「セフィリアの使命Ⅰ」(4.嬲り -2-)
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第1回
朝もやの中,静寂な山中に,突如として爆発音が轟いた。
地鳴りを伴う凄まじいばかりの轟音は,付近の住民のみならず,立てこもりの監視・及び警戒中
にあった警官たちの心臓をも鷲掴みにした。
数度の爆風と共に,吹き飛んできた土砂,木片,コンクリが,警官たちを頭上から激しく打ちつ
ける。
「何だ!! 何が起こった! 犯人たちの襲撃かっ!!」
戦場さながらの,鳴りやまない割れんばかりの爆音に,恐慌をきたした警官たちは倒れ伏したまま
身動きすることも出来ず,ただただ頭を押さえて厄災の過ぎ去るのを祈り願った。
「お・・終わったのか・・?」
ようやく静けさを取り戻した付近の様子に,警官らは自らの無事を確かめるように,おそるおそる
顔を上げる。
「これは・・・何てこった・・」
目の前の光景に,警官たちは慄然とした。
自分たちは,とんでもなく巨大な敵を相手にしているのではないか,ついそんな気に囚われてし
まいそうになる。
「すぐに,本部に連絡だ! 犯人は爆薬を使用!」
我に返った警官らが,現場指揮所に駆けていく。
その背後では,クレーターかと見紛うほどの大きな穴が,円形を描いてポッカリと地面に空いて
いた。
付近には,もはや草すら生えていない。
しかし,そこはつい先ほどまで,村長邸と庭園が,どっしりとした存在感を醸し出していた場所
だった。
「どうせならよ,現場指揮所ごと,あの小うるさい警官どもを,吹き飛ばしてしまえばよかったん
じゃねぇのか? 屋敷を始末するだけで,あんだけの爆薬を使うなんてよ,勿体ねぇ」
「だから,お前は脳味噌が無いというんだ。警官どもの被害を大きくしてみろ,向こうも世間体と
いうのがある,必ず強攻策に出てくるぞ・・これ以上の犠牲を出さないためにとか言ってな。そう
なったら,人質もセフィリアも切り札にはならねぇ。これくらいが示威行為としてはちょうどいい
んだ」
カーテンを指で開け,不満そうなザッカスにジェイが応じる。
ザッカスは,頭を振って肩をすくめた。
「へいへい,分かっているさ。せいぜい,派手にびびらせてやるんだろ? その方が,俺たちが逃
走しやすくなるっていうんなら,俺は黙って従うだけよ。何でも言ってくれ」
外の喧噪をよそに,犯人たちは,これからの計画について打ち合わせを始める。
事態は,少しずつ進み始めていた。
第2回
連日,淫蕩な仕打ちを受け続けるセフィリアに,昼も夜も関係ない。
昼は犯人たちに犯され,夜は高官たちに,代わる代わるその甘美な体を弄ばれる。
「今日もよかったぜぇ,セフィリア様よ・・くく,今日も人質は助けてやらんでもないぞ」
「ん・・ふっ・・・あ・・ありがとう・・ご,ございます・・」
今日も,腰が抜けるほどに犯され続け,失神を何度も繰り返したセフィリアの体は,もうこれが
限界とでもいうように,ピクピクと小さな痙攣を四肢に起こしている。
だが,男たちの目はギラギラと光り,未だ欲望を満たし切った気配は無い。
股間のガチガチに硬く強張ったモノを誇らしげに見せつけ,サンドはセフィリアの長い脚を大き
く左右に開げさせる。
「ひひひっ,まだだぜ。まだ,このサンド様の,ブ太いモノを満足させてくれてないだろが・・
ほらよ」
「くっ,あっ,あぁっ・・んっくうぅっ」
体を割り覆い被さったサンドは,セフィリアの肩を抱え掴むと同時,その体の奥まで怒張を押し
入れた。
「へへへっ・・アンタの体,気持ちいいぜぇ。こりゃ,抱けば抱くほど夢中になるってもんだ」
「んん・・っ・・はぁっ・・いっ・・うっ,くっ・・あ,くうぅぅっ」
セフィリアの白い指が,シーツを掴み掻きむしる。
何度となく,ドロドロとした男の白濁液に体を汚されてもなお,微塵もその清らかさを失わない
