通信制高校のスクーリングに行きたくない?その気持ちはわかる気もする
不登校ビジネスの被害者の会ができたようですね。
私もお金をいただいて支援をしている身として
大変に気が引きしまります。
さて、今日は通信制高校のスクーリングについて。
通信制高校と聞くと、「自由そう」「自分のペースで通える」
「学校に行かなくても卒業できる」といったイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
実際、全日制高校に比べれば登校日数は少なく、
自宅学習中心であるため、登校に苦手意識がある方にとっては通いやすい選択肢の一つです。
しかし、通信制高校といえども、スクーリングという形で、
必ず学校に登校しなければならない日があります。
これは卒業のために必須とされるもので、法律上の要件でもあります。
特にN高等学校などでは、沖縄での宿泊型スクーリングが課されることもあり、心理的ハードルがかなり高いと感じる生徒もいます。
「行きたくない」と感じるのは、とても自然なことです。
*宿泊型はけっこう珍しいし、救済措置がある学校も多い。
ネット上どでも、「スクーリングが不安」「宿泊が怖い」
「友達ができるか心配」などの声がたくさん見られます。
人間関係が不安、団体行動が苦手、知らない場所に行くのが怖い
…そういった気持ちは、何もおかしくありません。
多くの人が、あなただけではない気持ちを抱えているのです。
筆者も「人の集まり」が苦手だった話
筆者は、通信制高校には通わず、
高卒認定試験(昔は大検)を経て大学に進学しました。
そのため、実際にスクーリングに参加した経験はありません。
しかし、私自身も重度の対人恐怖症を抱えていた時期があり、
学校の集まりやイベント、人の多い場に行くことが本当に苦痛でした。
あまりに緊張してしまい、
少量のお酒を飲んでから参加してしまったこともあります
(もちろん未成年ではありませんでしたが、良い方法とは言えません)。
「一人では無理だ」と思い、
誰かと一緒に行く約束をして気持ちを落ち着けたこともあります。
どうしても不安が消えないときは、事前に場所を見に行ったり、
先生に「自分はこういうタイプで…」と根回ししたりしたこともあります。
今振り返って思うのは、「不安があるから参加できない」ではなく、
「不安があっても準備次第でなんとかなる」ことが多かったということです。
私が出会ってきた不登校経験者の多くも、
「人が怖い」「集団が苦手」といった感覚を持っていました。
でも、時間が経つ中で、少しずつ慣れたり、
安心できる人と関わることで改善していったりするケースも多くあります。
「自分だけが弱い」「自分だけがダメなんだ」
そう感じてしまうかもしれません。
でも、それはあなただけの問題ではなく、
成長や適応の過程にある一時的な心の反応なのです。
不登校経験者の多くが「人が苦手」という症状を持っている
これまで不登校だった方の多くが、
「人間関係が苦手」「集団の中にいると緊張する」「学校に行くと疲れ切ってしまう」といった“人との関わり”に対するしんどさを感じています。
これは決して珍しいことではなく、
不登校の背景として非常に多く見られる傾向です。
私が関わってきた不登校経験のある生徒たちも、多かれ少なかれ、
他人との関係に不安を抱えていました。
相手にどう思われるかを気にしすぎてしまう。
自分の居場所がないと感じてしまう。
話しかける勇気が出ない。
そういった思いを抱えている子がほとんどです。
でも、不思議なことに、多くの子が時間とともに変化していきます。
無理に慣れさせるのではなく、自分のペースを大切にしながら、
少しずつ安心できる人と関わる中で、
「苦手」が「大丈夫かも」へと変わっていくのです。
最初から完璧を求める必要はありません。
「友達を作らなきゃ」「みんなと馴染まなきゃ」
そう思えば思うほど苦しくなります。
まずは、誰かと一緒にいられる“だけ”でも十分な一歩。
それだけで、孤独感がやわらぎ、次のステップに進みやすくなります。
筆者が助けられたアプローチ
私自身、対人恐怖の症状が強かった頃、
いろいろな方法を試しました。
その中でも特に役に立ったのが、
認知行動療法(CBT)と森田療法でした。
認知行動療法では、たとえば「人にどう思われるか不安だ」といった考えを見つめ直し、
「本当にそうなのか?」「何か他の捉え方はないか?」と問い直していきます。
考え方のクセに気づき、
少しずつ現実的な視点を持てるようになったことで、
