法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

どうしても支援団体Colaboに個人情報を開示させたいなら、せめて繊細な情報を安易に漏洩して攻撃にさらされる問題をはびこらせている社会の一員としての責任は感じるべき

支援団体Colaboが監査に提示しなかった領収書は許可がとれない個人情報につながる一部のみ、と説明しているのに理解してくれないkingate氏 - 法華狼の日記

支援団体Colaboへの監査で不正が見つからなかったからといって、確定申告で領収書を出さないと主張することは、公金の使途に興味がない証明だろう - 法華狼の日記
上記エントリで説明したように、請求分以上の出費があったことを証明する領収書は監査でも提出しています。Colaboが領収書を出さなかったのは、許可をとれないような個人情報につながる一部だけです。

 上記エントリでとりあげたkingate氏は事実誤認については認めて、Colaboに対しても謝罪したので、それについては書いて良かったと思う。


 しかしはてなブックマークで反発がいくつかあり、はてなスターを集めてtpircs氏などは注目コメントに入っていたので、それについて少し応答しておく。
b.hatena.ne.jp

id:tpircs この人はいつも自分で書いたことを引用してそれを「正しい」ものとして扱うけどそれは一般的に通じないことを認識したほうがよさそう

id:syakinta 妄想をソースにしてるのヤバすぎるんだよな≫上記エントリで説明したように

 私の提示したエントリはニューズウィーク記事へのインターネットの反応を論じたもので、読めばわかるように領収書の不提出の背景についても引用してある。
女性支援団体Colaboの会計に不正はなし|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

領収書のマスキングについては、DVなどで逃げた少女を保護している性質上、個人情報を保護しなければならないというColabo側の主張は監査委員によって理解を示されたものの、経費としては認められなかった。

 当時は他の報道も基本的に一部の領収書と表記されていたので、わざわざ引用はしなかったが、同記事には他の報道が説明不足で誤解を生みかねないと批判するくだりもある。

これらの記事の本文ではColabo が一部の領収書の提出を拒んだことが強調され、Colaboが192万円、あるいは全ての支出の領収書の提出を拒んだと誤解した人もいる。

 もちろんニューズウィーク記事が必ず信用できるとは限らないが、他の報道でも詳細なものは領収書が提示されなかったのは余剰分の一部だけと確認できる。
「支援、成り立たない」 Colaboが都の事業内容変更を批判:朝日新聞

 コラボをめぐっては、2021年度の委託事業で一部の領収書が提出されなかったなどとして、都が計約193万円を経費と認めなかった経緯がある。仁藤代表は「(会計不備の指摘を受けての都による調査の中で)領収書の原本の存在は都に見せたが、支援対象者の個人情報を守るため、名前の提示を拒否した」と説明した。

 いずれにしても「自分で書いたことを引用してそれを「正しい」ものとして扱う」ことはしていないし、「妄想をソースにしてる」わけでもない。基本的に提示するエントリはそれなりの根拠を引用したものを選んでいるし、事実をどのように把握しているかを確認する意図もある。


 興味深いのは同時にCapricornus氏も反発していることで、下記のようにはてな匿名ダイアリーを引きながら注目コメントに入っている。

id:Capricornus 名誉毀損裁判と公金の管理、ただの別の話だから切り分けようね。それだけの話だぞ。https://anond.hatelabo.jp/20250429184133 仕組みを正しく理解して論立てしないといつまでも哀れなのは自分だぞ。

 ちなみにCapricornus氏はtpircs氏のコメントにはてなスターをつけているし、id:the_sun_also_rises氏などは両氏のコメントにはてなスターをつけている。矛盾を感じないのだろうか。
 もちろん暇空茜こと暇な空白氏の一方的な主張を信じてきたようなCapricornus氏が公金についてていねいに説明できるわけもない。はてな匿名ダイアリーにも公金事業で個人情報を必ず出さなければならない根拠は書かれていない*1
 下記エントリのように個人情報とひもづかせない公金をつかった福祉があるという一般論を例示されただけで、なぜ困難女性支援にかぎって個人情報の全面開示が必要なのか説明できなかった。
Capricornus氏やその同調者は、公園のトイレを使う時に毎回身分証明書を提示したいと考えているのだろうか? - 法華狼の日記
 現実の問題として、行政による情報漏洩とそれによる被害はつい先日にも発生している。漏洩の範囲はせまかったが、意見を募集した事業と関係する会社につとめていたため大きな実害をこうむったようだ。
「流出させたという認識なかった」 愛媛県がパブリックコメント寄せた女性の個人情報を漏えい | 愛媛のニュース - Nスタえひめ|あいテレビは6チャンネル

県の担当者が先月、寄せられた意見をビジョンの作成に携わった2つのコンサルタント会社に伝えた際、この女性の氏名や住所などが記載されたまま、メールを送ったということです。

女性は、コンサルタント会社、1社の社員で「計画を策定する意味はあるのか」などといった意見を18件寄せていて、今月12日、女性からの連絡を受け、個人情報の流出が発覚したということです。

女性は会社に知られたことで職場での立場が悪くなったとして県に雇用関係についての救済を求めているということです。

 上記は経緯は単純なミスのようだが、Colaboのような支援団体や支援対象者は情報をさぐられる攻撃にさらされてきたし、そのため閉鎖せざるをえなくなったシェルターもあるという。
 Colaboの被害を題材とした報道をNHKがおこなおうとした時、事前に情報が暇な空白氏に漏洩してインターネットに拡散され、報道が中止になるという事件もあった。
 その事件でColaboは被害者として報道に協力したことが無駄にされただけでなく、NHKに謝罪されたことがなぜか反発されたり陰謀論がとなえられたりして、新たな攻撃もされていた。
NHKのColaboへの謝罪が公開されたことと、面談が非公開であることを混同した陰謀論が生まれている - 法華狼の日記
 そしてこの問題で、はてなブックマークにおいて情報漏洩を問題視することなく、逆にColaboが問題を起こしたかのような陰謀論で攻撃する主張が注目コメントに入っていたことがある。
[B! NHK] NHKがColaboに謝罪 取材メモが批判する人物に流出していた:朝日新聞デジタル

Capricornus あの和解条件なる強要も含めて考えると、ColaboがNHKの取材も受けるよう指定したんだろう。その狙いは更なる一方的な情報操作に過ぎず、ジャニーズ問題と地続きの報道の私物化問題に他ならない事件だな。

[B! 仁藤夢乃] NHK、「取材メモが流出した件」について一般社団法人Colaboを訪ね、謝罪。その画像が晒された件とその感想(おおむねどん引き)

Capricornus こんなんで未だに女性団体への攻撃なんて恰も我こそは女性の代表みたいな面でいるんだから凄いよな。女性の味方でいたいなら、せめていい加減女性の声を聞けよ。って思う。都合の悪い声は女性であれガン無視じゃん。

 こうしたコメントを見ると、Colaboが一部の領収書を提示しなかったことの正しさを実感せざるをえない。情報の適切な公開を遠ざけているのは暇な空白氏であり、Capricornus氏だ。

*1:リンクされている監査の途中報告は、個人情報を出せないため不適切として認められなかった一部の領収書について「本事業の特性上やむを得ない事由があることは理解できる」と、まさにニューズウィーク記事で言及されている文章が書かれている。ノンブル22頁。https://www.kansa.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/kansa/4jumin5