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なぜ私が「仕組み化」にこだわるのか。 〜属人化を脱し、チームで戦える組織になるために 〜

「この人がいないと回らない」
「急に休まれると、業務が止まってしまう」

そんな状況、あなたのチームにもありませんか?

はじめに

こんにちは。私は現在、株式会社RightTouchというスタートアップでBtoBマーケティングの仕事をしています。RightTouchは2021年10月に設立され、今は4年目のフェーズの企業です。

私は1年ほど前に入社したのですが、主業務のマーケティングと並行して、もう一つ力を入れて取り組んでいるのがOperation=仕組み化です。

今回は、なぜ私が「仕組み化」にこだわるのか。

その背景や実践を、できるだけリアルに綴ってみたいと思います。
※このnoteは、仕組みの「中身」よりも、「仕組み化という行為」そのものに焦点を当てています。

  • 組織が大きくなってきて「そろそろ属人化をどうにかしたい」と感じている方

  • 現場で仕組みづくりに取り組もうとしている方

  • 仕組み化に少し苦手意識がある方

そんな方々に届けば嬉しいです。そして、いま一緒に働いているRightTouchの仲間にも、いつか出会う未来のRightTouchメンバーにもぜひ読んで欲しいなと思いながら書いています。

<簡単な自己紹介>
19歳で広告代理店に入社しマーケティングプランナーを経験した後に、20歳で起業。その後新卒で株式会社ウィルゲートに入社し、プロダクトマーケティングやセールスイネーブルメント、採用人事や組織開発などを経験。プロダクトへの本気さとカルチャーに惹かれ、2024年の4月にRightTouchに入社。

1. チームが大きくなってくると、見えてくること

「この人がいないと仕事が進まない」
「なんとなく属人だけど、今はまわってるし大丈夫だよね」

実際、立ち上げ期や少数精鋭のチームでは、“その人だからできる”という属人的なやり方がむしろ強みになります。判断が早く、柔軟で、責任感が強い。これは立派な強みです。

でも、チームが5人、10人、20人と大きくなると、目に見えない“ひずみ”が少しずつ表面化してきます。

  • 業務がブラックボックス化している

  • 新メンバーのオンボーディングに時間がかかりすぎる

  • どこかに依存したままの体制から抜け出せない

この状態のままでは、再現性もなければ、育成も改善も進みません。私自身、これまで複数の組織でこの“ひずみ”を目の当たりにしてきました。そしてそのたびに、「仕組み化」こそが、次の成長フェーズへの鍵になると強く感じてきました。

2. 属人化のままでは、成長の限界がくる

まず最初に明確にしたいのは、「属人性=悪」ではないということ。
前述でも書いた通り、むしろ立ち上げ期には、誰かの熱量や責任感が組織を引っ張る原動力になります。

ですが、そこにいつまでも頼っていると、組織はすぐに頭打ちになります。とくに以下のような現象が起き始めたら黄色信号です。

  • 「何から引き継げばいいかわからない」

  • 「その人の頭の中」に頼っていたものが、誰にも見えない

  • 「○○さんに聞かないとわからない」が常態化している

こうした状態では、組織が拡大すればするほど“見えないコスト”が蓄積されます。成長に必要な“再現性”や“改善”がまったく効かないからです。

再現性がなければ、育成は難しくなり、改善もできず、サービスの品質も人に依存するようになる。だからこそ、スケールしたいなら構造に頼る=仕組み化が必要です。

私が好きな本10選の1つ、「エッセンシャル思考」という本にも仕組み化の重要性について記載されています。何回も読むくらい好きな本なので、ぜひ読んでみてください。


(余談) 私が「走るだけではダメだ」と気づいた瞬間

正直に言うと、昔の私は「仕組み?そんなことより自分が誰よりも全速力で走ればいい!」と思っていました。でも、前職で組織が急拡大した際に、自分ひとりではどうにもならない壁にぶつかりました。

  • 自分にしかできない業務に囲まれ、身動きが取れない

  • 教える時間もなく、自分が常に火消し役に回ってしまう

  • 結果として、新しいチャレンジをしたくても余白がない

そんな状態を続けているうちに、「これでは、自分も組織も前に進めない」と気付きました。自分の中にある“成功体験”こそ、言語化して、仕組みにして、誰かが120%に育ててくれたら最高じゃないか、そう思ったきっかけはそんな失敗があったからです。

仕事を“剥がす”というのは、決して自分を小さくすることではなく、自分の知恵と経験をレバレッジして、仲間と一緒にもっと高い成果を目指すこと。
今では、誰かに引き継げたとき、「ああ、これは正しい手放し方だったな」と思えるようになりました。

3. 仕組み化の本質は、”自由”を生むインフラ

「仕組み化=ルールでがんじがらめになる」と誤解されることも多いですが、それは本質から外れています。仕組み化とは、“誰がやっても一定の成果が出せる構造”をつくること。これにより、現場の属人負荷を減らし、本当に向き合うべきクリエイティブや戦略的な仕事に時間を使えるようになります。

