青春の奇跡が守った日常   作:馬刺しユッケ

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ちょっとオリキャラ要素があります。苦手な人はご注意を
キリノってポンコツのイメージがあったんですが、絆ストーリーとかを読み返すと射撃以外の成績はかなり良く、体術はかなり強い知って驚きました


より良い警察官を目指して

「準備完了!今日のパトロールに行ってきます!」

 

「お〜、いってらっしゃーい」

 

ドーナツを咥えるヒビキに見送られながら、今日も街の人の安全を守るためにパトロールに出かけます

 

「お巡りさん、いつも頑張ってるね」

 

「今日もよろしく頼むよ」

 

「はい!皆さんの生活の安全は本官が守ります!」

 

「頼もしいね〜」

 

街の人と交流をしながら行っているこの毎日のパトロールですが、最近は少し楽しみが出来たんです

 

「あ!キリノちゃん!」

 

その声と共に少女が本官の下へ勢いよく飛び込んできました

 

「フィルちゃん!」

 

私はその勢いのまま少女を抱きかかえ一回転します

 

「キリノちゃんは今日もパトロール?」

 

「そうですよ」

 

「今日もついて行っていい?」

 

「もちろん!でも危ないことがあったらすぐに離れるんですよ?」

 

「うん!」

 

フィルちゃん、D.U.シラトリ区にほど近い中学校に通う2年生の少女、3週間ほど前に迷子になっているところに出会ってから、懐かれています

出会うたびにパトロールについていきたいと言い出して、最初こそあぶないからと断っていましたが、根負けして、1週間ほど前から同伴を許可してしまいました

そうしてフィルちゃんと一緒に商店街を歩いていた時

 

「おぉ!キリノちゃん!調子はどうだい?」

 

「八百屋さん、元気ですよ!」

 

「そいつはよかった、今日も嬢ちゃんと一緒かい

そうだ!リンゴ、サービスしとくよ!一緒に食いな!」

 

「いえいえ!いつも何かしらいただいてるのに悪いですよ!」

 

「子どもなんだからそんなこと気にしなくて良いんだよ!好意はいただいておくもんだぜ?」

 

そう言われリンゴを2つ、半ば強引に手渡されました

 

「今日も頑張ってくれよ!」

 

「はい!」

 

「………キリノちゃん、あそこの前を通るたびに何かもらってる」

 

「あはは…」

 

あの八百屋さんは良い方なんですが、出会うたびに野菜やフルーツを渡してくるため、冷蔵庫の中が野菜でパンパンなんですよね…

 

「そろそろ断り方を確立しなきゃとは思ってるんですがね…」

 

「ふーん」

 

そんな事を考えながら本官たちはシャリシャリとリンゴを食べる音を鳴らしながらパトロールを続けていく

 

──────────────────────

 

街行く人と会話をしながら歩いていると、空腹感が湧いたためスマホで時計を確認すると、時刻は12時を回ろうとしていました

 

「そろそろいい時間ですし、お昼にしましょうか!」

 

「うん!」

 

「先日、美味しいお店を見つけたので、期待しててくださいよ」

 

そして着いたのは中心街から少し裏路地に入ったところにある中華料理店だった

 

「ここ?」

 

「はい、そうですよ。では、入りましょうか」

 

あいにくテーブル席は空いていなかったため、2人でカウンターに座り、メニューを開く

 

「この店はラーメンはもちろんおいしいのですが、特に炒飯がおいしいんですよ」

 

「本当?じゃあ炒飯セットにしようかな」

 

「分かりました!大将!ラーメンセットと炒飯セットをお願いします!」

 

「ラーメンのサイドは?」

 

「半炒飯で!」

 

「あいよ」

 

注文を終え、料理を待っていると

 

「キリノちゃんってこういう店よく知ってるよね」

 

「そうですね、やっぱりいつも街をパトロールしてるとこういったことが日々の楽しみになっていきます。そうやって過ごしていると、少しづつ街の皆さんの過ごしている日常の景色を守りたいって思うようになるんです…

って、話が逸れちゃいましたね」

 

「ううん、かっこいいよ」

 

「へ!?ほ、本当ですか!?」

 

「うん!」

 

「え、えへへ…」

 

かっこいいと言われて、恥ずかしさを誤魔化していると

 

「へいお待ち」

 

「あ、ありがとうごさいます」

 

料理が運ばれてきた

 

