「売春は合法化すべき」歌舞伎町弁護士の“真意”とは? 夜のトラブル対応3000件以上…あえて“暗黙のグレーゾーン”に切り込むワケ
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歌舞伎町弁護士の‟課外活動”
ナイトビジネスに精通する若林弁護士が「歌舞伎町の弁護士」と呼ばれるのは、街に根付いた活動に積極的に取り組んでいることも大きいといえるかもしれない。 6月某日、歌舞伎町のイベントスペースで人前に立った若林弁護士。舞台は日本最大級の風俗イベント「フーフェス」だ。街の経営者らが立ち上げ、この回で19回目を数える、風俗関係者が多数関わる、歌舞伎町ではすっかり定番のイベントだ。 その運営にも関わり、イベントの常連でもある若林弁護士は、幹事役を務めることもある。この日は、著書のサイン会をこなし、来場者と談笑しながら書籍にペンを走らせた。 トークショーでは聴衆に出版の裏話などを披露するなど、会場を盛り上げ、サラリと役割を全うした。 こうした活動以外にも、顧問を務める風俗店の依頼を受け、ホストや風俗業従事者などへ向けて風営法の勉強会を開催するなど、単に弁護士として案件をこなすだけでなく、街の健全化につながる活動にも力を入れている。 「ナイトビジネスを取り巻く法律はどんどん厳しくなっています。そうした潮流に正面からあらがう気はないですが、立ち向かう術は提供し続けたいと思っています。勉強会を開催すると、参加者は本当に熱心に聞いてくれますよ」
売春合法化を主張する真意
法律家として思うところもある。風俗業の扱いについてだ。 「弁護士にとって、依頼者の味方をするための唯一の武器は『法律』です。ところが、性風俗産業は法から見捨てられている領域になってきてしまっています。ソープランドでの本番行為など、周知の事実にもかかわらず、摘発が恣意(しい)的に行われる。 だからこそ私は、売春は合法化すべきと考えています。実現は難しい側面も大きいでしょうが、あいまいなままであることによる不自由さの方が問題です。 売春が頻発している現状を認め、そのうえで従事者の安全、透明性の高い経営、客の安心の向上などのために売春を合法化。警察の管理監督下で許可制として運用する。それが合理的ではないでしょうか」 外側から歌舞伎町を傍観しているだけはみえない実像を知るからこその見解だろう。
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