地上で恐竜が繁栄していた約1億年前の白亜紀の海底地層から、イカの小さな化石が大量に見つかったと、北海道大などのチームが発表した。

 イカは、恐竜が絶滅した6600万年前以降に増えたとこれまで考えられていたが、当時の海でアンモナイトを上回る数が生息していたとみられるという。論文は27日、科学誌サイエンスに掲載される。

 硬い殻がないイカは化石になりにくいうえ、くちばしの化石は数ミリ・メートル程度と小さく、発見が難しかった。

 チームは、岩石を20分の1ミリ・メートルの薄さで削り、断面を撮影していくことで中の化石の全てを3次元に再現する新たな技術を開発した。従来のX線による断面画像より得られる情報量が多く、化石の発見確率は1万倍に向上したという。

 この手法で北海道で産出した握りこぶし大の岩石35個を分析すると、アンモナイトやタコ、イカなどのくちばしの化石が計1000個見つかった。イカは1億~7000万年前の地層から最多の263個見つかり、種類も40種と多様だった。チームの伊庭靖弘・北大准教授(進化古生物学)は「化石発見は偶然と職人的な経験に頼ってきたため、多くの化石が見過ごされてきた」と語る。

 国立科学博物館の真鍋真名誉研究員(恐竜学)の話「白亜紀にイカが繁栄していたとは想像することもなかった。知らなかったことの多さに気付かされる衝撃の成果だ。今後、新たな生物の存在や進化が明らかになることが期待される」