「女性しか雇っていないので」5年間で4回、性別理由に採用拒否された48歳男性…募る悔しさ
巧妙な「男性差別」
「男性差別」に苦しむ人もいる。同県久留米市の男性(48)はこの5年間で4回、企業から性別を理由に採用を拒まれた。 ある医薬品製造会社は、商品の箱詰めや運搬の求人情報を出していた。応募しようと電話すると、妊娠検査薬などの女性向け商品を取り扱うと説明され、「女性しか採用していませんので」と断られた。 別の食品製造会社は、大型の容器に入った小麦をかき混ぜる作業や、商品の運搬に当たる社員を募っていた。電話すると、「女性しか雇っていないので」と担当者。男性は「力仕事だから向いていると思ったのに」と嘆く。 社員の募集や採用で、性別を理由に差別することも均等法で禁じられている。ただ、求人票では性別を限定していなくても、女性だけを求めている-と感じることは多い。「『女性が多く活躍している職場です』と書いてあると、女性しか雇わないんだなと思う」。法律のルールをすり抜ける巧妙さを感じる。 不採用の理由はいつも「女性しか採用していないから」だけ。それ以外に明確な説明はない。「仕事をする上で、性別は関係ないケースもあると思うんですが…」。悔しさが募る。 (編集委員・河野賢治)
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