8 チートVSチート3


「もう一手、だと?」


 ブレスを吐きながら、光竜王が俺をジロリとにらむ。


 今、見せてやる――。

 俺は奴を見据え、『燐光竜帝剣』を構えた。


 さっきの攻防で、その先端部は折れてしまっている。


「……がんばってくれよ、『燐光竜帝剣』」


 俺は剣を振りかぶる。

 そのまま渾身の力で斬撃を叩きつけた。


 眼前で荒れ狂うドラゴンブレスに向かって。


 ごうっ!


 剣圧がブレスに衝突し、わずかに揺らがせた。


 他の武器や道具と違い、こいつには+20000の強化ポイントを注ぎこんである。

 その威力を込めた剣圧は、まさしく規格外。


 ごおおおっ、おおお……おおおおおっ……!


 剣圧によってブレスが勢いを減じていく。

 さすがに消し飛ばすところまではいかないが、確実に威力を目減りさせた。

 そして残った攻撃エネルギーは、強化された服と加護アイテムで弾き飛ばす。


 しゅんっ……。


 ドラゴンブレスは完全に威力を消滅させた。


「……ほう、凌いだか」


 光竜王が笑う。


 奴にすれば、一回ブレスを防がれた程度のことだと思っているんだろう。


 確かにその通りだった。

 勝負はまだまだここからだ――。

 と、


「ん? ここは……?」


 ふいに声が響いた。


 声の出どころは、光竜王の頭部付近――。

 ヴィクターさんだ。


「なぜ、私はこんな場所に……」


 ヴィクターさんが目を覚ましたようだ。


「もしかして、道に迷って変な場所に来てしまったのか……?」

「なんでだよ!?」


 思わずツッコんでしまった。


「そうじゃなくて、あなたは光竜王に取り込まれてしまったんです、ヴィクターさん!」

「な、何……!?」


 戸惑ったようなヴィクターさん。


 しかし、この期に及んで光竜王に取り込まれたことを理解せず、ただ道に迷っただけだと認識してしまうとは――。


 泰然としているというか、ある意味大物というか。


 と、そこでヴィクターさんの手に『翠風の爪ローゼリア』があることに気づく。


 そうだ、もしかして――。

 あの剣を取り戻せば、俺たちの剣の力も戻るんじゃないだろうか。


 そうなれば、光竜王をもう一度封印する手立ても出てくるかもしれない。

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