「世界に羽ばたくスケーターを」 五輪メダリストの浅田真央さん、次の「夢」は選手育成

記者会見でコーチ業の本格始動を発表した浅田真央さん=12日、東京都内
記者会見でコーチ業の本格始動を発表した浅田真央さん=12日、東京都内

フィギュアスケート女子で2010年バンクーバー冬季五輪銀メダリストの浅田真央さんが今夏、指導者として新たな一歩を踏み出す。住宅メーカーの「木下グループ」と共同で次世代の選手を育成する「木下MAOアカデミー」の設立を発表。34年冬季五輪への選手輩出を目指し、「世界に羽ばたくスケーターを育てたい」と意気込みを語った。現役時代から多くの人を魅了してきた浅田さんの次なる夢への挑戦が幕を開ける。

コーチ資格の取得に向け準備

東京都内で6月12日に開かれたアカデミー設立の記者会見で、浅田さんは「スケーター一人一人と向き合い、丁寧に指導していきたい」と意気込んだ。穏やかな口調ながら、強い意志を感じられた。浅田さんは指導を始めるにあたり、スケートの基礎を見直しているといい、コーチ資格の取得に向けても準備を進めている。

8月1日に開校する木下MAOアカデミーは対象年齢が5~9歳で、10人程度が選考される見込み。浅田さん自身がプロデュースし、昨秋にオープンした東京都立川市の「MAO RINK TACHIKAWA TACHIHI」が拠点となる。

アカデミーでは、浅田さんがディレクターとして指導に直接関わる。氷上での練習だけではなく、新体操やバレエ、ダンスなどフィギュアに必要な他分野のトレーニングを一つの施設で完結できるようにした。浅田さんの「選手時代に、こんなアカデミーがあったらいいな」との思いを全て取り入れたという。

対象年齢を低めの9歳までにしたのは、「9歳で完成されたスケーターもいるかもしれないけど、できるだけMAOアカデミーで育てていきたい思いが強い」という浅田さんの育成に対するこだわりが理由だった。

島田麻央
島田麻央

京都に続き東京も

2000年代前半から大会の特別協賛をするなどフィギュアの支援に力を入れてきた木下グループによるフィギュアのアカデミー設立は、京都府宇治市に続いて2例目。京都の「木下アカデミー」は20年春に発足し、今年3月の世界選手権女子3位の千葉百音(もね)や、同じく女子で世界ジュニア選手権3連覇の島田麻央らが所属している。木下グループによると「かねてから首都圏でのニーズもあり、われわれの強い思いもあった」といい、東京での設立に至った。

木下グループの木下直哉社長は記者会見で「真央ちゃんのフィギュアへの思いは、初めて会った2005年のときから変わっていない。次の次の次くらいの五輪に出られる選手を育てていただければ」と話し、指導者としての道を歩むことになった浅田さんにエールを送った。

「私自身も本当にその夢がかなうのであれば、そんなうれしいことない。夢は大きく、その目標に向かって進んでいきたい」。浅田さんがどんな選手に出合い、どんな選手を育てていくのか、今後の手腕が注目される。(久保まりな)

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