「保守派のスター」高市早苗氏と安倍元総理

3月2、3日に実施したJNNの世論調査で「次の総理にふさわしい人」を聞いたところ、5.2%の支持を集めた高市氏。最近“急浮上”した上川外務大臣とは対照的に、常に一定の支持を集めている(2月実施の世論調査では6.0%)。その支えとなっているとみられるのが「強固な保守層」だ。

閣僚であっても靖国神社を毎年欠かさず参拝するなど、高市氏といえば「保守系」のイメージが強い。実際、高市氏のコラムにはルーツの一端が垣間見える。

高市早苗衆院議員(2012年9月3日コラムより)
『私が幼い頃に両親が繰り返し教えてくれたのは、「教育勅語」でした。小学校に入る前から全文を暗記していたのだという両親が、楽しそうに声を合わせて唱える姿が好きでした』

そんな高市氏を語るうえで、切り離せない人物が安倍晋三元総理だ。
高市氏の周辺は「安倍さんと同じ考えを持っていて、それを共有する中で意気投合した。安倍さんがこういう思想だから高市氏も寄せていったわけではない」と話すが、2011年の総裁選で高市氏は、当時所属していた町村派を退会してまで安倍氏を応援した。そして、第二次安倍政権発足後は政調会長や総務大臣などを歴任し政権を支えた。

2021年9月、当時の菅総理が総裁選への不出馬を表明したことを受け、高市氏は初めて総理の座にチャレンジした。

高市早苗衆院議員(2021年9月、総裁選の所信発表演説会)
「私は、国の究極の使命は、『国民の皆様の生命と財産』を守り抜くこと、『領土・領海・領空・資源』を守り抜くこと、『国家の主権と名誉』を守り抜くことだと考えております」

このときの総裁選で高市氏の支持に回ったのが安倍氏だった。
高市氏について「国民の命と生活を守り、経済を活性化するための具体的な政策を示し、日本の主権は守り抜くとの確固たる決意と、国家観を力強く示した」と自身のSNSで評価し、保守層に訴えかけた。

当初は「泡沫候補」と言われていた高市氏だったが、安倍氏の支持を受けて“台風の目”となった。最終的には岸田総理に敗北したものの、総裁選の結果を大きく左右すると言われる国会議員票では岸田総理に次いで2番目の票を集めたのだった。