青山 ちょっと石丸さんの話に戻りますけど、石丸さんやっぱり安芸高田市長の時に注目を集めたわけですが、かなり議会と対立して結局何もできなかったという批判もあります。これについては行政の経験者として舛添さんはどうご覧になってますか?

舛添 ちょっと目立ちたがりをやりすぎた面がありますね。議会も議会だけど、ずっと居眠りしてる議員が何人いるなんてのを公表しちゃう。それで人気が上がっちゃう。

ただやっぱりね、任期あとちょっとなんだけど任期満了しないで都知事選挙に出たんです。そこはね、やっぱり批判されるべきなんで、そういう面で、まさに私が東京都で苦労したんですけれど、議会とどう上手くやりくりするかってのは非常に難しくて、こっちがバンと上からやろうとすると議会が引っ張る。「俺に相談なく、なんでお前決めるんだ」みたいな。

青山 やはり議会との緊張関係難しいと思いますが、小池さんはねそういうブラックボックスだとか、東京と自民党を批判してま最初当選して、今や逆に自民・公明に支えられるような形の都知事になった。

方やもし蓮舫さんがなった場合、これまた相当議会と対立することが予想される。じゃあどっちがいいのか、ってこれすごい上念さん難しいと思うんですけども。

上念 私、ちょっと来る前に勉強してきたんですけど、世界の都市のランキングがあるんですよ。主要4指標があるんですけど、そのうちの1つが実は、あの日本の森ビルのやってる森財団が出してるGPCIっていう世界の土地総合力ランキングってやつなんですよ。実はねこれね、小池さんが都知事就任してから8年間変わってないんです。

青山 変わっていない?

上念 東京ってずっと3位なんですよ。現状維持なんで悪くなってない。これ総合力ランキングで、非常にいろんなもの入ってて、経済伸ばしてんのかとか、環境いいのかとか、あと通勤で苦労しないかとか、そういうのも全部数値化して入れるんですけれども、一応は現状維持なんです。悪くはしてないんです。これをどう見るかです。

まあ、現状維持でいいじゃんって人も居ていいんですよね、これ民主主義ですから。ただ逆に言うと、じゃあそれ以上のもの出せるっていうことを対抗馬は言わなきゃいけないんですけど、蓮舫さんは自ら政策論争から引いちゃったでしょ。

で、石丸さんの政策は、舛添さんがプレジデントオンラインに書いてたのを読んだんですけど、石丸さんの政策もちょっと評価できないですよね。

舛添 ちょっと抽象的で、もうちょっと具体的になんかないんですか、という感じでしたね。

上念 結構辛辣に書かれてたんですけど、ろくな候補がいないって(笑)。石丸さんの政策は、都知事としてはちょっといかがなものかって感じです。

他の候補者は都知事になることよりも別の目的でやられてるわけじゃないですか。そうすると「選挙はもう終わっている」って話にやっぱりなっちゃうのかなと私は思いますね。

小池氏の学歴詐称疑惑

青山 あとですね、小池さん蓮舫さんがとりあえず1位2位ということで戦ってる中で、この話を避けて通るわけにいかないんですけれども、まずこの小池さんに関しては元東京都特別顧問の小島さんという方が、学歴詐称に関して6月18日に刑事告発をしました。

この問題っていうのは、選挙にどれくらい影響があるかも含めて、どれくらいの重みがあるという風に舛添さんはご覧になっていますか。

舛添 まあ選挙にはあんまり影響ないっていうか、それは大手メディアが報じないですから、この問題を。だからネットなんかでよく見てる人はあると。

今回は4年前よりもはるかに重いのは、要するに握り潰す工作をやった本人が証言したわけですよ。それでしかも訴えた。そうするとこれは司法の場に移ってしまう。この裁判ってそんな簡単に片付きませんから、その間中、これが話題になっちゃって、まあ若干仕事の邪魔にはなるんじゃないかなって気はしてます。

青山 都知事に再選された後に、影響があるということですね。上念さんはこの問題をどう捉えていますか。

上念 えっとですね、北野武監督を明治大学卒業と言うか言わないか、これにかかってます。

青山 ええ?(笑)

上念 北野武監督は、明治大学を中退したんですね。それで漫才師になって、映画監督にもなって、カンヌ映画祭まで行って賞も取って、最終的に明治大学が「もう卒業でいいです」と認めて卒業になりましたよね。

同じく舘ひろしさん。千葉工業大学出身でもう卒論提出寸前まで行ったところでデビューしちゃって、もうすみませんって中退したんです。でも千葉工業大学は舘さんの功績認めて、つい最近卒業認定を出したんです。

この2人は卒業したことになります? これがなるとしたら、小池さんも卒業したことになっちゃうんですよ、カイロ大学がそれでいいって言ってるんですから。

これのポイントは民主主義なんで、カイロ大学はそれだけいい加減な大学で、そこを卒業したってことみんなはわかって投票するわけですよ。それでいいじゃんって言ったら「もういいじゃん」なんですよ。

青山 つまり結果的に、その当時は全然勉強してなかったとしても、後からでも卒業って言っちゃえばそれはやっぱ卒業だろうっていうことですね。

上念 そうですね。本当は卒業してないからアラビア語も喋れないじゃないかっていじりはあったんですけど、どうもアラビア語はペラペラみたいです。

青山 あ、そうなんですか?

