「セフィリアの使命Ⅱ」(3.囚われ)

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 月光が,灯りのない部屋に差し込んでいる。
「あ…はぁ……はあ…ぁんっ…ぅ……ん…んぁっ」
 赤と茶色を基調とした,豪奢なつくりの部屋に響く,懸命に抑えながらも漏れ出る女の吐息。
 ペルシャ調の絨毯の上には,先ほどまで女が身に着けていた白を基調とする屋敷の制服,そして華麗
なランジェリー類が無造作に散らばっている。
 そして…満月の見える大きな出窓の前には,窓を正面にして座らされている美貌の女が,月明かりを
浴びる裸体を銀に浮き立たせていた。
「セフィリア殿…ふふふっ……この2週間で,随分と敏感に反応する体になったような気がしますが…
如何ですかな? ご自分の中の『女』の心地よさに,身も蕩けるようでございましょう? そろそろ,
この快楽に全てを委ねて,思うがまま楽しみませんかな?」
「んっ…く…はぁ…ぁぅっ……随分と…勝手な妄言ですね…んっ……答えるに値しません…」
 セフィリアは,努めて平静を装う表情で,男を冷たく静かに見つめた。
 しかし,震える唇と微かに痙攣する腰が,セフィリアの静かならざる内面を示している。
「ふむ…やはり,貴女は素晴らしい」
 男は,満足そうに目を細めた。
 この2週間,セフィリアは性奴隷としての扱いを受け入れ,こうして連日連夜の凌辱にも応える姿勢
を見せている。
 あくまで表面上は,だ。
 また,言葉ではこうして抗う姿勢を見せてはいるものの……それも,一興だ。
……これを……ベッドの上で,散々に乱してやるのは最高の楽しみだからな……
 素っ気なく冷淡な態度を見せつけてくる美貌のセフィリアだが,この2週間,ベッドの上で毎夜繰り
返される行為に,その誇りを保つことができたのは,ただの一度もなかった。
 キュッと結んでいたはずの唇は,いつしか切羽詰まった喘ぎを零し…
 悔しげな表情をこちらに向けたまま,細い腰はビクビクと性感の昂ぶりを見せ…
 ついには,延々と突き入れられる男根の責めに,背を弓なりに反らせて絶頂を訴える。
 否定したくとも否定などできない,自分の体というものを思い知らされてきたはずなのに,いまだに
負けまいとするセフィリアの気高さは,『男』をますます興奮に煽り立てる。
「ふふふっ,しかし…確かに,男女の交わりに言葉など如何ほどの意味もありませんな。知りたければ
体に聞けと? いや,セフィリア殿の仰る通りです。では,その通りにさせていただきましょう……さ
て…今夜のココはいかがでしょうなあ?」
 市長は,壁棚に腰掛けるセフィリアの長い両脚を,自分の左右の肩に抱え上げ,顔をゆっくりとその
中心へと近づけていく。
「…っ……く……ぅっ」
 剥き出しになっていく女のソコを護ることもできず……セフィリアの唇から,悔しげな戸惑いの声が
漏れた。
「汚らわしい欲望をもった男に,秘めたココを好きなように嬲られ,何度もイクまで犯される……ふふ
ふっ,意外と興奮するものでしょう? 実は,これも悪くないのではありませんか?」
「何を勝手なことを…っ…………んっ!…く,くっ……はあぁ…ぁっ!」
「おや? ついに今夜もイヤらしい声が出てしまいましたぞ? 随分と男をそそる声ですな。もしかし
て,セフィリア殿はイヤらしくも,ココを舌責めされるのがお好きとか? ほれほれ…違うと仰るので
あれば,今夜こそは,もっと耐えてご覧なされませよ」
