「論文100本超の研究者がなぜ」 北大、身内からも「自壊」と批判

北海道大理学研究院=札幌市北区で2025年5月20日午前10時53分、鳥井真平撮影
北海道大理学研究院=札幌市北区で2025年5月20日午前10時53分、鳥井真平撮影

 北海道大理学研究院の化学部門で、複数の准教授が「教授会によって組織的に孤立させられている」と訴えていた問題は、准教授たちに研究室の独立と学生指導の再開が認められた。

 事態を見守っていた北大の関係者は、改善に向けた動きを歓迎する一方、教授会による一連の行為を「一方的な排除」「社会通念とかけ離れている」などと強く批判した。

 「彼らの業績を見て驚いた。1人は論文数が100本以上。他の2人も数十本の論文の多くがその分野のトップ学術誌に掲載され、ハードルが高い国の研究費も獲得している。これほどの実績を持つ研究者が不透明な理由で孤立させられていたなんて」。化学部門の内情を知った北大のある教授はあきれた様子で語った。

 化学部門では、教授が退職などで不在となった研究室に残った准教授らを「旧スタッフ」などと呼び区別していた。部門の教授会に当たる「講座委員会」が独自に作った内部基準に基づき、旧スタッフとなった教員は同僚や学生もいない環境で、長い人で4年以上、1人で研究を続けてきた。

 「一方的で構造的な排除だ。教授会が…

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