セフィリアの美しさは,男たちをいっそうの滾る欲望に駆り立てるばかりだった。
そして,また夜が来る。
食事も終わり腹を満たした高官たちは『犯人たちに指示された,今夜のノルマ』を果たすべく,
シャワーで綺麗に身を清めたセフィリアを下着姿にさせていた。
ブラジャーとショーツを,僅かに隠すだけに身にまとった白いシルクのスリップ姿は,男の目を
楽しませる鑑賞物としては最高だった。
「ほら,セフィリア殿,どうぞお飲みください。これは,いい酒でしてな・・今日の疲れを癒して
くれますぞ」
「・・はい・・」
酒を飲ませ,仄かなピンクに色づいたセフィリアの体・・・スリップの裾から覗く太腿や胸元の
白い盛り上がりが,無性に『男』の欲情をそそる。
「あのならず者たちを相手に,今日もお疲れでしょう? 遠慮などなさらず,我々に体を委ねくだ
さい。我々が,その疲れを十分に癒して差し上げましょう・・」
必要以上の鑑賞によって,欲情を臨界点にまで高めた男たちは,セフィリアをソファの両脇から
挟み込み,その柔肌に淫らな手を這わせ始めた。
ぞろぞろと手が体にかかる。
「はっ・・ん・・ふっ」
素肌に奔る戦慄に,セフィリアは声を漏らした。
ブラジャーのカップの中に潜り込んだ手が,胸の膨らみを撫で回している。
生温かい手の感触が,やんわりと乳房を包み込むのを,セフィリアは声を殺してじっと耐えた。
「セフィリア殿の肌は,ほれ・・本当にお綺麗ですな。瑞々しく,手触りも申し分ない」
「まったく・・この体が,長らく男に触れられることがなかったなど・・何ともったいないことで
しょうな。ほら,このオッパイ,私の手に吸い付いてくるようですぞ」
「ふっ・・く・・くっ・・」
胸を揉まれながら,左右から挟まれた首筋に,2人の熱い息がかかる。
うなじから顎までを,チロチロと丹念に舌が這った。
更に,ソファに座る閉じた太腿にも手が這い始め,付け根に至るまでの美しいラインを,イヤら
しく撫でさすられる。
執拗なまでに,徹底した性感の同時責め。
高官たちのそれは,セフィリアがゾクッとするほどの巧みさだった。
指先に触れられる部分が,一々,セフィリアの性感に障る。
「はぁぁ・・・い,いや・・」
「ゾクゾクするくらい感じるでしょう? ふふふ・・・夜は長いですからな。今夜も,貴女をメロ
メロにして差し上げますよ・・・」
昼の野獣のような激しい陵辱とは反対に,夜は巧みさに長けた淫技に裸体を蕩かされる。
・・負けてはならない・・どんなに汚されようと・・
セフィリアは奥歯を噛みしめた。
その気高い精神は,未だ折れてはいない。
しかし,淫蕩な快楽を与え続けられる女の体は,欲望にまみれた男の言葉や指先に無意識のうち
に反応を始めてしまう。
・・く,くっ・・指先が・っ・・あぁっ・・
2人がかりで首筋を舐められ,胸と両脚を同時に撫で回されているとはいえ,ただそれだけで快
感と官能を感じ,簡単に潤み始める秘肉・・
男好きな体であるかのような自分の体が,セフィリアには,ただただ腹立たしく悔しかった。
長い睫毛を切なげに揺らす美しい顔に,男たちは胸を高鳴らせる。
「さあ,セフィリア殿・・いつまでも恥ずかしがらずに,この綺麗な脚を広げてくださいませんか
な? そうでないと,セフィリア殿のココをお慰めすることができませんのでな」
「ん・・そ・・それは・・・・」
高官の要求は,セフィリアに拒否権が無いことを知っている。
・・自分から,男たちに脚を広げるなど・・っ・・
しかし,セフィリアの羞恥と悔しさは,今や男たちに向けられたものではなかった。
耳に吹き込まれる淫らな言葉から,その後の悦楽を想像してしまえるようになった自分の体への
悔しさ。
軽く触られただけで,濡れ始めてしまう自分の体への羞恥。
すべては,この数日間で徹底的に教え込まれた悦楽を知ってしまったが故のことではあるが,自分
の体にそのような素質があったからなのだという思いが,セフィリアにはある。
