4年で108人死亡 岡山県「人食い用水路」はなぜそのままにされているのか? 少なくない“柵”反対の声、驚きの理由とは

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岡山県岡山市や倉敷市には、危険な用水路が当たり前に存在している。当然、転落事故は多い。いったいなぜこんなに多いのか。ネットで話題になった、敦賀市の側溝トラブルを契機に振り返る。

柵設置に住民から反対の声も

年齢別割合(画像:岡山県)
年齢別割合(画像:岡山県)

 こうして問題意識が高まってきたわけだが、いまだ岡山の用水路では柵もなにもないほうが当たり前だ。事故を防ぐためには、早期の対策が求められるはず。しかし、担当者は対策の効果に疑問を持っている様子であった。

「岡山市内だけで約4000kmもあるので、全部に対策をするのは無理です。お金もかかりますしね。それに柵があっても落ちる人は落ちます。柵の隙間から落ちるんですよ」

それどころか、用水路のある地域の住民が柵の設置に反対することも多いという。

「道路幅が狭いところも多いので、車が通りづらくなるから柵の設置はやめてほしいと反対されることも多いんです」

 結局、もっとも効果的な対策は、通行の際に用水路に落ちないように気を付ける周知活動だという。県内では役所のほか県警がチラシで用水路への注意喚起を行うなど、地域でも取り組みが盛んだ。

 それでも転落する人は絶えない。そのためなのか、岡山県では用水路に転落した人を助けたとして人命救助で表彰される人もとても多い。最後に、担当者からはこんな話も。

「自転車で転落して頭を打つ事故も多いんです。ちょうど自転車のヘルメットも義務化されましたので、かぶったほうがいいでしょう。やっぱりヘルメットは重要ですよ」

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