 開かれた両脚の中心に,市長の顔が埋められる。
 太い舌先が,濡れた入り口を割って潜り込んできたのを感じると,セフィリアは堪えることもできず,
宙に浮いた細く長い両脚をぶるぶると戦慄かせて声を上げた。


……これは,受け入れるしか…ないのです……
 セフィリアは,自分に言い聞かせるように胸に呟く。
 この2週間,逃げる隙はいくらでもあった。
 セフィリアの部屋には,一応の鍵がかけられているものの,外そうと思えばすぐにでも外すことがで
きる。
 外に面した壁の中央には,大きな楕円形の窓があり,時の番人であるセフィリアにしてみれば,いつ
でも破って逃げてくださいと言わんばかりのものでしかない。
 それでも……セフィリアは,留まることを選んだ。
 毎回の食事に,自分の『女』を強く刺激する,薬物が入れられていることも承知の上だった。
……私を…過小評価しているこの状況は……好都合ですから……
 自分を,多少の腕が立つ程度の女と侮っていることは,邸宅内部の警戒の薄さから明確に見て取れた。
 偽装でもない。
 つまり,市長は自分のことを,ほとんど脅威とは考えていないのだ。
……ならば……小事などにこだわらず,留まらねば……
 その油断を利用して,セフィリアは1週間ほど前から,夜中に邸宅内部を探り始めている。
 市長の邸宅である以上,決して無警戒ではないのだが,さほどの困難を感じるほどのこともなかった。
 その気になれば,いつでも脱出できる。
 だから,もう少し……懐に潜り込んだ立場を利用して,できるだけ深く内情を探る。
 このまま,この市の薬物の汚染状況を調べ,市長とコンタクトを取っているマフィアの尻尾を掴み,
そして……
……必ず,根絶やしにします……
 セフィリアの,静かな胸の内に火が灯っていた。
 それができれば,クロノスの掲げる世界平和は一気に加速する。
 1つの駒でしかない自分にそれができるのならば,何を犠牲にしてもかまわなかった。
……たとえ,市長の自由にされる毎日を送ろうとも……必ず……
 セフィリアは,唇を噛む。
 あのような低俗な男に,素肌を自由にされるなど,女としては鳥肌が立つほど嫌だった。
……ベルゼー……すみません……
 このようなことをしている自分を,あの男はどう思うのだろう。
 きっと,体を張ってでも止めてくるのに違いない。
『No1の貴女がやる必要はない。それは自分たちの仕事だ』と。
 あの険しくも優しい顔に,哀しい色をつけてしまうことが悲しい。
 『女』として考えると,胸の奥が熱くなってくる。
 けれど……自分は,クロノスの駒でしかないのだ。
 そして,任務が下された。
 女としての個人的な感情など,取るに足りない小さな問題でしかない。
 これは,自分以外では誰にもできない,重要な任務なのだから。


「もう頑張るのは終わりですか? 昨日にもまして敏感なイヤらしい反応で…セフィリア殿ともあろう
お方が,いったい今夜は何度イッたのですか? さて…次はどうして欲しいですかな? ずっと敏感な
処を舐められ続けると,早く男の硬いモノを挿れて欲しくて堪らなくなってくるでしょう?」
「下品な……っん……うぅ…んんっ」
 度重なる絶頂に,性感を昂ぶらされ熱い疼きを訴える秘部……その入り口だけを,クチュクチュと指
で浅く捏ね回し,市長は意地悪に問いかける。
「ほれほれ,セフィリア殿のココ,私の指を入れられてグチャグチャとイヤらしい音を立ててますよ? 
