伊藤忠商事、西松建設への出資を22%に上げ 持ち分法適用会社に
伊藤忠商事は30日、準大手ゼネコンの西松建設への出資比率を19.9%から22%に引き上げ、持ち分法適用会社にしたと発表した。同日、市場外取引で第三者から2.1%分を買い増した。追加の投資額は非開示という。伊藤忠は建材の製造や販売、不動産事業などに力を入れており、西松建設との連携を深めて建設分野でも商機を狙う。
西松建設の2025年3月期の連結純利益は前期比42%増の175億円だった。伊藤忠は今後、自社の連結決算に西松建設から22%分の純利益を取り込めるようになる。現在、西松建設には人員を派遣しておらず、今後の計画も未定だという。
これまでに宮城県柴田町の体育館整備事業では伊藤忠が取りまとめ役を担い、西松建設などと連携した。伊藤忠が3月に稼働させた川崎市にある自社の女性社員寮でも西松建設が設計・施工を手掛けた。両社は再生可能エネルギー事業などでも協業している。
伊藤忠は2021年12月、村上世彰氏らが関わるファンドなどから西松建設の株式10.2%を取得し、筆頭株主となった。当初の投資額は150億円程度とみられる。伊藤忠にとってゼネコンへの出資は西松建設が初で、その後段階的に買い増してきた。建材製造の大建工業や、建材卸の伊藤忠建材、不動産開発の伊藤忠都市開発も子会社にもつ。