ラオスの売春施設にいた少女たち

「選択肢があれば、誰がこんな仕事をするの?」

ラオスで児童が売春する背景には、貧しさから親が子供を売ってしまうほか、知人に騙されて、知らない間に売春宿に連れて行かれてしまうケースもある。

国連児童基金(ユニセフ)はウェブサイトで、ラオスでの人身売買の背景について、「被害者の多くは、もっと稼げる仕事を紹介するから、とそそのかされ、家や故郷を離れた人たちです」「身近な知り合いや、信頼を寄せる身内が、実は人身売買仲介者だったというケースもあります」と説明する。

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「こうした現状を変えたい」と思っている日本人も少なくない。ラオスで児童買春が横行していることを知った日本人男性のC氏(20代)は、2年前に売春宿で潜入調査し、実態を探った。

「ある少女は15歳で、もう5年ほど売春をしていると話しました。“選択肢があれば、誰がこんな仕事をするの?”と泣き出してしまって……ほかにも家が貧しく、売りに出されている子たちが集まっていました」

C氏は現地の複数の人権団体に情報提供をしてみたが、一党独裁体制下のラオスでは団体の活動に制限がかかり、効果的な対策が取られていないと感じたという。

「国内ではできることが限られているので、国際的な圧力をかけるしかないと感じました。今後は児童買春の情報を、人権意識の高い欧米の団体や捜査機関に提供していきたいと思っています」(C氏)

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