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15
剥き出しにされた身体。
眼差しが突き刺さる。
一言でも口を開いたら、
それはきっと嗚咽にとって変わられる。
だから、唇を噛み締める。
暗闇に、瞳はなお冷たく。
俺の底までも見透かそうとするそれが大きくなる。
顎が思いきり掴み上げられる。
粘りつくように唇が重ねられる。
思いきり噛みついた。
「 ・・ っ 。」
逃げるようにベッドから飛び出した。
隠れるところなど、端から有るわけもなく、
俺は窓際に走りこむ。
りかが唇を拭う。
ゆらりとりかが降りてくる。
腕が掴まれる。
体格なんて大して変わりゃしないはずなのに、
捻り上げられた身体が折れそうに痛む。
顎を掴み上げられて、
耳元を低い声が舐める。
「それで、終わりか。」
背骨に疼くような痛みが走る。
口腔に錆びた味が広がる。
骨なんか折れちまっても構わない。
思いきり体重をかけて倒れ込み、戒めを解く
部屋の隅に回りこんで、そこらじゅうのものを投げつける。
ガラスが砕ける音がする、あいつの頬に赤く筋が浮く。
涙と洟で、俺の顔はもうぐちゃぐちゃだ。
平手が上がる。
吹き飛ぶほどに殴られて、フローリングの床に這いつくばる。
起き上がろうとする間も無く、影が俺を覆い尽くす。
限界まで張り詰めた瞳。
俺だけを映し出す。
溢れ伝う涙の中で、それでも唇は引き結ばれる。
誘い込む瞳、拒絶する唇、
バランスは疾うに狂ってしまった。
頭に満ちるのは、砕け散る咆哮。
お前の声が、聞きたい。
抑える指に力をこめる。
仰け反る体躯、引き結ばれた唇。
囚われる、心。
叫んでいるのは、俺か。
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