可愛らしい乳首もこんなに硬くなって,立派に女の悦びを感じているではないですか? ふふっ,正直
になったらどうです? こんなのじゃなくて,もっと太いモノで,奥まで強く責めて欲しいのではない
ですか?」
「あぁ…っんぅ……そのようなこと…しても……私は……決して……んんあぅぅっ」
 眉根を寄せて抗うセフィリアの表情に,市長は興奮の色を強く浮かべる。
 セフィリアの感じていることを示す艶やかな貌と声は,秘部を弄る市長の手を押さえ止めようとする
その仕草と相まって,強烈なまでに扇情的だった。
「この2週間,貴女を護衛役としていろいろなところに連れ回しましたが,もう問い合わせが大変なの
ですよ。あの女は誰だ,どこの家の者だ,契約はいつまでなんだ,それとも借金か何かのカタになって
いるのか…とね。もちろん,市長レベルの者は,セフィリア殿と顔見知りですから,それはもう,実は
別人なのですよと言い含めるのが大変でした」
「それ…は……」
「みんな,セフィリア殿の美貌にあてられたようですな。それで,私は言ってやったのですよ……あの
女は,もう私のモノだとね。私の言うことだけを聞く女だと。くくくっ…欲望を丸出しにした皆の顔は,
まったく見ものでしたよ」
 市長の話の内容には,セフィリアにも憶えがある。
 市長,議員,企業や土地の有力者と様々な男たちとの会合に,連れて行かれたときのあの嫌な感じは
それだったのか……セフィリアは,ようやく自分に対する目に気付く。
 ベタベタと,遠慮もなくまとわりつく視線。
 今までは,自分に向けられる視線としては,感じることのなかった気持ち悪さだった。
「男はですね,どんなにイイ女でも,遠すぎては興味が湧かないもんなのです。時の番人として,クロ
ノスの一席に並ばれていたときのセフィリア殿が,まさしくそうでしょうな。近寄れば斬られるような
存在でしたから。それが,どうにかすれば手が届くかもしれないという身近なところに降りてくると,
途端に欲しくて堪らなくなる……多少の無理をしてでもね。セフィリア殿,貴女は今,ちょうどそう言
うところにあるのです」
 市長は,ニヤニヤと笑みを浮かべる。
 よいオモチャを手に入れたことをひけらかし,愉悦に浸る愚かで低俗な男…
 この汚らわしい男の言わんとするところが,セフィリアには何となく分かった。
……何て,下劣な男……
 恐らく……これから自分は,いろいろな男たちの羨望と欲望を煽るようなことをさせられる。
 この体を使って…
 市長の言い方でいけば,60日間は市長の女という立場にある自分が,時の番人のセフィリアと気付
かれれば……何とかして市長に取り入り,その手にかけてみたいと望む権力者たちが数多いるというこ
となのだろう。
 そして,自分の『女』としての価値を高めるだけ高められ……市長の悪辣な取引に,有利なカードと
して使われるのに違いない。
「私が……貴方が考えていることを…受け入れると思っているのですか…?」
 自分が受け入れたのは,60日間,市長の性奴隷となることだけ。
 これ以上の屈辱を,受け入れるわけがない…
……欲をかき過ぎると,命はありませんよ……
 静かな怒りが胸の内に満ち,セフィリアは市長を見上げる。
 しかし,市長は涼しげだった。
「何のことだか,お解りのようで。流石はセフィリア殿……くくくっ,そうですな。確かに,約束して
いた内容とは違います。しかし…ふぅむ,勿体ないですな。何人もの権力者たちに,是非にと求められ
るなど,誉れ高いセフィリア殿くらいしかないのですよ? クロノスを辞されたセフィリア殿が,甘く
男たちに望めば何でも手に入ると思うのですが……では,お受けにはなりませんかな?」
「そのようなこと,当たり前です」
「では,仕方がありません。結構です。この話はなかったことに」
 涼しい顔のまま,あっさりと引き下がった市長の態度……セフィリアは,思わずまじまじとその目を
見つめた。
 予想外……潔いというよりも,かえって疑念の方を抱いてしまう。
 もう少し,あれこれと言い募り,追い詰めようとしてくるはずだと考えていた。
……本気……なのでしょうか……それとも何かを……
 セフィリアは,疑念を強くして市長の表情を読もうとする。