たとえば:

  • テンプレートがあるから、誰でも質を担保できる、よりいいものを追求できる

  • フローを整備することで、ミスや教育にかかる時間が大幅に削減される

  • 情報が一元管理されていれば、ミスや属人化も自然と減る

仕組みがあることで、限られた個人のリソースが無駄に消費されることなく、本来取り組むべき創造的な仕事に集中できるようになります。

“自由に動ける”とは、何もない状態のことではなく、安心して動ける“土台”があるからこそ生まれるもの。だからこそ、私は仕組みを「自由を支えるインフラ」だと捉えています。

そして何よりも、「誰がやっても同じ成果を出せる」状態があるからこそ、仲間に安心して任せられる。信じて託すための“根拠”にも、仕組みはなるのです。

4. 仕組み化によって得られる「強いチーム」の条件

実際、仕組み化が進んでいるチームには、いくつかの共通点があります。

  1. エースがいなくても成果を出せる、「再現性」
    一部のエースが抜けても、チーム全体で安定したアウトプットを出せる。

  2. 新入社員がすぐに活躍できる、「育成力」
    教える工数が最小限で済み、新メンバーの立ち上がりが早い。

  3. 改善サイクルがまわる、「共通言語」
    共通言語があるから振り返りやすく、PDCAが機能する。

  4. 知識が積み上がる、「知の共有」
    一人の経験が“共有財産”になり、個人プレーからチームプレーへ移行できる。

グループ会社のPLAIDのCGO桑野の記事でも以下のような記述があります。

優れた事例が出たときに「たまたまうまくいった」で終わらせずに、「再現性ある成功」として仕組みに落とし込み、持続的なインパクトが残る取り組みにすることが、本質的なGrowthの創出につながると考えています。

ただ、個の意志とスキルに支えられてきた組織運営には、一定の限界がある。これからは、個の力だけではなく、構造や文化として成長を支える仕組みをどう作っていくかが重要になると思っています。

下記のnoteには仕組み化についてだけでなく、事業成長における重要なことがたくさん書いてあるのでぜひ読んでほしいです。

余白が生まれることで、新しい挑戦や改善提案に時間を使えるようになる。日々の業務に忙殺される状態から、組織が前進できる状態に変わっていきます。それこそが、スタートアップの成長を”持続可能”にする秘訣です。

5. 「どうやって仕組み化するの?」という話

「仕組み化」と聞くと、大規模なプロジェクトやITツール導入のような“大がかりなこと”をイメージされがちですが、実際はもっと泥臭くて、小さな積み重ねです。大事なのは、完璧を目指さず、70点でもよいから動く仕組みを積み重ねていくこと

例:

  • 都度対応 → 言語化(テンプレ化)
    「これ、毎回説明してるな?」と思ったら、まずは書き出す。

  • 個人知 → チーム知(共有)
    Notion・Google Docs・Slackなど、誰もがアクセスできる状態にする。

  • アナログ対応 → 自動化 or フロー化
    Zapierやワークフローツールで“運用に載せる”ところまで整える。

この3ステップを回すだけでも、チームの効率は大きく変わります。はじめは小さくても、「育てていける仕組み」を意識することが大切です。

6. 育てていける仕組み、とは?

私が仕組み化で最も大事にしているのは、「作って終わり」にしないことです。むしろ整えた後からがスタート。

気をつけている3つのこと:

  1. 更新され続けるか?
    リッチなもの作ると、誰も触れられずに“化石ドキュメント”になる。
    →70点でも「回せる柔らかい仕組み」を意識する。ここでも余白が大事です。

  2. 手が届くか?不便にならないか?
    理想ばかりで現場で使われなければ意味がない。
    →ノイズにならない、ちょうどよい設計を。

  3. 育てる思考で向き合う
    一度作ったら終わりではなく、 走りながら意見を聞き、更新し、「使われる体験」を増やしていく。

RightTouchで私が1年かけて進めてきた仕組みづくりも、最初から正解だったものはありません。でも、動きながらみんなで改善していったからこそ、文化として根付き、自然と使われるようになった。

整えるだけじゃなく、「回る・育つ・残る」ことが仕組み化の成功基準なんだと思います。

7. 「誰かがやる」ではなく「みんなで育てる」

仕組み化は、“誰かひとりの正義”ではうまくいきません。「なんでこんな面倒なルール作ったの?」と言われて終わってしまうのは、使う人の視点が欠けていたから。逆に、みんなで「もっとこうしたら便利じゃない?」と改善していける仕組みは、文化としてもちゃんと定着します。

大事なのは、「こだわりを手放す柔らかさ」と「前向きによくしていく姿勢」が、組織の中にあるか。

そこにこそ、仕組み化が根付く“土壌”があります。
強くてしなやかなチームは、走るときは走り、整えるときは整える。そして、それを支え合える文化がある。

仕組み化は、ひとりの誰かが整えるだけでは機能しません。整える人、使う人、それを支える人──すべての関与者がいてこそ、仕組みは活きます。

たとえば:

