カリフォルニア州地裁、「無断学習罪は存在しない」と認定

 2025年6月23日、著名な生成AIの1つであるClaude(クロード)を擁するAnthropic(アンソロピック)社を、アメリカ人作家ら3人が「自分の作品を無断学習した」として訴えていた裁判が、作家側の敗訴で終了。

 

arstechnica.com

 

 これは合法的に入手できるデータ(無料配布を含む)を機械学習に使う際に、作成者に改めて許可を取る必要はあるのかを問う裁判だったが、結論としては「無い」という事になった。

 

 つまりアメリカでは「無断学習罪は存在しない」という判例ができたという事である。日本も著作権法第30条の4により、3年前の時点で既に無断学習罪は存在しない事になっているが、判例がなく、今も自己流解釈した反AIが元気に魔女狩りを繰り返している。

 

 なお、合法的に入手していないデータについては「別途裁判を開く必要がある」としている。無断学習を根拠に損害賠償請求する事はできないので、これはAIと無関係な通常の損害賠償請求になる。

 

 

 また、原告らは「AIが発達すれば、自分たちの商圏と競合する作品が大量に生み出され、損害を受ける」と主張していた。これは反AIが行う典型的な主張の1つだが、それに対するAlsup判事の評価は下記の通りである。

 

The judge claimed these complaints were akin to arguing "that training schoolchildren to write well would result in an explosion of competing works."
"This is not the kind of competitive or creative displacement that concerns the Copyright Act," Alsup wrote. "The Act seeks to advance original works of authorship, not to protect authors against competition."

 

https://arstechnica.com/tech-policy/2025/06/key-fair-use-ruling-clarifies-when-books-can-be-used-for-ai-training/

 

 「子どもたちに上手な文章の書き方を教えれば、競合する作品が爆発的に増える」と言っているようなものだ。著作権法は、著作物を進歩させるために存在しているのであり、競争から著作者を守るために存在しているのではない。