【前代未聞】「今回の不祥事は人についてきた」巨額の不正融資の裏に20年間トップに降臨した“絶対的存在”『いわき信用組合』旧経営陣はどんな罪に?法律の専門家が解説
福島県にある『いわき信用組合』で明らかになった、20年以上に及ぶ巨額の不正融資。2004年から組織ぐるみで続けていたという前代未聞の事態に、預金者からも怒りの声があがっています。地域に根付く金融機関で一体、何が?その悪質な手口とは?元検事・亀井正貴弁護士の解説です。 【訴え】「“民民”の問題として救済もしない」“国家プロジェクト”万博で相次ぐ工事費の未払い 外資系の元請け業者が主張する驚きの言い分【写真で見る】
■累計247億円以上・使途不明金10億円超…前代未聞の“不正融資”発覚
2025年5月30日に第三者委員会が公表した調査結果によると、『いわき信用組合』の不正融資は2004年3月~2024年11月までで累計247億円以上、使途不明金は少なくとも10億円にのぼります。 また、263名義・1316口座が無断借用名口座として、不正利用されていました。役員や職員の親族など一定の関係がある人の名義が使用されていたといいますが、中には無関係の人の名前もあったといいます。 預金者からは、「預金なども解約に来た。知らないところで勝手に操作されていると思ったら不安になるし、不信感がある」「いわき市民として恥ずかしい」といった声が聞かれました。
『いわき信用組合』は、経営難に陥った大口取引先に資金を注入するため、実態のない企業、いわゆる“ペーパーカンパニー”を使い、う回融資を行っていました。ただ、際限なく“ペーパーカンパニー”に融資を続けることはできず、架空とはいえ貸した分を返してもらわなければ、銀行としては成り立ちません。そこで、名義人に無断で開設した口座を使って、大口取引先への融資に流用するという手口で、不正融資を行っていたということです。
Q.なぜ“ペーパーカンパニー”を通さなければいけなかったのですか? (元検事・亀井正貴弁護士) 「20年前、私は何度もこういった手口を担当しました。大口取引先は実質的に破綻していますが、銀行としてはそれを隠さなければいけないので、そのために『う回融資』をします。別の所を経由して融資したことにすると、債権者は銀行ではなく、う回融資先になりますから、破綻している会社が見えてこなくなります。その後、大口取引先から銀行に返させます」 Q.う回融資・不正融資したお金を銀行に返して、それを繰り返すんですか? (亀井弁護士) 「そうです。20年前に多くの金融機関がやっていた手口です。それだけだと大口取引先は生きていけないので、今度は『架空融資』も使います。ただ、う回融資は還流しているだけですが、架空融資は完全に焦げついていきます」 Q.亀井先生が担当したケースで、名義人に無断で口座を開設していたことはありましたか? (亀井弁護士) 「さすがに、そこまではなかったです。これは、すごく悪質だと思います」 Q.“う回融資→不正融資→大口取引先が銀行に返済”を繰り返していたら247億円になった、と考えていいんですか? (亀井弁護士) 「私は、そう思っています。第三者委員会を全部は見ていませんが、恐らく焦げつきはもっと少なく、不正融資は銀行に返ってきても不正融資になるので、累計で247億円になったということだと思います」
【関連記事】
- 【炎上】出産直前に分娩室で“大胆ダンス” ヘンリー王子&メーガン妃の動画に批判殺到!さらに“庭で収穫した”野菜は買ったもの!?向けられる疑惑の目
- 【独自解説】「今の詐欺は相手に合わせた形でだます」警察官をかたる詐欺が社会問題に…さらに法改正に便乗した詐欺の危険も!?巧妙化する最新手口と防犯対策に迫る
- 【ナゼ】「クソババア、はよ死ねよ」長年の暴言・騒音に住民恐怖 迷惑行為をしていた男性への直撃取材で明らかになった“主張”
- 【無謀登山】「タクシーを呼ぶかのように気軽に救助を要請する風潮」登山期間外の富士山に登る外国人急増 “救助費用の自己負担”法的に問題は?
- 【解説】「一過性のブームで終わるのが一番困る」ハイパーインフレ進む抹茶に農家が本音 高額転売や“中国製の宇治抹茶”の懸念も…日本ブランドどう守る?