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【心理士監修】認知シャッフル睡眠法とは?アプリを使ったやり方もご紹介

あーちゃん

公開日:

2023.01.22

更新日:

2025.04.08

心理学に基づき眠りをサポート

認知シャッフル睡眠法アプリ
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「頭が冴えて寝付けない...」「どうしても明日のことを考えて、なかなか眠れない」などの悩みを抱えている方は、「認知シャッフル睡眠法」を試してみてはいかがでしょうか?認知シャッフル睡眠法は、単語を連想してつなげるだけの睡眠法です。一度やり方を覚えれば、誰でも簡単に実践できます。

本記事では、認知シャッフル睡眠法のやり方を詳しく解説。アプリを使った認知シャッフル睡眠法の実践手順も紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

この記事の監修者

藤本 志乃

臨床心理士・公認心理師・マインドフルネス瞑想講師

教育相談員の経験の後、腎臓内科で主に透析患者を対象にしたカウンセリングに従事。心に対する予防的な介入の重要性を感じ、2020年にウェルビーイングのためのカウンセリングルームLe:self(リセルフ)オープン。ACTという心理学的理論を用いて、オンラインカウンセリングをはじめ、より良く生きるための心のサービス開発、提供、その発信活動に力を入れている。

カウンセリングルームLe:self(リセルフ)

図解でわかる1分サマリー

認知シャッフル睡眠法とは

認知シャッフル睡眠法のやり方

認知シャッフル睡眠法の効果が期待できる人

認知シャッフル睡眠法のコツ

認知シャッフル睡眠法とは?

認知シャッフル睡眠法とは、カナダのサイモンフレーザー大学のリュック・ボードワン博士が学生に対して実施したゲームを元に開発された睡眠法です。


この睡眠法は、ランダムな単語を次々にイメージして眠りやすい状況を作り出すことから「認知シャッフル睡眠法」と呼ばれます。単語をランダムに思い浮かべることで、睡眠を妨げる思考が抑制されるため、眠りやすくなるのです。


ボードワン博士の論文が発表されたのは2016年で、これまでにアメリカやイギリスのフォーブス誌やガーディアン誌、オプラ誌などのさまざまな新聞や雑誌に取り上げられてきました(※1)(※2)(※3)。


日本ではまだ知名度は低いものの、漫画家の川尻こだま氏や2ch開設者のひろゆき氏らが紹介して以降、インターネット上で注目を集めています(※4)(※5)。

認知シャッフル睡眠法の効果とエビデンス

ボードワン博士によると、大脳皮質が活動するうちは、人間は無意識下で寝てはいけないと判断するようです。大脳皮質とは言葉を話したり、考えたりする働きを司る脳の領域で、ここが活動すると思考も活発になります。


認知シャッフル睡眠法は、脈絡のない単語と映像をただ頭に思い浮かべる単純作業です。この単純作業によって、考える活動=大脳皮質の活動を抑えられ、結果的に眠りやすくなるのです。


日々の仕事に追われ緊張が続くと、目が冴えて、休息モードに切り替えづらい人も多いのではないでしょうか。そのような人ほど、認知シャッフル睡眠法の効果を感じやすいと考えられます。また寝る前にぐるぐるといろいろなことを考えて、思い悩む人にも効果的です。


認知シャッフル睡眠法の効果を証明する研究の1つに、ボードワン博士が学生に対して行った調査があります。同調査では、寝つきの悪さを訴える大学生154名(うち女性137名)に対して、認知シャッフル睡眠法を実施しました。その結果、認知シャッフル睡眠法を受けた学生について、寝つきの悪さや中途覚醒といった睡眠の質の低下が抑制されたと報告されています(※6)。


調査が行われたのはストレスが増える学期初めでした。このような時期にも入眠を促す効果があったことは、注目すべき結果といえます。

認知シャッフル睡眠法のやり方

では早速、認知シャッフル睡眠法のやり方をみていきましょう。

1)簡単な単語を1つ思い浮かべる

まずは簡単な単語を1つ頭に思い浮かべてください。たとえば「ねこ」や「とり」など2文字程度の簡単なもので、「もも」のように同じ文字が続かない単語が望ましいです。


2)はじめに思い浮かべた単語の「1文字目」から始まる単語を思い浮かべる

前のステップで思い浮かべた単語の「1文字目」から始まる単語を思い浮かべてください。例えば「ねこ」の「ね」から始まる「ねぎ」や「ねんど」などの単語をできる限り多く思い浮かべます。


3)はじめに思い浮かべた単語の「2文字目」から始まる単語を思い浮かべる

「ね」で始まる単語が思いつかなくなったら、今度は「ねこ」の「こ」で始まる単語を同じように順番に思い浮かべます。たとえば「こあら」や「こんにゃく」など、可能な限り多くの単語を思い浮かべてください。


