長崎 浦上天主堂 被爆前の動画見つかる 最も古い動画か

長崎に原爆が投下されてからことしで80年となる中、原爆によって破壊される前に長崎市の浦上天主堂を撮影した、これまでで最も古いとみられる動画が残されていたことが分かりました。アマチュア映画のカメラマンとしても知られる歌舞伎俳優が家庭用映画機で撮影したもので、専門家は「失われていく資料が多い中、新たな動画が出てきたことに大きな価値がある」と話しています。

浦上天主堂は、カトリック信徒を中心に30年の歳月をかけて大正14年に完成した教会ですが、原爆で破壊され、現在の建物は戦後になって再建されたものです。

この浦上天主堂が原爆で破壊される前の姿を撮影した30秒ほどの白黒の動画が、NHKで見つかりました。

【動画】昭和5年ごろ撮影(27秒)

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動画は、明治から昭和にかけて活躍した歌舞伎俳優で、アマチュア映画のカメラマンとしても知られる、二代目中村芝鶴が、家庭用映画機で撮影したもので、昭和51年にNHKに寄贈したという記録も残されています。

この動画を長崎平和推進協会の松田斉 写真資料調査部会長とNHKが検証したところ、建物側面の壁が白っぽく映っていて、原爆で破壊される前の浦上天主堂が写った複数の絵はがきから、壁をレンガ色に塗り替えた昭和9年よりも前に撮影されたものだと分かりました。

さらに、撮影した芝鶴が歌舞伎の公演で長崎に巡業した記録を調べたところ、昭和9年以前で該当するのは昭和5年3月だけであることが分かり、動画のメモに書かれた「昭和5年ごろ撮影」という記述とも重なっていました。

松田部会長によりますと、最も古い浦上天主堂の動画は昭和7年ごろの撮影とされていることから、今回の動画はこれまで確認された中で最も古いものだとみられるということです。

松田部会長は「プライベートなフィルムから時代が特定できることはまれで、年を経るにつれて失われていく資料が多い中、これまでになかった動画が新しく出てきたことに大きな価値がある」と話しています。

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