「ふふふっ……受けてもらった方が,私としては都合がよかったのですが,拒否されてもまったくかま
いません。いえ,むしろ安堵しているのですよ。それはそれで,セフィリア殿を独占できるのは,私に
してみれば最高であることには変わりありませんからな」
 破顔する市長の,露骨に嬉しそうな態度……嘘をついているとは感じられないが,到底白ではあり得
ないことははっきりと分かる。
……もしかすると…私は,この人物の評価を見誤っていたのかもしれない……
 この人物をもう一度洗い出す必要性……セフィリアは,強く感じていた。

 セフィリアの内心を肯定してか否定してか,市長の淫戯は今夜も調教というレベルで一つの到達点を
迎える。
「セフィリア殿は,ココを責められるのが弱いご様子。時の番人としては,もう少し弱点を克服された
方がよろしいのではありませんかな? では,今夜は別の処も調べてみますか? ふふふっ,私がご協
力しますぞ」
「ぁっ…」
 これ以上は我慢できないとばかりに,市長はセフィリアに背を向かせ,窓に手をつかせた。
 美しく均整の取れた裸体が,市長の目を楽しませる。
 月の光に照らされた,なだらかな背中…
 細くくびれた腰と,左右に張り出すヒップ…
 銀色に浮き上がる尻は,中央に奔る細い溝の陰りまで曲線美に溢れ,見るからに柔らかな輝きを放っ
ているかのように見える。
 市長は,目の前の腰の双丘を大きく掴み,強引に自分の腰の方へと引き寄せた。
「まったく,美しい眺めですな。あの男たちは今頃,どうやればこの体を自分のモノにできるかと考え
ていることでしょう。くくくっ,気分がよいものですな。誰もが涎を垂らすほど欲しいと思うイイ女を,
私だけが自分のモノとしている……毎晩毎晩味わっているというのに,コイツが熱く滾らない日がない。
セフィリア殿,貴女の味は,まったく最高です」
 欲望に滾った男根が,ヒップの奥に隠れた小さな口に押し当てられた。
「な,何を…っ…」
 同時に,もう一つの秘めた唇にも,ウネウネと蠢く先端をした何かが沈み込もうとしてくる。
 ビクンと体を敏感に反応させて問うセフィリアの声に,市長は好色さをますます強く表して答える。
「心配はいりません。先ほどの特別製のローションプレイで,私のモノはまだヌルヌルしてますからな。
それから,コチラの方は,やはり特別製のバイブというやつです。女たちの話によると,コイツもなか
なかの逸品で凄いらしいですぞ。中程はS字にくねり動き,先端は細かく振動しながら,当たっている
処をグリグリと擦るように責めてくれます。それに加えて,膣内にありながら,クリトリスの裏側まで
ビリビリとした振動が響くらしくて,最近ではコイツを見るだけで子宮が疼いてしまうというもっぱら
な話でして……ふふふっ,今夜は初バイブ,初アナル,そして初の前後からというやつですな? そう
いうわけで,今夜は,いつもより特別に,念入りに,ゆうーーーっくりと味わっていただきましょうか。
前も後ろも同時に」
「そんなこと…駄目です……や,やめ…っ」
「こういうことで狼狽なさる,時の番人のセフィリア殿というのも非常に可愛らしいですが,大丈夫で
ございますよ。今夜のモードは『弱』のみです。ふふふっ……それはそれで,別の意味で堪らなくなる
のは確実ですがな…しっかりと,時間をかけて,もうイヤと言うほど,この味のよさを教えて差し上げ
ますよ。では…今夜も…たっぷりと啼いていただきますぞ。時の番人のNo1,セフィリア殿」
 熱く昂ぶった市長の男根が,小さな入り口を押し開くように,侵入してくる。
 入るわけがないと思われたソレは……どういう手腕か,意外なほどに痛みもなくスムーズだった。
 そして,前からも…セフィリアを初めて責め上げるモノが,熱い蜜の中心を掻き分けながらヌルヌル
と埋め込まれてくる。
「っん!…んううぅっ…ああ……あぁ…ぁっ……そ,そんな…っ……ん,んんあぁっ!」
 体を,内部から支配されていく感覚。
 ゾクゾクとしたものが込み上げ,セフィリアは背を弓なりに反らして声を上げた。
 上げずにはいられない。
……ああっ……奥まで……奥まで…入ってくるっ……前からも,後ろからもっ……
 窓についた手が,月光に光るガラスを掻く。
「あぁ…んんっ!……っああんん…っ」
 言葉の通り,市長のゆっくりとした腰の動きに,激しさはまるでなかった。
