TOEICの組織的替え玉受験 背景に浮ぶ中国社会のある事情
毎日新聞
2025/6/27 06:00(最終更新 6/27 06:19)
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大学入試や就職でスコアが活用される英語の国際テスト「TOEIC」の試験で、替え玉受験やカンニングの疑いが相次いで発覚した。関与したとされるのは中国人で、組織的に実行しているとみられる。なぜ中国人が日本で不正受験をするのか。背景を探ると、中国社会特有の事情が浮かんできた。
「完璧な替え玉集団を擁している」
インターネットのある中国語サイトには、替え玉受験によってTOEICで高得点を獲得できると宣伝する文言が並ぶ。保証する点数に達しない場合は「全額返金」との記載もある。
詳細な料金や手続きは紹介されていない。二次元コードを読み込んで通信アプリにアクセスし、個別に担当者とメッセージでやり取りし、正式な依頼に進むという。
他にも「TOEFL」や「IELTS」といった英語の試験で、同様の不正に関する勧誘が見られた。
替え玉に120万円、「講習」も
ある20代の中国人女性は6月、興味本位で、複数の類似サイトのうち一つを通じて、担当者と通信アプリ「微信(ウィーチャット)」でやり取りをした。
すると、長い髪の女性の顔写真をアイコンにした担当者から、TOEICの試験で二つの手法が示された。
「替え玉受験は…
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