「それじゃあ、食べましょうか…」

 

「うん!」

 

「「いただきます」」

 

パクッ

 

「お、美味しい…」

 

「でしょう!美味しいんですよ!」

 

美味しいと喜んでもらい、紹介して良かったと思っていると

 

コトッ

 

大将から無言で餃子が4つのったお皿を置かれました

 

「…頼んでいませんよ?」

 

「いつも頑張ってるからな、お礼みたいなもんだ」

 

「…ありがとうございます」

 

「おう」

 

とはいえ4つは多いですね…

 

「半分あげますよ」

 

「いいの?」

 

「はい、少し多いので」

 

「ありがとう!」

 

こういったことがあると本官のやってきたことは意味があったと感じれて嬉しくなってしまいますね

 

パクッ

 

「美味しい…」

 

「良かったねキリノちゃん」

 

「はい!」

 

そうやって騒がしくしていたからなのか、本官はこっちを憎たらしげに見てる人たちに気づけなかった

 

─────────────────────

 

食事を済ませ、他愛もない会話をしながらパトロールをしていると、太陽が傾いているのに気づいて時計を確認すると時刻は午後5時に差し掛かろうとしていた

 

「もうこんな時間ですね、今日の所はそろそろ帰りましょうか」

 

「ほんとだ、いつの間に…うん!私も帰るね」

 

「はい、気をつけて帰るんですよ?」

 

「うん!明日もまたよろしくね!」

 

そう言って彼女の駆けていく姿を見送り、さて私も帰ろうと思った時、明日は非番だったことを思い出す

 

「あっ…」

 

明日になってそのことを知って悲しい顔をさせるのも忍びないと思い、急いで振り返るとそこには

 

2人のロボット市民に体を必死によじらせながら腕を無理やり引かれて路地裏に連れ込まれる彼女の姿があった

 

「…っ!…フィルちゃん!!!」

 

脳が理解すると同時に本官は弾かれたように走り出しました

いざ、こういった現場に出くわすと逆に冷静になったのか同じく生活安全局のフブキに無線を飛ばします

 

「フブキ!こちら中務キリノ!中学2年の少女の誘拐事件発生!場所はD.U.シラトリ区コーギータウンのカイザービルの裏路地!犯人は最低でも2人!応援を要請します!」

 

「え?キリノ!?」

 

フブキの困惑する声を最後に無線を切り全力で走る

裏路地の入り口につくと何人かを正確に確認するためにのぞき込み、再び無線を繋ぐ

 

「こちら中務キリノ、犯人はおそらく4人」

 

「…分かった、応援に向かうから、できれば交渉して時間を稼いでおいて」

 

「了解」

 

指示を聞いて無線を切ると、ゆっくりと路地に入る

 

「誰だ!ってさっきのやつか」

 

「っ!キリノちゃん!」

 

「なんでこんなことを…」

 

「なんでって、お前らに恨みがあるだけだよ」

 

「恨み?」

 

でもそれではなんで彼女に手を出すのか、意味がわからない

 

「なら私たちに直接やればいいのではないですか?」

 

「それじゃあお前らを苦しめられないだろ、お前が仲良くしてるコイツを痛めつけると、最高にスッキリしそうだからな」

 

「なっ…」

 

それは本官にはとてもじゃないが許せるものではなかった

怒りに任せて本官はホルスターから銃を抜き犯人たちに向ける

 

「その子を離して手を上げてください!」

 

「そいつはこっちのセリフだね、お前がその銃をその場においてこっちに蹴ろ、もう片方のホルスターの中のもな、コイツがどうなってもいいなら別にそんなことしなくてもいいがな」

 

そう言うと犯人たちの2人は両側から彼女に銃を突きつけた

 

「くっ…」

 

人質をとられている以上本官は従わざるを得ず

銃を地面に置き犯人に蹴り渡す

 

「そうそう、大人しくしてればいいんだよ」

 

「キ…キリノちゃん…」

 

その時犯人のうちの1人が言い出した

 

「なぁコイツをここで痛めつけとこうぜ」

 

「いいなそれ、このガキと仲良さそうにしてたし、見せつけてやろうぜ」

 

その言葉を聞いたフィルちゃんは絶望したかのような表情をしたと思うと

 

「や、やめて!」

 

今にも泣きそうな目をしながら叫びだした

 

「あ〜その顔いいねぇ、それじゃあ早速」

 

