ラオスの「少女売春ホテル」に潜入取材…!部屋には「10代の少女」がズラリ…殺到する日本人小児性愛者の「正体」と彼らの「呆れた言い分」
部屋の中に10代の少女がズラリ…
東南アジアのラオスで、日本人など外国人客による児童買春が続いている。アジアの中でも経済発展が遅れているラオスでは、貧困によって子供が親に売られている現状がある。筆者は児童買春が横行している現地のホテルに潜入取材。そこで見たものとは――。
「レディ? ワン・ワン(11歳)、ワン・ツー(12歳)、ワン・スリー(13歳)……」
ラオスの首都ビエンチャンにある児童売春が行われているホテルの敷地内。真っ暗な通りを抜けると、客引きの男らが声をかけてくる。今回取材に協力してくれた日本人男性A氏の腕が、客引きの男性に強引に引っ張られる様子も動画に映っていた。
今回筆者は、A氏とこのホテルに潜入取材した。女性である筆者に代わって、買春客を装い実態を調査する必要があったため、A氏に協力を依頼した。A氏は数年前から現地での児童買春の実態に胸を痛めていたといい、協力を快諾。買春がどのように行われているのか、その様子をスマートフォンで撮影してくれた。
動画には小さな部屋の中で、プラスチック製の椅子に座った10人以上の女性らの姿があった。みな足を組んでいて、大人びた化粧を施しているが、顔にあどけなさが残っている。すると、客引きの男性が「ワン・フォー」と声を張る。「14歳のいる部屋」ということだ。価格はショート(短時間)が60万キープ(約4000円)、ロング(一晩)が100万キープだという。
A氏が女性を選ばないでいると、客引きの男性は「ニュー!(新人)、ヤング!(もっと若い)」といい、別の部屋にA氏を強引に連れて行く。この部屋にも10人程の少女らがいた。部屋に響く声のトーンが変わり、キャッキャッとはしゃぐ笑い声が聞こえる。先ほど映っていた少女らとは明らかに体格も顔つきも若い。
足を大きく開いたままの、まだ羞恥心を知らないような少女もいる。客引きによると、10歳前後の子供たちがいるという。
あまりの若さにA氏が狼狽して、「ノーヤング!(若いのはだめ!)」と叫ぶ。A氏はその後、「本能的に立ち去りたくなってしまうほど、違和感のある空間だった。中にはさっき村から売られて来たばかりのような、悲壮感が漂う少女もいた」と状況を語った。
買春する客の国籍は「ジャパン」
タイを拠点とする児童保護団体「ECPAT International」などの調査によると、ラオスを含むメコン地域での児童買春では、中国人を中心とする東アジアの客が多くを占めるという。ラオス北部にある中国資本のゴールデントライアングル経済特区(SEZ)などで、カジノ目的の旅行者が増えたことも、児童買春の増加につながっている。
児童買春はラオスの刑法に違反するが、警察の汚職が蔓延する中で、取り締まりが追い付いていない現状がある。隣国のタイやカンボジアでは近年、国際的な圧力によって児童買春の取り締まりが強化されてきたことで、法制度が未整備なラオスに小児性愛者が集まってきたとされる。SNSの普及も、小児性愛者コミュニティでの情報交換を活発化させた。
潜入したホテルの敷地には、買春を目的に来ていた複数の中国人や日本人、韓国人の姿があったが、A氏が客引きにどの国籍が多いか問うと、すかさず「ジャパン!」と返ってきた。
2023年にラオスを訪れた外国人旅行者は、タイ、ベトナム、中国、韓国が上位を占めた。日本人の比率は1%にも満たなかったのにも関わらず、売春施設で“日本”の名前が挙がるのは、異常だともいえる。
少女を買いに来る男たちとは…
ラオスをよく訪れるという日本人男性B氏 (40代)は、「ここには児童買春を目的に集まるコミュニティがある」と語る。
「飲食店内で日本人が集まって大声で児童買春の情報交換をしている。日本では考えられないが、言葉が通じないラオスではそれができる。ここは小児性愛者にとって、“秘密の花園”なんでしょう」
少女らを買うのはどんな男たちなのか。
「投資家や早期リタイアした人、隣国のタイに住む駐在員などが多いです。中には、“日本にいるとなにをするかわからない”と親に思われ、ラオスに送られているような人や、“処女の少女を置屋から水揚げした”と、周りに触れ回っているような人もいます。彼らは一貫して、“買春は貧しい少女の支援になる”と主張していて、そこに罪の意識はありません」(B氏)
筆者もホテルの敷地内で、複数の日本人らしき男性とすれ違ったが、みな一様に目を丸くしたり、驚いたように振り返ったりしてきたのが印象的だった。「“秘密の花園”に、なんで日本人の女が足を踏み入れてくるんだ」いかにもそう言いたげな表情だった。
