独占禁止法違反が認定されたのは、広告大手の、▼「電通グループ」と▼事業会社の「電通」▼「博報堂」▼「ADKマーケティング・ソリューションズ」▼「東急エージェンシー」、それに、いずれもイベント制作会社の、▼「セレスポ」▼「フジクリエイティブコーポレーション」▼「セイムトゥー」の8社です。
東京五輪・パラ談合事件 公取委 計33億円余の課徴金命じる
東京オリンピック・パラリンピックの運営業務をめぐる談合事件で、広告大手の「電通グループ」や「博報堂」など8社が不正な受注調整を行ったとして、公正取引委員会は独占禁止法違反を認定し、このうち7社にあわせて33億円余りの課徴金の納付を命じました。
公正取引委員会によりますと、8社は遅くとも2018年4月以降、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会が発注した各競技のテスト大会の計画立案業務の入札で、事前に受注予定の会社を決め、総額437億円のテスト大会や本大会の業務の大部分を受注し、競争を実質的に制限していたということです。
組織委員会の元次長と「電通グループ」が、事前に各社から希望する競技や会場を聴き取るなどして受注予定の会社を選定し、各社にテスト大会の計画立案業務だけでなく、その実施業務やその後の本大会の運営業務も随意契約できるという方針を伝えていたということです。
公正取引委員会は、8社が不正な受注調整を行い独占禁止法に違反したとして、このうち今は広告事業を直接行っていない「電通グループ」を除く7社に対し、再発防止などを求める排除措置命令を出しました。
また「課徴金減免制度」に基づいて最初に不正を自主申告したADK側を除く7社に対し、あわせて33億2592万円の課徴金の納付を命じました。
この談合事件では、起訴された組織委員会の元次長は有罪が確定し、6社と各社の幹部ら6人は「談合はなかった」と無罪を主張するなど争っていて、このうち4社に対しては1審や2審で罰金2億円から3億円の有罪判決が言い渡され、控訴や上告をしています。
電通グループ “行政処分の取り消し訴訟を提起する”
電通グループは、ホームページでコメントを出し、今回の行政処分について「司法の場で当社の見解を真摯(しんし)に説明し公正な判断を受ける必要があることから、本日、取り消し訴訟を提起することを決定した」としています。
公正取引委員会の命令については「法令違反の対象が『テストイベント実施等業務』や『本大会運営等業務』にも及ぶとしており、これらの点について当社と『電通』の認識と大きく異なっていて看過できない相違がある」としています。
専門家「国を挙げての活動で公金得る企業は 社会的責任ある」
組織のガバナンスの問題に詳しい青山学院大学の八田進二名誉教授
「本来は組織委員会が指揮命令系統の権限を持って主導的に大会を運営すべきだったが、外部の電通側に全面的に任せてしまい、誠実で健全な組織運営ではなく自分たちの利権を得るような形になっていた。広告会社らは東京オリンピックを成功させるために寄与したんだという考えがあると思うが、今回、必ずしも公正な取り引きではなかったと指摘された点は、十分に反省すべきだと思う」と指摘しました。
その上で、今後の教訓について「国を挙げての活動で公金を得る企業は、社会的責任があり、誠意を持って透明性のある対応をしなければならず、企業としても説明する責任がある。組織委員会も国民に説明責任を果たさないまま解散してしまったのは非常に大きな問題であり、国や東京都も、今からでも国民に納得いくような報告書を出し、二度とこういうミスをしてはいけないという教訓を残すべきだ」と述べました。
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