AI学習に書籍を無断利用、著作権侵害認めず 米連邦地裁が合法判決

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サンフランシスコ=奈良部健
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 米カリフォルニア州の連邦地裁は23日、生成AI(人工知能)の学習に書籍を無断で利用されたとして、米作家3人が米新興AI企業アンソロピックを訴えていた訴訟で、著作権侵害には当たらないとする判決を下した。米メディアは、AI開発企業に有利な初の判決として報じている。生成AIをめぐる他の著作権侵害訴訟に影響する可能性がある。

 判決によると、アンソロピックは書籍データを同社の対話型AI「クロード」の大規模言語モデルの学習に利用。原告の3人の作家は昨年、この行為が作品の盗用にあたるとして提訴していた。

 判決は「生成AIが作品をそのままコピーしたり、模倣したりしたわけではない」と指摘。米著作権法が認める「フェアユース(公正利用)」にあたり、合法と判断した。

 米著作権法のフェアユースとは、教育や研究など利用目的が公共の利益のためならば、著者など著作権者の許可なしに利用しても著作権侵害に問われないという例外規定だ。フェアユースと認められるには、元の作品に対して「変革的(transformative)」かが重視され、単なるコピーではなく、新たな意味やメッセージを付加しているかどうかが問われるという。日本の著作権法にも利用目的などによって例外規定はあるが、米国のような包括的なフェアユースの規定はない。

 判決は、生成AIが書籍をそ…

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この記事を書いた人
奈良部健
サンフランシスコ支局長
専門・関心分野
テック、インド、財政と政治、移民難民、経済安保