 膣内に潜り込んだバイブも,ゆっくりとくねる動きで膣内を掻き回す。
 それでいながら,肌が泡立つような快感がゾクゾクと寒気を伴って迫り上がり,前後から同時に最奥
を突かれると,全身に痺れるような快感が閃く。
 次第に……セフィリアは,ウズウズとした焦げ付きに近いものが,自分の腰に広がり始めるのを感じ
ていた。
 激しく強い快感の代わりに,やってきたもの。
 それは,体の欲情だった。
……これでは……また……今夜も……
 自分の体が,異常なまでに昂ぶっていく……喘ぐセフィリアは,観念した。
 感じることなどあり得ないと思っていた異常な行為なのに,前後から同時に責められることが,相乗
効果があるかのように,こんなにも自分をおかしくしてしまうとは思いもしなかった。
 望んでもないのに,自分が経験したことのない淫らな性戯を与えられ,自分が今まで知らないでいた
快感を思い知らされる毎夜。
 今夜もまた……最後には,自分から腰を動かして,強い快感を求めてしまうのだろうか。
……こんな…ことっ……考えられない…ことをっ……されているのに…っん,あぁんっ……
 バイブと,市長の腰の動きが焦れったい。
 思わず,男根の侵入に合わせて,自分の尻が迎え入れる動きをしてしまう。
「あっ,ああぁ…っ!」
 ただそれだけで,快感の痺れが,一際強く頭に閃いた。
……とても,抗えない…っ……
 行為に,そして教えられる快感に夢中になっていく。
 今夜は,いったいどれほど味わわされるのだろう。
 窓に映る自分の顔を見ていられず,セフィリアは目を逸らし,横を向いた。



 翌日の午後,市長の執務室に,凜としてたたずむセフィリアの姿があった。。
「次の,各市長や議員たちが参加するパーティーで,公開演技に剣士として出場したいと……そういう
ことですかな?」
「そうです」
「セフィリア殿……セフィリア殿ほどのお方であれば,それが何を示すものか,意味をご存じであると
思うのですが?」
 探るような市長の表情に,セフィリアは躊躇なく首肯する。
「もちろん,分かっています。公開演技とは都市間交流の一環で,様々な都市からの演技を観覧し,そ
の中で学びたい内容があれば,必要を感じた市長が派遣を依頼してくる。期間は,数日間から1週間。
内容は,武術の訓練から科学技術の講演まで幅広くあり,つまり私の演技から,剣術の師範役としての
派遣依頼がくる可能性があるということですね」
「……なるほど。よくご存じの様子。失礼いたしました」
 市長はにこりと笑って,慇懃に頭を下げる。
 セフィリアが示してみせたのは……表向きの内容だった。
 実際は,そのような綺麗な内容であるはずがなく……市長や議員たちが,自分の欲を満たすために,
大金になる技術やモノを売ったり,差し出したり,その見返りに美女を『担当者』として派遣,貸し出
したりということが,裏では堂々と行われていた。
 つまり,剣術師範とは表向きであり,実質はセフィリアの権力者たちへの貸し出しということ等しい。
『昨夜は,即座に拒否されたのに,いったいどういう心変わりですかな?』
 とは,市長は尋ねない。
 本来はすべてを知っているはずのセフィリアが,表向きの言葉で返してきた以上,それに関わる一切
を了承しているということだった。
 何人もの市長や議員が,セフィリアを求めるだろうこと…
 セフィリアの貸し出しを条件の上乗せにして,市長が『商談』ともいうべき何かしらの取引を有利に
進めるであろうこと…
……まさか,昨夜の今日で,受けるとは思っていなかったでしょうね……私自身もそうですが……
 訝しく思うだろうが,しかし,これは市長にとって,願ったりという話であるはずだった。
 ただ,自分が受け入れたねらい……市長の猜疑心を小さくするためにも,何らかの理由付けは必要だ
ろう。
……私を餌に取引をする相手ならば,必ずそこに,何かしらの薬物の繋がりがあるはず……
 相手の懐に入り込み,調査し……繋がるすべての箇所を,クロノスの総力で潰す。
 それは,昨夜の市長の話から考え抜いた,セフィリアの新たな決意と覚悟なのだった。

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