・・私は・・どうすればいいのですか・・ハートネット・・
自分の姿に憧憬を抱く少年の瞳を想い,セフィリアは目を瞑った。
・・あの少年が,こんな・・今の私を見たら・・・何と思うのでしょう・・
自分に憧れる少年の前で,欲望のままに犯されている自分の姿が浮かぶ。
少年がまだ触れてはいないこの体が,男たちに寄ってたかって弄ばれている姿。
四つん這いで,そして騎乗位で・・・突き入れられるグロテスクな男根に,狂おしく喘ぎ悶えて
いる姿。
・・犯されているというのに・・悦びを感じてしまっている,私のこの浅ましさ・・・ハートネッ
ト,貴方はどう思うのですか・・
男たちの腕に抱かれる自分を,少年がじっと見つめている・・
「はああぁ・・くぅんっ」
その瞬間,頭が灼かれたようにカッと熱くなる。
一際,体に奔る快感を強く感じた。
それが,なぜなのかは分からない。
しかし,それは女の本能であるかのように,セフィリアの感情を熱く揺さぶっていた。
・・あぁ・・ハートネット・・そのような目で・・・
しかし,そうされたいという倒錯した願望は,熱い蜜を体の奥からとめどもなく溢れさせてくる。
「さぁ・・セフィリア殿の気持ちいいところを,今夜も探して差し上げますよ・・」
2人の男たちの手は,閉じた脚をそれぞれ自分の方に引き寄せて広げようと動く。
「・・ん・・く・・そんな・・ことっ・・はあ・・っ・・」
セフィリアは,男たちの求めに応じて,少しずつ脚を開かされていった。
「あ・・あ・・ぁんぅっ・・」
股間を広げつつ,左右それぞれの手が,太腿の内側を膝から付け根まで何度も往復して這い回る。
肌に淫らな感触を与えながら,手を秘部に徐々に近づけては,また離れていく。
・・この指の動き・・・何て・・イヤらしい感触・・・
何度も繰り返して触られる脚に,官能的な興奮が呼び起こされるのは無理からぬことだった。
セフィリアは,甘さを含んだ喘ぎが漏れるのを抑えることが出来ない。
男たちの指の淫戯に,羞恥は感じても嫌悪感はまるでなかった。
それどころか,明らかに自分を感じさせようとする指先の動きに,一気に体の芯が熱を持ち始め
るのを感じる。
「随分と感じやすい太腿ですな・・さぞ,今夜も期待していらしたのでしょう? ココを触られる
のを。それとも,もうココは,私のモノが欲しくてなりませんかな?」
「はうぅぅ・・っっ・・」
不意に腰から背筋を貫いて奔った電気に,セフィリアは背中を弓なりに反り返らせた。
スリップの裾から潜り込んだ高官の指が,ショーツの中心に触れていた。
続いて,反対側からも補佐官の手が,太腿から股間にスルスルと滑り上がってくる。
「どれどれ・・おぉ,もうこんなにココを濡らしていらしたのですか・・」
「あぁうぅぅっ!」
クチュッという水音がショーツの中で響き,更に強い電気が腰を痺れさせる。
理性が,頭の中で熔けていきそうな痺れだった。
・・いけない・・流されては・・この快楽に溺れてはいけない・・
だが,そう考えていること自体が,最高の興奮と快楽に繋がっていることにセフィリアは気づか
ない。
「ほぅ・・後から後から,ヌルヌルが溢れてきますな。コレが気持ちいいのですか?」
幾つもの指が,秘裂を擦り上げてくる。
「あくっ,んんうっ! あ,あっ・・んぅああぁっ」
セフィリアは,体を狂おしそうにくねらせ,男たちの指戯に耐えながらも高みに上り詰めていく。
・・だめ・・感じてはいけない・・こんなことに感じてしまっては・・
いけないと思えば思うほどに,快感は募り,どうしようもなく感じさせられてしまう。
セフィリアにとって,この状況は悦楽そのものだった。
「あ・・あ・あ・・・い,いやあぁ・・っ・・」
高官が,喘ぎ震える胸を露出させ,鮮やかに彩られた乳首に吸い付いている。
セフィリアは,身体を弓なりにしたまま,顔を左右に振った。
甘い声どころか,悦びに満ちた顔さえ,もう隠しようがなかった。
