研究メモ ver.2

安藤道人(立教大学経済学部准教授)のブログ。旧はてなダイアリーより移行しました。たまに更新予定。

年金メモ

「年金制度」を守って社会保障が破綻しては、意味がありません
『年金は本当にもらえるのか?』の、鈴木亘学習院大学教授に聞く
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20101108/216997/?P=1

最近矢継ぎ早に出された鈴木氏の本はどれも読めていないのだが、一応メモ。海外にいると本代が節約できて、(ネットを除いて)よりアカデミックな勉強や議論に集中できて、いいのやら悪いのやら。

少なくともこの記事を読むかぎりだと、自分が気になっている争点に関する踏み込んだ議論はない。未納問題の解決策とか、保険料の帰着の問題とか、「世代間格差」の捉え方(規範・実証両面)とか。インタビュアーの芹沢市も突っ込み不足。もちろん、そういう趣旨(鈴木氏の自説紹介)のインタビューだからなのだろうけど。一回、鈴木氏と細野氏or権丈氏の対談でもしたら面白いんだろうけど、絶対実現しないだろうなぁ。。。

やはり本を読まなければ。でもそれよりもそろそろもっとがっつりとした年金の基礎的なお勉強も必要だけど、いつになることか。

関連エントリ

東洋経済10/31号:年金特集をめぐって+金融政策と民意(おまけ)
http://d.hatena.ne.jp/dojin/20091107#p1
年金メモ+再分配メモ
http://d.hatena.ne.jp/dojin/20091201#p1
鈴木亘氏の週刊東洋経済への反論
http://d.hatena.ne.jp/dojin/20100106#p1
鈴木亘VS権丈善一 年金論争番外編
http://d.hatena.ne.jp/dojin/20100126#p2
メモ:年金の持つ役割とこれからの課題『週刊年金実務』2009年1月5・12日合併号
http://d.hatena.ne.jp/dojin/20100526#p1

  • Maggie Q2000

    私はこちらでは天引きされて、日本では住民票を抜いたので支払い義務はないのですが、数年前に再び払いはじめました。定年時にこれが凶とでるか吉とでるか、という壮大な実験をしております。もちろん定年までにぽっくりいってしまえばどちらの国でも払い損となるわけですが。日本の未納の若者たちは、払いたくても払えない人もいるでしょう、しかしながら当然彼らは年金は受け取ることはできないわけで、これから40年後くらいの日本の老人問題は難しいでしょうね。

  • 安藤道人 (id:dojin)

    年金制度に関する土地勘が全然ないのですが、私が知る限り、今の制度を前提にして考えると、日本の公的年金で平均寿命まで生きるとして、払わないより払って文字通り「損」になることはほぼないと思います。もちろん年金額は景気と人口構造(少子高齢化度合い)に連動するので、まったくその可能性がないとは言い切れないのでしょうが。

    若者の未納はほんと頭が痛い問題ですね。私の友人も、フリーター層はかなりの確率で未納です。このままいくと彼らは確実に生活保護対象者となります。ただし、未納問題は上記関連エントリの「鈴木亘VS権丈善一 年金論争番外編」(http://d.hatena.ne.jp/dojin/20100126#p2)にあるように、未納問題はパート労働者への厚生年金適用などでかなり解決できるという話もありますから、果たして鈴木氏が言うような積立方式への移行や税方式への移行といった「抜本的」改革が必要なのかという議論があります。

    今回の鈴木氏へのインタビューが物足りなかったのは、このエントリで紹介した私の知り合いのコメント:『あたかも今の年金制度を擁護する人がすべて、「未納は全く問題ない」と喧伝したかのように書かれていて、事実と大幅に違います。端的に、未納問題を租税方式化で対処するのか、現行制度+パートの厚生年金適用等で対処するのかという点を論じるべきだと思いました。この場合に後者が優勢 なのは明らかでしょうけれど。』という批判がそのまま当てはまるような気がしたからです。

    まぁ私はきちんとこの分野を勉強したことがないので現時点で自信を持って言えることが何一つないのですが、メディアやネットレベルでもう少し焦点を絞ってかつ踏み込んだインタラクティブな議論が行われると助かるのですが。。。

    ちなみにスウェーデンは、人口構造において日本のような急激な少子高齢化が進まないので(景気も日本よりいいですし)、日本と比べて年金制度の設計もやりやすいようです。スウェーデンで少子化に歯止めがかかった原因は、保育政策などいくつかあるでしょうが、その一つに(Maggieさんが批判的な笑)移民の増加もあるようですよ(http://fukushi-sweden.net/news/2010/fodelse.1001.html)。ただ移民が少子化の歯止めにどのくらい効いているのかはもう少しきちんとした実証分析を見る必要がありますが。

    いずれにせよ、駒村氏が言っているように(http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/dompolicy/399783/)日本でも自分の年金額が景気と子ども数に連動しているということをもっと周知徹底した上で、建設的な議論ができるといいのですが。

  • Maggie Q2000

    古いエントリーですが連続性もありこちらにコメント。
    スウェーデンの首相が、75歳まで働ける人は働いて欲しい、と言い出しました。
    ようするに、年金受給年齢を少しでも引き上げてとにかく、各年(そしてトータルの)支出を押さえ、(その間にぽっくりいってくれたらそれもよし)などということでしょう。
    少子化に歯止めはかかって移民が増えてもそれではどうしようもないくらい「老人が死ななくなった」のでしょう。

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