高知・安芸市、「早期健全化団体」脱却へ
高知県安芸市が2009年度決算で地方財政健全化法に基づく「早期健全化団体」から脱却できる見通しとなった。24日開会の9月市議会で明らかにした。
同市は08年度決算で、収入に占める借金返済額の割合を示す「実質公債費比率」が基準値(25%)を上回り、四国の自治体で唯一、財政破綻の一歩手前にあたる早期健全化団体に転落していた。
安芸市は1990年代以降に道路整備やし尿処理場、保育所などの建設を積極的に進めたため負債が膨らみ、08年度決算で実質公債費比率が基準値を上回る27.6%となっていた。
同市は03年度策定の緊急財政健全化計画に基づいて起債を抑制。市職員の数や給料の圧縮も進めた結果、09年度は同比率が24.5%に改善し、早期健全化団体の指定を回避できる見通しとなった。同市企画調整課では「人件費の抑制などで確保した財源で、市債の繰り上げ償還を07年度から進めてきた効果があらわれた」と話している。
地方財政健全化法は09年4月から全面施行。自治体財政の健全化度をはかる4指標のうち、1つでも基準値以上になると早期健全化団体の指定を受ける。