「くくくっ。イイ表情です・・セフィリア殿・・・」
高官は,ふっくらとした柔らかい秘肉に押し当てた指を,小刻みに震わせる。
指の動きとともに,セフィリアの体がビクビクと跳ねるが,抵抗する感じはまるで見えない。
グッショリと濡れた熱い泉が,グチャグチャと音を立てた。
「ほぅ,気持ちよさそうですな。日毎に,性感が強くなっているようですが・・もしかして,もう
イキそうになっているのですかな?」
「はあぁ・・っ・んんぅぅっ・・」
補佐官にも,尖り切った疼く乳首に吸い付かれる。
左右両方から乳首を吸われ,広げられた股間を捏ね回され,セフィリアは理性が熔け消えていく
のを感じていた。
・・も,もうだめ・・ハートネット・・・私っ・・も,もうっ・・
股間を這い回る2本の手・・10本の指が,ショーツの中に潜り込んでくる。
「はああぁうぅっ・・!」
ヌルヌルに濡れる秘裂に何本もの指が突き立ち,浅く深くえぐられる。
花びらを捲り上げ,泉の中心に侵入してくる指。
秘裂の上端に位置する突起にも,指先は触れてくる。
「そっ,そこはっ! そこはいけませんっ・・」
男たちの手首を掴み,股間から引き離そうとするセフィリアにかまわず,指先はその突起を押し
潰した。
「さあ,イカせて差し上げますよ。セフィリア殿の,最も弱い処を触って,ね」
「んっ! んんうぅっ! も・・もうっ! ああああぁぁぁーーっ」
セフィリアは,男たちの手を掴んだままガクガクと膝を震わせて,一際大きな叫びを上げた。
第3回
・・ふふふ・・これで何度目になるかな・・この女を味わってやるのは・・
ソファの上で,呼吸も荒く,ぐったりと突っ伏すセフィリアの姿態を見つめ,高官は軽く舌なめ
ずりをする。
今まで,何度もその体に欲望の白濁液を注ぎ込んだにもかかわらず,初めてモノにしてやるかの
ような興奮が高官を支配していた。
「さて,セフィリア殿・・今夜は,その可愛いお口で,私のモノを元気にして頂けますかな?」
高官は,口調だけは冷静に,セフィリアの美しい唇を見やる。
柔らかな唇に,疼く男根を包ませる快感を想像し,ニヤニヤと口元が歪んだ。
「セフィリア殿のお口に咥えて頂けたら・・さぞや,気持ちのイイことでございましょうな」
目は,薄布をまとったしなやかな体を,舐めるように滑り降りていく。
「それにしても・・・ふふふ」
均整が取れ,肉体の創造美に溢れたセフィリアの肢体に,高官は濁った双眸を暗く光らせた。
セフィリアの,凛としていながらも憂いのある目つき,気品の漂う物腰,知性・・・すべてが,
高官の欲望をそそる。
・・くくく・・・最高級の娼婦でさえ,翳ませてしまう女だな・・ふふ,流石は特の番人。モノが
違う・・か。ここまでの女は,そうはいまいて・・
股間の男根は,セフィリアの愛撫を受ける前から,既にその期待感に硬く張りつめていた。
「この上を向いてキュッと引き締まったお尻,今日もヤツらが好きにしたのでしょう? そう考え
ると,堪りませんな・・セフィリア殿も,悔しかったことでございましょう・・」
セフィリアの柔らかなヒップに補佐官が取り付き,涎を垂らさんばかりに撫で回してくる。
「あっ・・く,くん・・」
椅子に座る高官の体に手をかけ,ベルトを外しスラックスを脱がせていく,セフィリアの白く長
い指がピクリと反応した。
ミニスリップを,腰の上に捲り上げた手の平が,弾力ある二つの丘を這い回る。
手の平の熱い体温に包まれ,曲線美を描くヒップが悩ましく左右に揺れた。
「ふっ・・あ・・はっ・・い,いや・・」
「ほう,お尻を撫でられるだけでも感じますか? そのようなイヤらしい腰つきで挑発されたら,
私ももう我慢が出来なくなりそうですよ・・・それとも,すぐに入れて欲しいのですかな?」
耳元で囁く補佐官の声が,脳の中で熱く響いた。
「そんな・・こと・・っ・・」
体が,熱く火照ってくる。