ホテルのロビーでしばらく客を見ていると、買春目的の客のほかに、さまざまな国籍の家族連れやカップル、女性だけの旅行者の姿も見られた。何の変哲もない平和な光景が広がる一方で、同じ敷地内で少女らが売春をしているという現実を、しばらく受け入れることができなかった。
「選択肢があれば、誰がこんな仕事をするの?」
ラオスで児童が売春する背景には、貧しさから親が子供を売ってしまうほか、知人に騙されて、知らない間に売春宿に連れて行かれてしまうケースもある。
国連児童基金(ユニセフ)はウェブサイトで、ラオスでの人身売買の背景について、「被害者の多くは、もっと稼げる仕事を紹介するから、とそそのかされ、家や故郷を離れた人たちです」「身近な知り合いや、信頼を寄せる身内が、実は人身売買仲介者だったというケースもあります」と説明する。
「こうした現状を変えたい」と思っている日本人も少なくない。ラオスで児童買春が横行していることを知った日本人男性のC氏(20代)は、2年前に売春宿で潜入調査し、実態を探った。
「ある少女は15歳で、もう5年ほど売春をしていると話しました。“選択肢があれば、誰がこんな仕事をするの?”と泣き出してしまって……ほかにも家が貧しく、売りに出されている子たちが集まっていました」
C氏は現地の複数の人権団体に情報提供をしてみたが、一党独裁体制下のラオスでは団体の活動に制限がかかり、効果的な対策が取られていないと感じたという。
「国内ではできることが限られているので、国際的な圧力をかけるしかないと感じました。今後は児童買春の情報を、人権意識の高い欧米の団体や捜査機関に提供していきたいと思っています」(C氏)
大使館が児童買春に注意喚起
ラオス在住の日本人が署名活動を始めた事例もある。「ラオスにおける児童買春撲滅に向けた日本政府の更なる対応を求める署名」では、オンライン署名で2万5000筆以上が集められ、6月に在ラオス日本大使館に提出された。筆者もこの署名活動について、要望書の文章校正などで協力し、提出時に同席した。
署名活動では、「ラオスでの児童買春は、日本の法律で処罰される可能性があることを、日本国民に周知徹底すること」などについて対応するよう求めていたことを受け、在ラオス日本大使館は6月17日、ウェブサイトなどで注意喚起を出した。
海外での児童買春は、国外犯として日本の児童買春・ポルノ禁止法の処罰対象となる中で、大使館の担当者は、「ラオスと日本の捜査機関の連携強化」が重要とみている。日本とラオスは国際刑事警察機構(ICPO)に加盟していることから、日本の警察に現地での児童買春を証明する情報が集まれば、ICPOを通じて、両国の捜査当局の間で情報共有の強化が見込まれるという。
アメリカでは国外の児童への性犯罪についても、取り締まりが強化されている。昨年にはラオスで児童の性的搾取をしていたとして、50代のアメリカ人教師に12年の実刑判決が下った。貧しい子供たちを無料で家に住まわせる代わりに、マッサージや性的行為を強要していた。連邦捜査局(FBI)のバンコク事務所が捜査を主導し、逮捕につながっている。日本もこうしたアメリカの動きに続くべきだろう。
国民は知らない現実
根本的な児童買春の問題解決に向けては、国民が問題を認識することが重要だが、一党独裁体制で情報が制限される中で、問題自体がそもそも知られていないという課題もある。
ラオス人男性のビーさん(仮名、18歳)はこう語る。
「日本の友人に教えてもらうまで、児童売春についてあまり考えたことがありませんでした。ラオスでは家族や友人の間で、政治批判につながるような話題はタブーなのです。でも、この問題は本当に解決するべきだと思います」
さらにビーさんは、貧困の悪循環から抜け出せない社会構造にも疑問を感じているという。
「ラオスでは都市と農村で教育に大きな格差があります。農村ではまだ、子供を学校に行かせるより、働かせたほうがいいという考えが根強いんです。だけどそれによって、大人になってから選べる仕事も限られてしまう。貧しい人は貧しいままです」
こうした貧困層を食い物にする闇社会の存在にも懸念が広がる。国境を接する中国からは近年、犯罪組織の流入が増え、ラオスでの薬物の蔓延やオンライン詐欺拠点の増加による人身売買の拡大が懸念されているのだ。
後編記事『ラオスの「人身売買」はなぜなくならないのか…「経済特区」で悪行三昧のギャングたちと、腐敗した警察組織の実態』では、人身売買拡大の背景となっているラオスの闇社会に迫る。
【つづきを読む】ラオスの「人身売買」はなぜなくならないのか…「経済特区」で悪行三昧のギャングたちと、腐敗した警察組織の実態