米国で性別変更した永住者、日本で認められず国賠提訴も敗訴「LGBTにいてほしくない気持ち感じる」
●「私たち家族はバラバラにされてしまいました」
エリンさんの配偶者である緑さんも記者会見に同席した。緑さんによると、エリンさんは昨年、うつで休職していたという。 「(エリンさんは)トランスジェンダーとして日本で生きるということが、大変辛くて、それならばということで、昨年1年間はベルリンで就職活動をしていました。幸いにもとても良い職が決まって、そちらに就職することになりました。 裁判中に私たちがすごく感じたのは、『我が国の法律が気に入らないならば出て行けよ』と言われている気がずっとしていたということです。だから、『出て行きます』という結果になりました」 しかし、緑さんたちには子どもがおり、高齢で要介護の両親もいるという。 「私は海外に行くことができません。エリンだけが単身赴任で海外に行くことになりました。結局、この裁判で私たち家族はバラバラにされてしまいました。日本という国は、トランスジェンダーが生きにくい国、結婚しているトランスジェンダーを認めない国の意気込みというか、システム(があります)」
●原告代理人「スカスカな判決で驚いた」
原告代理人をつとめた山下敏雅弁護士は、次のように語った。 「訴え提起当初の2年間、『住民票上の性別変更ができないのは、同性婚になるからという理由である』ということは争点とされず、そこを争点としてもらうのに2年もかかりました。そして4年もかけて出た判決も、従来の同性婚訴訟の積み重ねを無視した『スカスカ』な内容で驚きました」 配偶者がいるのに結婚する「重婚」について、犯罪であるにもかかわらず、今回の判決が日本の民法の規律と必ずしも矛盾するものとはいえないとしつつ、同性婚については整合性を欠くとしている点を「矛盾している」と指摘した。
弁護士ドットコムニュース編集部