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私は平成十七年七月、日蓮正宗本要寺の信徒にさせていただきました。それまでは正信会に二十数年、在籍していました。正信会のお寺の行事に足を運ぶと、いつも学会や宗門の悪口ばかりで、離檀する頃には、「またか」とウンザリして、聞いてもいませんでした。
日蓮大聖人の仏法は、広宣流布・折伏が根本なのですが、正信会の住職の口からはそのような言葉をあまり聞いたことがありませんでした。仏様の教えを説き、導いていく立場の人が、言葉も荒く、人の心を傷つけてしまう。そのような姿を見て、住職の人間性に失望してしまいました。このようなことは常日頃の有り様でした。
そのような正信会での信仰に、いつの頃からか疑問が生じてきました。お寺に参詣しても何の歓喜もなく、ただ空しさだけが残り、いつも胸の中はすっきりしませんでした。「果たしてこの信仰は正しいのだろうか」と、常に自分の中で問い質していました。朝晩のお勤めの中で、御本尊様に「正しい信仰をさせてください」とお願いする日々が続きました。
正信会と決別家族で決意
そしてある時、以前に正信会の同志だった方が、本要寺の御住職・小竹正素御尊師と一緒に家にみえました。しかし、私は突然のことでしたので、あまり良い応対をしなかったのです。正信会で二十数年の長い年月にわたり、宗門への批判をたくさん聞かされてきたため拒否反応が強く表れてしまい、素直に話を聞くことができなかったのでした。
それでも二度、三度と足を運んでくださったお陰で、私も少しずつ心を開くことができたようでした。正信会のお寺には私だけでなく、主人、息子夫婦、娘とその子供で行っていましたが、この頃には不思議と家族全員が「正信会のお寺に行きたくない」という気持ちになっていました。
このような機会は、御本尊様からの正しい信仰へのお導きではないかと思い、家族で話し合い、正信会をやめることを決意しました。その後、あまり間を置かずに、正信会へ離檀届けを郵便で送りました。すると、突然のことで驚いたのか、住職夫妻が家までやってきました。しかし、こちらの質問に対して納得のいく答えは聞けませんでした。
正信会とは違う澄んだ空気の本堂
本要寺でのいろいろな手続きをするため、初めて本堂に上がらせていただいたときに、何と空気の澄んでいることか、僧俗が御題目をたくさん唱えているお寺はこんなにも違うものかと驚きました。私たち家族全員が一様に、心より感じたことでした。
こうして主人と私、息子夫婦、娘母子が今までの謗法を懺悔し勧誡式を受けることができ、同時に弟夫婦は御授戒を受け、皆で晴れて本要寺の信徒になることができました。
また、元気な頃は正信会に入っていた母も、私たちが離檀するときに一緒に法華講に入らせていただきました。そして昨年の春、桜の花が満開の時、母は九十二歳の天寿を全うしました。日蓮正宗で葬儀をすることができ、臨終の相がとてもすばらしく、親孝行ができたことを有り難く思っています。
本要寺に移ってから一年八カ月になりますが、御住職をはじめ、奥様や法華講の皆さんがとてもいい人たちばかりで、楽しく足を運んでいます。正信会にはなかった和気あいあいの雰囲気の中での行事と、その後の親しみ増す歓談中のお茶の一杯がとてもおいしく感じます。
謗法懺悔の道 正信会員への折伏
話は変わりますが、去年の秋、普段は滅多に行くことのないスーパーマーケットで、正信会の人とお会いしました。この方は、ご家族全員で正信会の信仰をしている家の娘さんです。私たちが正信会をやめたことについて、一切他の信者さんには知らせなかったようで、この方も半年間知らなかったと言っていました。そして、なぜ正信会をやめたのか本当のことが知りたくて、私に会いたいと思っていたということでした。
その時は店の中でもあり、あまり時間もなかったので、おおざっぱに話をして別れました。それから一週間ぐらいして、その娘さんから電話があり、改めてその方の家を訪ねることになりました。
十一月の御報恩御講の帰りに訪問し、正信会をやめた理由など諸々のことを話しました。すると自分たちも同じ気持ちでいると言って、正信会への不信をますます募らせていました。そこで、詳しいことは本要寺の御住職に聞いてくださいと話して帰ってきました。
そしてその二、三日後、正信会をやめるという電話があり、早々に手続きを済ませて正信会を脱会し、十一月二十五日に晴れて本要寺の信徒になられました。今では、ご家族で御講やいろいろな行事に来られています。

私も本要寺に移ってから、総本山に何回か参詣させていただきましたが、御隠尊日顕上人猊下には本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。そして今までのことを悔い、心の中でお詫び申し上げました。
正信会の害毒に冒されていた私は、一日も早くその汚れを落とさなければなりません。そして今もなお汚れの中にいる正信会の人々を、一人でも多く正しい信仰である日蓮正宗に導いていきたいと思っています。
来たる平成二十一年・『立正安国論』正義顕揚七百五十年の大佳節に向けて、御住職の御指導のもと、佐藤講頭さんを中心に、本要寺の皆様に支えられながら、「地涌倍増」と「大結集」のために、自分にできる唱題と折伏をたゆまず実践し、努力していくことをお誓い申し上げ、私の体験発表とさせていただきます。ありがとうございました。
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