引用︰劇場版ドラゴンボールZ 燃えつきろ‼熱戦・列戦・超激戦より ©東映アニメーション バードスタジオ 鳥山明
ネットミームと化した伝説の超映画
本作はドラゴンボール11作目の劇場版として1993年に公開されました
映画といっても同じ鳥山明原作の「Dr.スランプ」との同時上映で尺は70分程度しかありません(といっても最強への道以前のDB劇場版としては尺が長めなんですが…)
本編の時系列は未来トランクスが長髪になっているのと、悟飯が超サイヤ人に覚醒しているので色々と不自然な点に目を瞑れば人造人間編のセルゲーム直前の時系列らしいです
Wikipediaによると悟空一行はセルゲーム開催前の10日間にメタルクウラ、ブロリー、ハッチヒャックらの強敵達と交戦しているらしく、その後にセル戦も控えていたので全盛期SMAPばりの相当なハードスケジュールだったと思います
まぁブウ編も2日間くらいの出来事なんで仙豆さえあれば体力的な問題はなんとかなるでしょう
この映画のボスキャラであるブロリーはビジュアルや作中で悟空一行を一人で相手しながらほぼ圧倒していた存在感からか公開当時からかなり人気があるキャラらしく原作のキャラメインで登場するゲームなどにも劇場版オリジナルキャラクターながら高い確率で採用されるなど高い知名度を誇ってしました
更に某動画サイトにてこの映画をメインにしたMAD動画が多数制作されブロリーだけではなくパラガスやシャモ星人、はてはモブに近い扱いだったモアやアンゴルといったキャラクター達まで注目を受けドラゴンボールヒーローズに登場するなどただの
更に映画のありとあらゆるシーンがMAD動画に使用されているせいか劇場版を見たこともない人間も内容をほぼ把握しているなどネットミームとして広く知られている模様です
更にパラガスのポッドが潰されるシーンは親が息子に圧殺されるというかなり悲惨な場面ですがMADの影響でギャグシーンとされている向きもあるようです
悲劇的な運命を背負った伝説の超サイヤ人ブロリー
この映画のある意味で主人公といってもいいブロリーですが、これまでの映画ドラゴンボールのゲストキャラクターとしては親パラガスの視点から誕生から劇場版に至るまでの経緯が語られ、敵キャラとしては異様なまでに背景の掘り下げがなされています
父親によって操られたりと悲劇的な人生を送りながら持って生まれた力にブロリー自身が振り回され最終的には悟空達との戦いに敗れて死亡してしまう悲運の人物なのですが、その生き様はパラガスが称したように攻撃的で強大な力を持つがゆえにフリーザによって滅ぼされたサイヤ人の生き方そのものにも見えます
以前の劇場版に出てきたサイヤ人の生き残りターレスも悟空達と関わらなくてもいずれ滅んでいたのは明らかで、サイヤ人特有の攻撃性が見られなかった悟空や地球で穏やかに過ごしブルマやトランクスといった家族を得て丸くなっていったベジータ達はサイヤ人としては異質な存在だと感じさせてくれます
伝説の超感想
本作は当時の劇場版ドラゴンボールシリーズと比べると尺が10分程度多く、そのおかげでブロリーとパラガスの掘り下げが出来たので前述の人気につながったのかもしれません
しかしながら本編は後半ブロリーがほぼ悟空達を一方的にボコボコに叩きのめす絵面が続き、戦闘時においての駆け引きによる頭脳戦にも乏しいためか観ている最中は似たような場面が連続するため、ブロリーの圧倒的な強さをアピールするにしてもやや退屈に感じてしまいました
最期に悟空が仲間達のパワーを集めての一撃で逆転するのですがその理屈もいまいち納得できる描写が少なく唐突な決着に見えてしまうのはマイナスでしょう
しかし、ブロリー自体は後にドラゴンボール超にて設定が鳥山明先生自らリブートされ、主演のような扱いで劇場版としてリメイクされたのでドラゴンボールZのアニメオリジナルキャラクターとしては異例の優遇を受けていると思うため、本作のドラゴンボールに与えた影響はかなり大きいと感じました