舛添 ではないんです。本当のプロに聞くと、やっぱり文語で論文書かないといけないから。カイロ大学ってものすごい名門なんですよ。

だから私がむしろ問題にしたいのは、上念さんや青山さんがいま本を書かれるとしたら、そのとき最初から経歴に嘘を書きますかっていうことなんですよ。

ちょうど私はパリ大学、彼女はカイロ大学で、同じ時期に帰ってきたんですよ。それで「すごいなこの人は、首席で卒業したって書いてある」と。「俺は逆立ちしたってパリ大学主席じゃないよ」って言ったんだけど、それを堂々と書くってやっぱそれぐらいの能力がないと政治家になれないのかなと思いましたね。

青山 なるほどね。確か小池さんが最初テレビキャスターとして出てきた時の最大の売りが実はそのカイロ大卒だということでしたよね。

舛添 主席卒業で女性で初なんですよ。本の第2版出した時には、さすがにやりすぎたと思ったのか「首席」だけは削除されていました。

上念 なんか追試で1番だったらしいですよ、一応ね。これは本人談ですよ。

舛添 私に言わせると、なんでなのと聞いたら「学生1人だったから主席なのよ、だからビリと言ってもいいんで」って言ったんです。

だから私40年間信じて今まで生きてきたの。そしたら都知事になった時の記者会見で、「大変学生の数の多い社会学科でありますから」って言ったんです。

そして「『大変いい成績だった』と言われて喜びました」って言っていて、お前俺に言ったことと全然違うことを公開の場で言ってるじゃないのって私は怒ってるわけ。

蓮舫氏の二重国籍問題

青山 一方で蓮舫さんにも二重国籍という問題がありました。これは彼女のお父さんが台湾で国籍が2つあって、じゃあいつ日本国籍になったのかっていうま問題だったんですよね。

その後、国籍選択宣言をして今はまあ解決したとされてますけども、この問題については上念さんはどのようにご覧になっていますか。

上念 国籍選択宣言の前はずっと嘘をついてたってことですから、何も解決してないですよ。舛添さんが、いま小池さんを指摘したのと全く同じロジックで、過程の部分が今問題だって言ってるんだぜ、と。

選択したから解決したっておかしくない? と。これまで思いきっり嘘ついてたじゃん。これ全く解決してないですよね。

青山 それで大臣もやってたっていうことになりますしね、彼女も割と「中国籍も持ってる」みたいなことを売りにしているような発言もメディアとかでしていたってことが後から分かってきてますからね。

だって名前も日本名じゃなくて蓮舫で出してるっていうこと自体に、彼女の意識が表れてるといえば表れていますよね。

舛添 それと今の政党のもね、最初から立憲・共産の推薦って出しちゃったんですよ。途中で若干こうぼやかしたけど。だけど「共産党だけは絶対嫌だ」っていう有権者が圧倒的に多いんですね。

だから裏でこっそり支援してもらうのはいいけど、表に出すのはいかがなものか。共産党が支援するから、連合が逃げちゃうわけですよ。そういうのをなんで最初にわからなかったのか。

だから小池さんの方は、自民党の色出しちゃうと裏金問題で叩かれるからって、裏でこっそり確認団体でやるようなことやってますね。そこの戦略もちょっとまずいなっていう。

青山 そうですね。東京15区の戦いで、割と共産党が候補者下ろして支援してもらって勝てたっていうところで、東京はやっぱり共産党の票が多いから、共産党にちゃんと応援してもらった方が得だっていう考えがどうやらあったようなんですけれども。

上念 多分ね、私はね、蓮舫さんの本当の目的は都知事じゃないからだと思いますよ。

青山 というと?

上念 多分ね「松原仁狩り」です。東京26区で衆院選に出る。

上念 これでブーストして、まあ受かったらラッキー、ダメなら松原仁を狩りに行くと。むしろこっちが主目的じゃないですか? 抜け忍は許さん、みたいな。

青山 となると、共産党と組んでいたほうが、その後の座組にちゃんと反映されるのかな、みたいな?

「自民党の劣化」が進んでいる?

青山 ただ一方でね、政権与党の自民党も推薦も出せないでステルスっていうのも、ちょっと情けない話ではありますよね。

舛添 そう。国政を握ってる政党が、自分の候補を立てないってのはおかしいんですよ。私が出た時は最初から「自民党と公明党の代表だ」って出てますから。

青山 応援演説とかされてましたもんね。

舛添 安倍さんと、公明党の代表も来てやってました。それがないっていうので、だからどこまで岸田内閣の政治とカネの問題のこの逆風が影響するかって、全くゼロではないと思いますけどね。それも1つの見所だと思います。

青山 最後ですが、自民党の劣化っていうのが、私も甚だしいと思うんですよね。東京15区でも推薦できない。長崎でも候補者出せなかった。上念さんはこの自民党の劣化についてはどのようにご覧になってますか。

上念 私はですね、この劣化して再生するっていうサイクルが自民党の歴史だと思ってるので。いみじくもこの収録日の前日に菅さんがね、もう岸田さんちょっとダメなんじゃないかみたいな、狼煙をあげたということなんで、何かあるんじゃないかと。

若手は人材豊富ですよね、実際に今日ここに来る前に実は鈴木英敬さんと会っていたのですが、彼なんかすぐ大臣できそうなぐらい。

青山 知事経験者ですからね。

上念 当選1回ですけど知事12年もやってるんで、全然もう行政いけますよね。だから、そういう人ゴロゴロいるんで、なんかの拍子にバって出てくると、一気に「もうあれは全部岸田が悪いんだ」みたいなことになって。禊が終わってしまうと。これの繰り返しですよね。

自民党ぶっ壊すって昔小泉さんやりましたけども、あれをまたやる、それだけの多様性を持ってるのが自民党なんで。そういう意味で「劣化」と叩くのは僕はいいことだと思います。そうすると自民党が生まれ変わるんで。

青山 この都知事選の結果も、もしかしたらそういうことにつながっていくかもしれません。この辺りで第1部は終わりにしまして、第2部では都政が都知事選を経てどう変わって行くかについてまた話を進めていきたいと思います。

(楽待新聞編集部)