と言いながら本官の近くに2人近づいてきた

そして本官の腕を掴む

 

「それを待ってたんです」

 

「は?」

 

腕を掴んできた犯人をそのまま巴投げをする

 

「うわっ!」

 

投げ飛ばした犯人を見送るともう1人を足払いし頭を強打させ、痛みで呻いている間に手錠をかける

 

「何してるんだお前ら!」

 

驚いている残りの2人に向かって駆け出しながら警棒を抜く

 

呆然としている片方のロボット市民に手に向けて警棒を振り抜き、銃を落とさせる

 

「痛った!」

 

そのままもう1人の銃を叩き落とす

流れで犯人の1人を警棒で殴り、意識を刈り取る

あと一人と思ったところで

 

「おい!コイツがどうなってもいいのか!」

 

「き…キリノちゃん…」

 

首にナイフを突きつけられてるフィルちゃんの姿があった

 

「っ!そのナイフを離してください!」

 

「誰がそんなことするかよ!もういいコイツだけ連れて行く、動くなよ!」

 

どうしようもなくなり、連れて行かれる彼女の目を見る

 

(隙を作ってくれたら本官がどうにかします!どうか本官を信じてください!)

 

彼女に伝わることを願いながら

 

「っ!」コクッ

 

伝わったのか、小さく頷いたかと思うと彼女は全力で犯人の腕に噛み付く

 

「痛ってぇ!」

 

痛みに驚いた犯人の腕が緩んだのか逃げ出した

それと同時に本官は駆け出し、その勢いのまま顔面へ蹴りを叩き込む

 

「ぐぁっ!」

 

蹴り飛ばされた犯人の下へちょうどフブキ達が駆けつけた

 

「キリノ、犯人ってコイツ?」

 

「そうです!」

 

「オッケー、犯人確保〜」

 

─────────────────────

 

その後全員が確保されたのを確認すると、フィルちゃんの下へ駆け寄る

 

「フィルちゃん、怪我はありませんか?」

 

「うん…大丈夫」

 

少し返事の歯切れの悪いと思い、彼女を抱きしめる

 

「怖かったですね…もう大丈夫ですよ…」

 

「うん…ありがとう…」

 

すると彼女から強く抱きしめ返される

本官の胸元が少し湿ってきているのを見て見ぬ振りをして、そのまま抱きしめながら撫でていると彼女も落ち着いてきました

 

「もう大丈夫!ありがとうキリノちゃん!」

 

「よかったです、本当に怪我はないですか?」

 

「うん!」

 

「安心しました、今日はもう疲れたでしょうから帰りましょう、今日は送ってあげます」

 

フブキに彼女を送る旨を伝え、許可をもらいます

 

「では、行きましょうか」

 

─────────────────────

 

「ありがとう、ここが家だから、もう大丈夫だよ」

 

「よかったです。そうでした!伝え忘れてましたが明日は私は非番なのでパトロールはしないです」

 

「そっか…分かった…うん…」

 

また彼女の歯切れが悪いと気づきました

 

「どうかしましたか?」

 

そう聞くと彼女は少し恥ずかしそうに告げた

 

「今日はとってもかっこよかった」

 

「え!?あ、はい、ありがとうございます」

 

その言葉に本官が顔を赤くしていると

 

「だから、私もキリノちゃんみたいなかっこいいお巡りさんになりたい!」

 

そう言われ、少し目を見開き、深呼吸をする

 

「はい、きっと良いお巡りさんになれますよ、その為にはまず今日の所はゆっくり寝ましょうね」

 

「あ、うん」

 

すると彼女は少し恥ずかしがりながら家に入っていく、本官はその背中に告げる

 

「待ってますよ」

 

その言葉が聞こえたのか肩がビクッ!と動き、背中を向けたまま

 

「待ってて」

 

という言葉が聞こえたのは気の所為ではないでしょう

本官もそのまま帰路につきます

 

「本官も頑張らないといけませんね」

 

─────────────────────

 

「それじゃあ、今日もパトロールに行ってきます!」

 

「なんか最近キリノ頑張ってるよね、なんかあった?」

 

フブキにそう聞かれると本官は言います

 

「もっと良い警察官にならないといけない理由が出来ましたから!」




書く立場になって分かったんですけど、小説書くのって難しい数万字とか書いてる方々は本当に凄いです。尊敬してます!
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