いざ、勝負!!

Am I Pretty ?


 


--- え?明日?

--- そ。お休みでしょ。どこか行かない?

--- 珍しいじゃない、すみれさんから誘ってくるなんて。

--- ・・・・・・もういい。

--- あぁっ、ゴメン!ウソ!!

--- 明日の晩御飯、オゴリ決定。

--- ・・・・・・やっぱり。

--- 自業自得。

--- ハイハイ、っていうか、最初からそのつもりだったっしょ?

--- ・・・。で。どこ行く?

 

 

 


久々の休日、すみれはカーテンの隙間から覗く朝日で目が覚めた。

--- 晴れたんだ、ヨカッタ。

片手でシャッっとカーテンを開けて、うーんと伸びをして。

ニッコリと笑うと、ベッドから飛び降りた。

 

朝ごはんは、昨日の夜買っておいたお気に入りのベーグル。

余り物の野菜を茹でて、温野菜にして。

それから、温かいコーンポタージュを入れる。(もちろんレトルト。)

「ん~、いい匂い♪」

鼻先を擽る朝食の匂いに、なんとも幸せな気分に包まれる。

随分前にもらったインスタントコーヒーの最後のひとつを淹れると。

「いっただっきまーすv」

パン!と手を合わせ、極上の笑顔で微笑んだ。

 

テレビからは、朝のニュースが流れている。

現在の時刻、午前9:48。

約束の時間は、午前11時。

--- 洗濯して、部屋片付ける時間はあるわね。

窓の外に広がる青い空を見て、なんとも幸せな気分になって。

すみれは小さく微笑んだ。

 

きっと、こんなに今日がワクワクしてるのは、この天気だけのせいじゃない。

何気なく、だけど当たり前のように交わされた「約束」。

同僚じゃない、友達じゃない関係で、休日に会えるというだけで、まるで子供のようにドキドキしている自分がいて。

すみれは思わず苦笑した。

 


--- 何着て行こうかな。

どこまでも続く青空の下、洗濯物を干しながら、そんなことを考える。

そういえば、ラフな格好してねって言ってたっけ。

パンツスタイルでね、って。

だけど、寒くないように・・・って、なにするつもりなんだろ。

別れ際の青島の言葉を思い出すと、すみれは思わず眉間にしわを寄せて。

どこかの管理官の様な顔になって、首を傾げる。

 

ラフな格好か・・・この間久々にデニム買ったんだっけ。

ずっと前から欲しかった、形が綺麗に見えるヤツ。

じゃ、それ穿いて・・・靴は、去年買ったショートブーツにして。

あ、そうだ、冬のバーゲンでショートダウン買ったんだっけ。

水色で珍しくて、暖かいのに着膨れして見えなくて。

かなり優秀だったな。

うん、あれにしよう。

インナー・・・は。

白いVカットのセーターがあったし。

よし、決定!

最後の一枚をパンッ!と干し終えて、すみれは早速戦闘準備に取り掛かる。

 


いわゆる「同僚以上恋人未満」の関係から脱して、何度か約束をして外出した。

それはキャビアデートだったり、お買い物だったりしたのだけれど。

自分も一応恋する乙女だし?

どうしたって、カワイイって思われたいから、何とかオシャレしてみるんだけど。

毎回毎回、青島のカッコよさにKOされてしまう自分がいて。

--- 今日は絶対勝ってやるんだから!