過度に緊張することが減っていきました。
一方、森田療法では、「不安をなくそうとせず、そのままの気持ちを持ちながらも、やるべきことをやる」という姿勢を学びました。
「不安がある=行動できない」ではなく、「不安があっても動ける」という考え方が、とても救いになりました。
もちろん、これらの方法はすべての人に合うとは限りません。
場合によっては、病院での診察や、
スクールカウンセラー・公認心理士との相談を検討するのもよいと思います。
「自分ではどうしようもない」と感じるとき、
専門家の力を借りることは“弱さ”ではなく、
前に進むための“強さ”です。
スクーリングに行きたくないときの実践的な対処法
「行きたくない」「怖い」と感じたとき、
まず一番大切なのは、その気持ちを否定しないことです。
そして、少しでも安心して動き出すために、
実際に役立つ対処法をいくつかご紹介します。
● 不安な理由を紙に書き出す
頭の中で漠然と「嫌だな」と思っていると、
不安はどんどん膨らんでしまいます。
一度、「何が不安なのか」「何が嫌なのか」を紙に書き出してみましょう。
書いてみると、「人間関係が怖い」「お風呂が心配」「寝る場所が不安」と、具体的な不安が見えてきて、それぞれに対処しやすくなります。
*スクーリングで宿泊型は珍しいことですが
● 先生や学校に相談する
ひとりで抱え込まないでください。
担任の先生やスクールカウンセラーに気持ちを伝えることで、
部分参加やオンライン参加などの対応が可能になる場合もあります。
特にN高などの大規模な通信制高校では、
そうした対応例も実際にあります。
● 仲の良い友達と一緒に参加する
知っている人がそばにいるだけで、
安心感は大きく変わります。
「一緒に行こう」と声をかけてみたり、
事前に話せる仲間を見つけたりするだけでも、
ずっと行きやすくなります。
● 安心できるアイテムを持参する
枕・ぬいぐるみ・アロマオイル・音楽プレーヤーなど、
自分を落ち着かせるアイテムを準備しておくのも効果的です。
特に宿泊型のスクーリングでは、
自分だけの“安心空間”を持っていると心が少し軽くなります。
● 事前に下見や情報収集をする
宿泊施設の様子、スケジュール、先生の雰囲気などを事前に調べたり、
問い合わせたりすることで不安を軽減できます。
筆者自身も、初めての場所が不安なときは、
必ず“下見”のようなことをしてきました。
人間は知らないことは怖いもの。ですが、知ってしまえば怖さも半減。
夏の肝試しでもよく知っている場所であれば怖さも和らぐでしょう。
それと同じです。
それでもどうしても無理なら…他の選択肢もある
それでも、「やっぱりどうしても行けない」
「精神的に限界だ」と感じた場合は、無理に行く必要はありません。
(とはいえ、短時間でもあり学校により救済措置があることが多いですが)
スクーリングに行くことが全てではなく、
他にもいくつかの選択肢があります。
● 別の通信制高校への転入
今の学校の雰囲気が合わない、スクーリングが合わないのであれば、
転入という形で学校を変えることもできます。
実際、多くの生徒が通信制高校間での転入を経験しています。
学び方のスタイルも学校によって大きく違うため、
より自分に合った環境を探すことも大切です。
● 一時的に休学する
心と体を休める時間が必要なときは、
まず休むことを優先しても構いません。
焦って無理をすると、結果的に心の傷が深くなることもあります。
その間に、復学の計画を立てたり、
自分のペースで将来の選択肢を整理したりしていければ、
次の一歩が踏み出しやすくなります。
● 高卒認定試験を受ける
どうしても高校という枠組みが合わない場合は、
高卒認定(旧・大検)というルートもあります。
筆者自身がこの道を選び、結果的に大学進学も実現しました。
この道を選ぶ生徒も毎年多くいます。
高校卒業資格とは異なりますが、
大学や専門学校を受験するための資格として有効です。
通信制高校の魅力は、「自分に合った学び方ができること」です。
しかし、スクーリングなどの“共通の壁”にぶつかってしまうことも少なくありません。
無理をせず、自分にとってベストな方法を模索することが、
最終的にはもっとも遠くまで進む力になります。
何かの参考になれば幸いです。
ではまた。最後までお読みいただきありがとうございました。


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