4)1~3のステップを繰り返す

あとは、上記の作業を繰り返すだけです。うまくいくとすぐに眠れるので、ぜひお試しください。

認知シャッフル睡眠法のコツ

認知シャッフル睡眠法の効果を高めるには、はじめに思い浮かべる単語は「仕事」や「テスト」などの嫌な記憶を呼び起こす単語をできるだけ避けましょう


もし思い浮かんでしまったら、別の単語を思い浮かべます。できるだけ意味のない単語を思い浮かべるのがコツです。


連想する単語が浮かばない頭文字は飛ばすようにしましょう。たとえば「りんご」の「ん」などの連想を続けるのが難しい文字は飛ばします。


また脈絡のない言葉をつなげた方が効果があります。たとえば「しーつ」の次に「しろくま」というように、同じ「白色」を連想させるものを思い浮かべずに、「しーつ」「しっぽ」「しりとり」のように関連性の少ない言葉を思い浮かべるとよいでしょう。

アプリで取り組む認知シャッフル睡眠法

認知シャッフル睡眠法を実践したい場合は、スマートフォンアプリを活用するのもおすすめです。


通常、自分で認知シャッフル睡眠法を実践する場合は、はじまりの単語を自分で思い浮かべる必要があります。思い浮かべる際に、なかなか良い単語が思い浮かばないと、考え込んでしまい脳が活性化して逆に眠りづらくなるかもしれません。


アプリを活用すると、自動で単語を挙げてくれるので、はじまりの単語を思い浮かべる手間が省けます。その単語に対して1文字目と2文字目につながる単語を連想するだけなので、認知シャッフル睡眠法を実践するハードルが下がります。


認知シャッフル睡眠法の実践をサポートする機能が搭載されたおすすめのアプリとして、認知行動療法に基づくAIアプリ「アウェアファイ」が挙げられます。「アウェアファイ」に搭載された認知シャッフル睡眠法向けの機能を紹介するので、ぜひ試してみてください。

なお、認知シャッフル睡眠法は厳密には認知行動療法に位置付けられませんが、眠りをサポートする有効手段の1つとして紹介します。

※アウェアファイは医療サービスを提供するものではなく、アプリ内のいずれのコンテンツも疾病の診断、治療、予防のために用いることはできません。

認知シャッフル睡眠法向けの音声ガイドの紹介

アウェアファイには、認知シャッフル睡眠法のやり方をガイダンスする音声ガイドが1つと、認知シャッフル睡眠法を練習する音声ガイダンスが3つ収録されています。


Awarefyの紹介 認知シャッフル睡眠法の音声ガイド

認知シャッフル睡眠法のやり方を確認したい場合は、はじめにガイダンスの音声を聴くとよいでしょう。2分30秒位のガイダンスなので、短時間ですぐに認知シャッフル睡眠法のやり方を理解できます。


次に、認知シャッフル睡眠法の練習を1番目から実践してみてください。1~3番まで準備されているので、日替わりで順に実践すると認知シャッフル睡眠法のコツをつかめるでしょう。


練習の音声ガイドではリラックスできるBGMとともに、女性が優しい声で1分おきにはじまりの単語を語りかけてくれます。語りかけてきた単語に対して、次々に単語を連想すると認知シャッフル睡眠法を実践できます。


1つの音声ガイドの長さは11分程度と程よい時間に設定されているので、成功すれば音声ガイドが終わる前に心地よく入眠できるでしょう。1番目の音声ガイドで入眠できない場合は、3番目まで試してみてください。


アウェアファイには、他にも睡眠をサポートするためのコンテンツが多数収録されています。認知シャッフル睡眠法が効かない場合は、他の方法もすぐに試せるのでぜひご活用ください。

アプリを活用した認知シャッフル睡眠法でスムーズな眠りを!

認知シャッフル睡眠法は、思い浮かんだ単語の頭文字から連想した単語と映像をイメージするだけで簡単に実践できる睡眠法です。


目が冴えたり、考え事が止められなかったりして寝つけない人が眠るための有効手段の1つです。


認知シャッフル睡眠法を効率的に行いたい場合は、アウェアファイをお試しください。はじまりの単語を優しい声で語りかけてくれるので、自分で単語を思い浮かべる手間が省け、効率的に取り組むことができます。


アプリのガイダンスに沿って認知シャッフル睡眠法を実践して、快適な睡眠を手に入れましょう。

アウェアファイの Webサイトはこちら:https://www.awarefy.com/app

※アウェアファイは医療サービスを提供するものではなく、アプリ内のいずれのコンテンツも疾病の診断、治療、予防のために用いることはできません。

<参考資料>

※1 「Need More Sleep? Give These Two Hacks A Try」(Forbes)

※2 「Shuffle your thoughts and sleep」(the Guardian)

※3 「The Trick That Helps You Fall Asleep」(OPRAT)

※4 「認知シャッフル睡眠法の話」(川尻こだまTwitter)

※5 ひろゆき 『ラクしてうまくいく生き方 自分を最優先にしながらちゃんと結果を出す100のコツ』2021年5月 きずな出版 

※6 「Serial diverse imagining task:A new remedy for bedtime complaints of worrying and other sleep-disruptive mental activity」(フレーザー大学)

ライター

あーちゃん

1992年生まれ。臨床心理士(公認心理師) 指定大学院を卒業後、街のクリニックで非常勤心理士としてカウンセリングや心理検査の業務に従事する。その後、小学校や高校のスクールカウンセラー、公的機関の電話相談員としても活動中。

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