「ほら・・手を休めてはなりませんな。お待ちかねですよ。セフィリア殿のお口に咥えて,気持ち
よくして差し上げるのです・・私も,セフィリア殿を・・ふふっ」
背後から抱き締める補佐官の手が,乳房を包み込み,やわやわと揉み上げた。
下半身では,硬くなった怒張の先端が,セフィリアの秘部に押し当てられる。
「く・・くんっ・・ぁ・・ぅぅ・・っ」
セフィリアの唇から,上擦った声が漏れた。
ショーツを横にずらした秘裂が直接,硬く反り返った男根の先端でなぞられるのが分かる。
先端を軽く宛がわれただけなのに,ただそれだけで脚が震えてくる。
充血し,熱を放つほどに蕩け切ったソコは,直接神経に触れられたかのような敏感さだった。
「そらそら,早くコイツを,その口に咥えてくださらんか。もう我慢できませんな。セフィリア殿
の唇に包まれる期待感で・・疼きに疼いて,もうガチガチですわい」
正面から,焦れた声がする。
見上げると,高官は,言葉とは裏腹に,楽しむような目つきでセフィリアを見下ろしていた。
「は・・はい・・・ぅん・・っ・」
唇を結び,セフィリアは股間のファスナーを開く。
目の前で,高官の股間が下着の内側で小刻みに蠢いていた。
「はっ・・・あぁ・・」
セフィリアは,高官の下着を引き下ろした目の前の光景に,喘ぐような息を吐いた。
中から顕れた,猛々しい異様な物体・・
目を逸らせたくとも,逸らせることができない。
血管まで浮き立たせ,硬く強張るほどに反り返った男の欲望。
昼間の記憶が蘇る。
ベッドの上で,イヤらしい言葉を散々投げつけられ,代わる代わる4人の男たちに犯され続けた
悪夢。
ドクドクとした欲望を何度も何度も受け入れさせられ,乱れ狂わされた自分の体・・
・・このようなモノに・・私は,犯されて・・・今日もまた・・・あぁ・・
セフィリアは,再び切なく息を吐く。
「ふふふ・・・コイツが今夜も,セフィリア殿を何度もイカせてくれるのですよ。さあ,その唇で
咥えて気持ちよくするんです。情熱的な愛撫で,私を昂ぶらせるよう頼みますよ」
「・・はい・・分かり・・ました・・・」
高官の声に促され,セフィリアは観念したように唇を開けて目を瞑り,隆々といきり立つ怒張を,
ゆっくりと呑み込んでいった。
「お,おぉ・・っ・・」
熱くしっとりと濡れた,柔らかな口に包まれ,高官は満足げな声を漏らした。
セフィリアの可憐な唇が,自分の欲望の象徴である張り詰めた男根を咥えているのは,得も言わ
れぬ快感だった。
美しいものを引き摺り堕とし,身も心も穢してやる黒い悦び・・
・・愛など無いのに,体を反応させられてしまう気分は・・ふふ・・最高だろうて・・
自分の股間に,一心に顔を埋めているセフィリアの端正な美貌を見ていると,尽きることのない
黒い欲望がが,次々と膨らんでくるのを高官は感じていた。
・・くくく・・・こんなモノに,こんなに感じてしまいたくはなかったか? 愛だ何だと言う奴は
いるが,所詮は肉欲,ヤることは皆同じよ。コイツに,感じずにいられるわけがなかろう?・・
・・清らかな顔をしていても,体はしっかりと女だ。それも,快感というモノを知らずに今までき
た・・それがセフィリア=アークスの弱みよな。ふふふ・・性技を尽くしたテクニックで,忘れら
れなくしてやろう・・さぞや,自分の体に裏切られた気分で,自分で自分が信じられなくなるだろ
うて・・
真っ白なものを淫らな色に塗りつぶし,消えることのない記憶を体に刻みつけていく悦びと満足
感・・・高官は高揚するものを感じていた。
「んっ・・んぐ・・む・・んむっ・・はぁ・・ぁむ・・んんぅ・・っ・・」
柔らかな紅い唇が,男根の周囲に密着し,リズムをつけて強く弱く挟み込んでくる。
快感と興奮に,股間が甘く痺れる。
「ふふ・・だんだん上達してきましたな・・・しかし・・先端部も気持ちは良いのですが,もっと
根元まで咥えてくださらんか・・セフィリア殿の舌も,たっぷりとコイツに絡めてお願いしますよ」
