森友文書 改ざん後も うそを重ねるよう強いられた経緯明らかに
近畿財務局の職員が決裁文書の改ざんの後も、会計検査院の検査に対してうその説明を重ねるよう強いられ、追い詰められていった詳しい経緯が初めて明らかになりました。
森友学園に関する財務省の決裁文書の改ざんに関与させられ自殺した職員の妻に、今月、開示された9000ページ近くの文書を分析しました。
クローズアップ現代 徹底検証 森友文書開示(2)浮かび上がる新たな闇
配信期限 :7/2(水) 午後7:57 まで
森友文書 財務省が2回目の開示 改ざんの詳しい経緯が焦点
森友学園に関する財務省の決裁文書の改ざんに関与させられ自殺した近畿財務局の職員、赤木俊夫さん(当時54)の妻の雅子さんは、財務省が検察に任意で提出した関連文書の開示を求め、今月11日、赤木さんが手元でとりまとめていたとみられる文書など、あわせて9000ページ近くが開示されました。
大阪 豊中市の国有地が8億円余り値引きされて学園側に売却されていた問題は2017年2月に発覚し、財務省内で決裁文書の改ざんや、学園との交渉記録の廃棄が進められましたが、その後、国会の要請を受けて値引きが適正だったかどうかを調べる会計検査院の検査が行われました。
財務省本省からのメールには「不要なものを抜いております」
近畿財務局に対する検査院の実地検査は2017年4月から始まり、赤木さんらが対応していましたがその前の3月25日、財務省本省から近畿財務局側に送られたメールには「今後、会計検査など外部に提出する可能性のある文書セットの案を送ります。不要なものを抜いております」などと書かれていて、検査院に極力、資料を提出しないよう求めています。
これに対し、近畿財務局側が2日後に財務省本省に送ったメールには「この資料で会計検査院への説明は到底できない状況まで書類が削られています」「現場としてご指示通りの処理はできません」などと記されていて、財務局側が本省の指示に抵抗感を示し、検査院から求められる資料は提出するべきだと訴えていたことが分かります。
しかし、実地検査初日の4月11日のメールでは、財務省理財局の幹部の見解として「1年を超えて保有する面会記録は『存在しない』」という対応方針が財務局内で改めて共有されていて、前後のメールのやりとりからは、記録が残っていてもないものとして対応するよう財務省本省が念押ししていたことがうかがえます。
赤木さんが記録したノートには追及されていたとみられる内容が
今回の開示文書には、赤木さんが検査院の実地検査に対応した際のやりとりなどについて、自筆で記録したノートも含まれていましたが、ノートには実地検査の際に検査院から「答えられないものがあるのか?裏があるのか?」などと追及されていたとみられる内容が記されていました。
そして実地検査が終わったあとの4月20日には
▽公用文書毀棄罪を定めた「刑法258条」や
▽刑事告発について定めた「刑訴法239条何人も告発できる」という記載もありました。
今回、開示された文書からは赤木さんが決裁文書を改ざんさせられたあとも検査院に対して、うその説明を重ねるよう強いられ、追い詰められていった実態が浮き彫りになっています。
一連のメールやノートの内容を確認した妻の雅子さん
「夫は自宅で、『自分は犯罪者だ、犯罪行為に手を染めてしまった』と言っていました。本当に悩んでいたのは、こういうことだったんだとわかりました。改ざん以外にもうそをつかないといけないことがあったと知って、つらい思いをしていたんだと思います」
財務省「不適切で問題のある対応だった」
当時の会計検査院への対応について、財務省は「不適切で問題のある対応だった」としたうえで「赤木俊夫さんという、高い志と倫理観を持ち、真面目に職務に精励していた方が、公務に起因して自死するという結果に至ったことについて、心よりお詫びを申し上げるとともに、謹んでお悔やみを申し上げます」としています。
会計検査院 2回にわたり検査も値引きの妥当性 結論出せず
森友学園に国有地が8億円余り値引きされて売却された問題で、会計検査院は2017年と2018年の2回にわたって検査しましたが、値引きの妥当性について結論を出せませんでした。
大阪 豊中市の国有地が地中のごみの撤去費用などとして8億円余り値引きされて売却された問題が2017年2月に発覚したあと、会計検査院は国会の要請を受けて値引きの妥当性について検査しました。
しかし、財務省は検査院から求められた学園側との交渉記録は「存在しない」などとして意図的に提出しませんでした。
この年の11月、検査院は検査結果をまとめた報告書で「値引き額の算定方法には十分な根拠が確認できない」と指摘した一方、適正と考えられる値引き額については、資料が保存されていないため「検証が十分に行えない」として盛り込みませんでした。
その後、2018年3月に財務省の決裁文書が改ざんされていた問題が発覚します。
財務省はこの年の6月に公表した内部調査の報告書で、検査院への対応について「廃棄されずに残された応接録の存在を明かさず、改ざん後の決裁文書を提出したことは、不適切な対応だ。国権の最高機関である国会との関係でも、問題のある対応だったと言わざるをえない」と総括しました。
これを受けて検査院は、財務省が公表した学園側との交渉記録などをもとに再び検査を行いましたが、値引きの妥当性については結論を出せず、報告に盛り込みませんでした。
一方で、決裁文書の改ざんについては「実際に行われた会計経理の意思決定の経緯などを正しく把握できなくなったことは検査に支障を生じさせた」と批判しました。
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