第15章 異空間脱出作戦

1 異空間にて

 俺たちの周囲をエネルギーでできた壁が取り囲んでいた。

 上下左右、全方位――つまり、俺たちは巨大な玉の内部に入っているような状態だ。


「閉じこめられたらしいね」


 ジグが周囲を見回してつぶやく。


「たぶんフローラの『防壁』の能力と君の『付与』が同時に暴走したんだ。そして生まれたのが――『付与』によって際限なく強化された『防壁』だ」

「えっ、それって――」


 つまり、言葉通りの意味だろう。

 俺の『付与』で強化された『防壁』なんて、ちょっとやそっとの頑丈さじゃないことは分かる。


「出られないのか、ここから?」

「さあね」

「……なんか怒ってない?」

「敵と仲良くする趣味はない」


 ジグはツンとした態度を崩さない。


 ま、それもそうか。

 敵同士だもんな、俺たち……。


「でも、今は協力することも必要だと思うぞ」


 とりなしたのは『魔弾』のリサだった。


「閉じこめられたのは確実。しかも、めちゃくちゃ厄介な『防壁』だ」

「あたくしも同意見です。簡単には脱出できませんよ、これ」


 と、『防壁』のフローラ。


「決着をつけたい気持ちは多々ありますけれど……」


 言って、俺をじろりとにらむ。


「まあ、なかなか友好的にはなれないよな」


 俺は彼女に苦笑を返した。


「ただ、一番優先すべきことはみんなでここから出ることだろ? ここに閉じこめられたまま、っていうのは都合が悪い。お互いにな」


 言いながら、ジグをちらっと見た。


「……ふん」


 そっぽを向くジグ。


 うーん、素直になってくれないなぁ。

 しょうがないと言えば、しょうがないけれど。


「ここを脱出するってことで俺たちの利害は一致しているわけだ」

「言われなくても分かってるよ」

「分かってるなら協力してくれてもいいだろ?」

「……むむ」

「ジグは照れてるだけなんだぞ」


 リサが微笑んだ。


「普段ツンツンしてるけど、人と打ち解けるのが照れ臭いから……超絶照れ屋さんだから」

「だ、誰が照れ屋だ!」


 言いながら、ジグの顔が真っ赤になった。


「うう……」


 俺を見ると、さらに真っ赤になって視線を逸らしてしまう。


「あれ、本当に照れてるだけなのか?」


 なんで照れるのか、いまいち分からないけど――。


「て、照れてなんていないんだからなっ」


 ジグが、めちゃくちゃ分かりやすい反応をした。

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