鷹揚に指図しながら,高官は,早くも熱い衝動が込み上げてくるのを感じていた。
・・く・・くっ・・このようなこと・・
口の中で,ビクビクと脈動を繰り返す男根。
セフィリアは,口を犯される屈辱と嫌悪感に眉根を寄せる。
これで,唇を汚されるのも何度目か知れない。
口の中いっぱいに広がる圧倒的な男根とは,つまりが自分に向けられた男の欲望そのものだった。
・・唇に触れさせたくない・・舌に触れさせたくない・・
無意識のうちにも湧き上がりそうになる嫌悪感は,努めて押し殺しているはずだった。
「っ・・んふっ,はぁっ・・チュッ・・クチュッ・・んっ,くっ・・っふっ・・うむん」
セフィリアは,口の中を奥まで犯す男根に,唇を密着させ舌を絡ませる。
・・この形・・この大きさ・・・このようなモノを,口に咥えて舐めさせられるなど・・
口の中で,隆々と弓なりに張り詰めた男根の形が,舌に触れる感触によって明確にイメージ作ら
れていく。
「しっかり,ご挨拶しておくのですよ・・セフィリア殿を気持ちよくしてくれるモノなのですから
な。おぉぅ・・これはイイ・・セフィリア殿の舌遣い・・最高ですぞ」
「・・はい・・んぐむ・・うん・・むむっ・・んん・・あふ・・んっ・・チュクッ・・」
犯されるために・・男を昂ぶらせるために・・・そのために男根を咥え,愛撫させられていると
いう事実は,目眩がするほどの屈辱に満ちていた。
しかし,その行為の中には,ゾクゾクとした被虐的な官能が潜んでいる・・・
セフィリアは,そこから何とか目を背けたかった。
「はぁ・・っ・・んむっ・・はあぁ・・ぁぁ・・はふ・ん・・むむ・・」
嫌悪感を押し殺しているはずなのに,どうしようもなく胸が騒ぐ。
戦闘でも汗ばむことの無かったセフィリアの体は,いつしかじっとりと濡れ始め,その胸は,荒
い呼吸に大きく上下していた。
「ふふふっ・・乳首をこんなに硬くして・・・ほら・・コイツが欲しいのでしょう? コイツの味
を覚えてしまうと・・舐めているだけで,想像して感じてしまうでしょう?」
「んんっ! はあぁっ・・んぁぁ・・っ・・あ・・ぁぁ・・んっ・・」
口で奉仕を続けさせられているセフィリアの秘裂に,軽くめり込んでくる男根の先端。
そのまま前後に揺すりなぞられると,濡れた花びらが浅くえぐられるように掻き分けられる。
男根になぞられ続ける,秘肉の快感と疼きは耐え難く,腰がブルブルと震えた。
「くくくっ,お尻が震えていますよ・・・我慢はいけませんな。セフィリア殿ほどの方でも,体は
女性・・・そうやって,男を唇に咥えていれば,コイツが欲しくなるのは当然のこと・・さあ・・
コイツを入れて欲しかったら・・お願いをするんですよ」
補佐官の指が,セフィリアの小さな乳首を摘み,押し潰すように転がす。
「あ,はぁぅっ! く,くふ・・んっ・・んく、うぅ・・んぅっ・・」
セフィリアは,その快感から逃れようと,懸命に口腔の男根へ舌を絡めた。
・・このような・・・責めをこれ以上続けられたら・・だめ・・おかしくなりそう・・っ・・
絹のような白い肌には,殊更に淫らな感触を植え付けようとする手指が這い回っている。
汗ばんだ全身にまとわりつく手。
耳の奥に侵入してくる,熱い息づかい,言葉。
セフィリアの体に,この数日間で刻まれた狂乱の感触,記憶が蘇る。
醜悪な男根に貫かれ,何度も上り詰めさせられた,おぞましくも狂おしい肌の記憶。
それは,魔物の誘惑にも似ていた。
深淵な闇に包まれた,この世のものとも思えない甘美さ・・・
セフィリアは,歯を食いしばる。
・・負けるのではありません・・負けるのではなく,受け入れて・・・機会を待つのです・・・
そう思っていなければ,これからのことに,体は狂い乱れてしまいそうだった。
首筋から,一筋の汗が滴り落ちる。
「は・・い・・ください・・・あなたの大きなモノを・・私に・・私の中に入れてください」
