です。ビジネスの現場では特にそう。「ジェンダー」とか「フェミニズム」と聞いた瞬間に後ろを向いて走り出すようでは、いずれ穴に落ちますよ。フェミニズムとはまさに人権そのものですから、それを認識できていない状態で世界の人々と渡り合えるはずがありません。

そんな危機感から、『ジェンダーレンズで見る刑事法』(後藤弘子、岡上雅美共著 信山社)を27日に出しました。日本の法律をジェンダーレンズという眼鏡をかけて見た場合、法解釈や運用にどんな差別が包含されているのかを解説したものです。私がこれまで語ったような視点で日本の刑法を読み解く書籍は初であると考えています。

後藤弘子、島岡まな、岡上雅美『ジェンダーレンズで見る刑事法』(信山社)
後藤弘子、島岡まな、岡上雅美『ジェンダーレンズで見る刑事法』(信山社)

話は戻りますが、性的同意について「そのつど同意なんてとれない」という声もよく聞きます。しかし、男女かかわらず子供の頃からきちんと人権教育を受け、「周囲の人の人権を尊重する」という意識が皆にあれば、全員が気をつけると思います。

相手の同意がないような性行為はしないと男性も女性も子供のころから教育されていれば、事件は起こらない。お互いに人権を尊重しあっているので、いちいち確認しなくてもコミュニケーションがあれば問題は起きないんです。アメリカで性的同意アプリができたと言いますがフランスでそんな話題は聞きませんし、アプリで確認をとる必要があるとも思いません。

(聞き手・構成=ライター堀内敦子)
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