なんて、ヘンに気合を入れてしまう。

 

服を着替えて、髪を頭の高い位置でお団子にして。

カジュアルチックな装いに合わせて、いつもより少し色見のついたメークをする。

この前買った、真珠の小さなイヤリングを耳につけて。

お気に入りの香水をほんの少し振り掛けて。

「完璧っ。」

鏡の中の自分にニン、と笑った瞬間。

Pllll Pllll

携帯の着信音が鳴った。

 

 

「もしもし?」

『もしもしすみれさん?おはよ。』

「おはよう。」

『もう準備できた?』

「ちょうど今完成したトコ。そっちは?」

『うん、もうコーポの下で待ってる。』

「そうなの?じゃ、すぐ降りるね。」

 


携帯を切って、辺りを見回して。

掛けてあったダウンを羽織ると、すみれは玄関を飛び出した。

--- 今日は絶対負けないんだから。

何か企んだような笑顔を浮かべ、玄関に鍵を掛けて。

階段を駆け下りる。

いつも彼が待っている茂みを、ちょっぴりドキドキしながら振り向いた瞬間。

 


ドキン!!

 


今までとは比べ物にならないくらい、すみれの心臓は高鳴って。

一瞬、金縛りにあったように身動きが取れなかった。

 

ドキドキしすぎて、息が出来ない。

--- な、なんなのよっ・・・

ぎゅう、と苦しくなる胸を片手で掴んで、すみれはじ、と青島を見つめた。

 

黒の革のパンツは、彼の足の長さを強調してさせ。

お得意の黒のタートルネックは、いつも以上に彼の顔のよさを引き立てていた。

いつものモスグリーンのコートは今日は出番はなく、ダークブラウンの着こなした感じのライダーズジャケットを羽織って。

大型バイクにまたがって、いつものようにタバコを吸っている、青島俊作・36歳。

今までの感じとは180度違う、どこかワイルドな、オトナなオトコの雰囲気の青島に。

すみれはまたもやKOされてしまって。

「ズルイわよぅ・・・」

ジロ、と上目遣いで睨みながら、ポツリ、誰にも聞こえないような声で呟いた。

 

「あ、すみれさん。おはよ。」

タバコを吸い終えて灰皿に入れながら、階段の昇降口で立ち止まり自分を見つめているすみれに気付くと。

青島はいつものような満開の笑顔をすみれに向けた。

いつもと同じ笑顔のはずなのに、いつも以上にカッコよく見えてしまうのは、惚れた弱みか。

はぁ。

観念したように小さくため息をつくと、すみれは苦笑しながらゆっくりと青島の下へ歩み寄る。

 

「おはよー。どしたの?コレ。」

「ん?や、今日天気いいしさ。バイクに乗ってどっかいかない?」

「青島くん、大型なんて乗れるの?」

「うん。趣味だもん。」

「バイクが趣味?」

「そ。でもここんとこ忙しくて、コイツ構ってやれなかったかんねぇ。だから、今日は、ハイ。」

「わっ!!」

「今日はツーリングデート。」

「っも~!せっかく髪の毛セットしたのにぃ!」

「うん、カワイイね、その髪型。似合ってる。」

「メット被ったらグチャグチャになっちゃうじゃないっ。」

「・・・あ。ゴメン。」

「ったく・・。それに、随分安上がりなデートですこと。」

「だって、晩御飯で財布軽くなるんだもん。」

「そうでしたv」

「・・・・人事かよ。」

「こりゃ失敬。」

 

いつものようにジロ、にらみ合って、それからクスリと笑って。

「ハイ、後ろ乗って。」

グイと手を引っ張られ、すみれはそれだけでドキリ、とする。

「しっかりつかまっててねー。」

メットを被りながら笑顔でそういって、グイ、と両手を自分の前で組ませる青島の顔を見て。

--- あたし、心臓持つかな・・・・・

くっついた背中の温もりから心臓の音が伝わらないように願いながら。

すみれは小さく微笑んだ。

 

 


((いいわけ))

何か、一体何なのか意味不明なものが出来上がってしまいましたね(--;)

織田さんの特技の大型バイクを絡めて書きたかったのですが・・・ビミョ~~。

こんなんがお礼でいいのでしょうか・・・?

スンマセン(汗)でもさ、お礼に映画絡めた奴書くのもな、って思って。

と、とりあえず、コレを捧げさせて下さい(><)

アンケートへのご協力、本当に有難うございました!


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