ルーマニア、セルビア、ドイツの3館も未払い2億円超か 発注元は同一外資系イベント会社
2025年大阪・関西万博の海外パビリオンの建設費未払いトラブルが相次いでいる問題で、下請け会社4社の社員が23日、ルーマニアとセルビア、ドイツの3館の建設工事でも工事費の未払いが発生していると明らかにした。総額は少なくとも約2億2270万円にのぼるとみられる。 この3館の発注元は同一の外資系イベント会社(東京)。このイベント会社はマルタ館でも計約1億2千万円の工事費が未払いだとして、関西の1次下請け会社が提訴。会見に出席した4社もそれぞれ訴訟に向けて準備を進めている。 ルーマニア館の本体工事と、セルビア館の土木工事を引き受けた大阪市の建設会社の男性役員は会見で、総額約1億3160万円が未払いだと主張。イベント会社は「契約違反のため契約を解除する」などとして支払いを拒んでいるというが、男性は「そうした事実はない」としている。 大阪府の不動産会社はセルビア館とドイツ館の工事に携わり、建設機械のリース料や人件費など約4150万円が未払いだという。同社工事部の男性部長は、万博工事で人手不足だったイベント会社に3社を紹介したといい「こんなことになってしまうとは思わず本当に心苦しい」と打ち明けた。 他の2社もそれぞれ未払いがあり、セルビア館の展示物を作成した会社の従業員は「イベント会社からクライアントが気に入らないので払わないといわれたが、今も展示されている」と訴えた。 会見に先立ち、工事の下請け会社などでつくる被害者の会は23日、大阪府に要望書を提出。府による緊急の立て替え払いや、建設業許可のないまま工事に携わった事業者名の公表や行政処分などを求めた。同会代表は「関わった職人やその家族も含めると被害者は少なくとも千人超。このままだと路頭に迷ってしまう」と訴えた。