  • 「マイルール」より「チームルール」に乗っかる

  • やり方を開示し整えることに意味を見出す

  • 自分が作らない立場でも“使って育てる”ことを意識する

小さなこだわりややり方を手放して、「みんなで動ける組織」に歩み寄れるかどうか。仕組み化は“文化づくり”でもあります。全員で支え合えるチームは、変化にも強く、持続的に伸びていきます。

私の働いているRightTouchのBusiness組織は”BizOpen Mind”という考えを大事にしており、このように定義しています。

BizOpen Mind とは、Inside Sales・Sales・Customer Success・Marketingの壁を溶かし、コトファーストで、役割を越えて知識やスキルを横断的に磨き続けるクロスファンクショナル文化を支えるマインドセットである

私はこの”BizOpen Mind”という思想がとても好きです。
そして、これから組織がより大きく、より多様になっていく中で、このマインドを形骸化させず、文化として根付かせていくためには、既存のメンバーが率先して仕組み化を進め、属人的なやり方や“暗黙の了解”を一つずつ言語化していくことが何より大切だと感じています。

役割の枠を越えて学び合い、越境しながら強いチームをつくっていく。その思想を、ただのスローガンで終わらせないために。新しく加わる仲間が、最短で最大限の力を発揮できるように。

だからこそ、これからのRightTouchにおいても、仕組み化の重要性はますます増していくと確信しています。(とはいえ、RightTouchの仕組み化はまだまだなのでこれから仲間になる方と一緒に積み上げていきたいです。笑)

8. 仕組み化は“目的”じゃない。“手段”である。

最後にもう一つだけ強調したいのは、「仕組み化それ自体がゴールじゃない」ということです。とくに立ち上げ期や変化の激しい局面では、「まずは走る」ほうが正解な場面もたくさんあります。だからこそ、「今それを整えるべきか?」を一度立ち止まって見極める視点が大切です。

  • この業務は繰り返し発生するものか?

  • この対応をまた誰かがやる可能性があるか?

  • 今、整えれば誰かの負担が明日から減るか?

仕組み化とは、無駄を減らすためでも、管理を厳しくするためでもなく、チームとしてもっと自由に、強くなっていくための“手段”でしかありません。

完璧なものを一気に整える必要なんてなくて、「いまこの1つを、もう少しやりやすくするには?」という視点の積み重ねでいい。走ることと整えることを、両立できるチームこそが、変化の激しい環境でもしなやかに前に進んでいけると感じています。

9. 仕組みは、全員でつくる未来の準備

人は忘れるし、疲れるし、うっかりミスもするし、ときには辞めてしまう──。

これは悲観ではなく、「性弱説」に立脚した、ごく現実的な組織運営の前提だと思っています。どんなに優秀な人でも、毎日ずっと100点のパフォーマンスを出し続けられるわけじゃない。

だからこそ、「その人がいるから成り立つ」ような状態のままでは、チームとしての持続可能性は脆いままです。

私が仕組み化にこだわるのは、人を信頼していないからではありません。
むしろその逆で、「人の不完全さ」をちゃんと前提にしたうえで、誰もが安心して、長く、健やかに活躍できる組織にしたいからです。

  • 今日は調子が悪くても、チームでカバーできる

  • 誰かが辞めても、「あの人のやっていたこと」がちゃんと残っている

  • 新しく入った人でも、仕組みのおかげですぐに仕事を理解できる

そんな“やさしい構造”があることで、ようやく「チームで戦える組織」になっていける。そして、RightTouchがこれからどんなに大きな組織になったとしても──「しなやかさ」と「あたたかさ」を失わずにいられるように。

仕組み化とは、今この瞬間のためではなく、これから一緒に働く“未来の仲間”への準備でもあるのです。

10.RightTouchのことを少しだけ

RightTouchでは、まさに今、「チームで戦える組織」への進化が求められているフェーズにいます。ちょっとでも「この会社何してるの?」と思った方は下記のnoteを読んでみてください。

メンバー一人ひとりの熱量や専門性に支えられてきたこの組織を、より大きなインパクトを出せるチームへと進化させる。そのためには、個の力を構造化し、再現可能な価値提供に変えていくことが欠かせません。

私がこのnoteを書いたのも、まさにそうした変化の真っ只中にいるからこそです。今いるメンバーも、これから入ってくる仲間も、それぞれが安心して力を発揮できるように──その“土台”をみんなでつくっていく、その第一歩になればと思っています。

🚀 一緒に、未来をつくってくれる仲間を探しています

RightTouchは今、まさに第二創業期ともいえるフェーズ。
プロダクトも、ビジネスも、そして組織も、まだまだこれから。
だからこそ、「誰かが整えてくれた場所」ではなく、自分たちの手で未来をかたちにしていく面白さがあります。

ゼロから仕組みをつくるのが好きな人。チームで大きな挑戦に向かっていく過程を楽しめる人。そんな方と、一緒に働けたら嬉しいです。

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