本心ではなくこれは演技と思いつつも,自ら怒張を受け入れようと腰を沈めそうになる体。
セフィリアは,内心で恥じた。
そして,まだ恥じる心を持っていたことに安堵する。
「ふふふ,セフィリア殿にお願いされては,仕方がありませんな。よろしいでしょう・・」
眉根を寄せた苦しげな哀願に,補佐官がニヤニヤと答えた。
「くくくっ・・それでは,お尻をこちらの方に突き出すのです。深く入れたいでしょう?」
「・・は・・はい・・こうで・・よろしいでしょうか・・」
補佐官の要求に,セフィリアは軽く腰を後ろに突き出した。
細いウエストから続く魅惑的なヒップが,美しい曲線を描いて補佐官に差し出される。
補佐官は,男根が一層硬く張り詰めるのを感じた。
「ふふふ・・いい子ですな。それでは・・」
ショーツが太腿まで引き下ろされ,怒張の先端が濡れた秘部に宛がわれる。
・・あぁ・・来る・・ついに,また・・・
セフィリアは,来るべきその瞬間に備えた。
「あ,あっ! んんっ・ん・・っ・・はっ,んうぅううぅっ!」
ヌメった蜜を溢れさせた秘孔を押し広げ,怒張の先端が入ってくる。
「おぉっ・・・先端だけ入れてみても,凄い気持ちよさですな,セフィリア殿のココは・・・この
まま,根元まで入れさせて頂きますぞっ・・」
「くっ・・はっ・・ああぁっ!・・んぅっ!」
圧迫感が広がってくる。
全身に電気のような痺れが奔り,セフィリアは背を反らして上体を戦慄かせた。
「はうぅ・・ぅっ・・んっ,ぅんっ・・」
「ほら,しっかりと口に咥えるんです。私のコイツを,気持ちよくするんですよ」
後ろから突かれ,苦しげに喘ぐセフィリアの頭を掴んで前後に揺すり立て,高官は強引に股間の
モノに愛撫を続けさせる。
「うぅんぐっ! んぐぐっ・・むぐっ・・あぁっ!・・はぁ・・んふっ・・ぁはっ!」
腰の中に絶え間なく快感を打ち込まれ,体を狂わんばかりにくねらせながら,セフィリアはされ
るがままに頭を前後に振って,唇で男根を擦り上げた。
・・あああ・・凄・・いっ・・こんなの・・って・・堪らないっ・・・どうしてっ・・どうして,
これほどまでに感じるのっ・・口にも体にも・・男の人のモノが,いっぱいに私を広げてっ・・
「ああんんぅぅんっ!」
いつしか,セフィリアは感泣の声を上げていた。
汗で濡れた髪を振り乱し,肩を震わせて泣き悶える。
秘裂を深々とえぐる,男の怒張。
花びらを割り,その中心に杭のように貫く怒張は,ヌラヌラと濡れ光り,何度も出し入れを繰り
返された。
背後から突かれる度に,乱れた髪が踊る。
「そろそろイキますぞ・・・ううっ」
セフィリアの舌の愛撫に,高官のペニスが絶頂を迎える。
「うぅっ・・たくさん出して差し上げますからな・・ちゃんと飲んで下さいよ・・おぉぅっ」
「くふうぅ・・んんっ! むぐぅっ・・んんっ,ぐっ・・ぐむっ・・んぐっ」
口の中で一瞬更に膨らみ,ドッと爆ぜたモノを喉に受け,セフィリアは堪らずむせた。
それでも口を離すことを許されず,何度も絞り上げるように唇を上下させられる。
その度に,勢いよく口の中に放たれる液体・・
ドロリとしたものを,何度も口の中に流し込まれ,セフィリアは必死に嚥下した。
「ふふふ・・よくできましたな。では,私の方は,可愛いセフィリア殿のこちらのお口に,たっぷ
りとイカせていただきましょうか・・・」
「んんぅっ,あぁっ・・あぁ・・ん,んくっ・・あああっ・・あ,くううぅんっ」
口の中に染み込む男の液体は,さながら媚薬のように,セフィリアから自制心を奪った。
いや,心は拒絶しつつも女の歓びを求める体が,今までの鬱積を晴らし,取り戻そうとするかの
如くに主のコントロールを離れていく。
男の絶頂の兆しを感じ取り,セフィリアの腰の動きが大きくうねった。
「あ,ああぁぁっ! また・・っ・・く,くるっ・・・くうぅう・・んっ! す,凄いぃ・・っ!
あっ,んん・・くっ・・腰が動いてしまうっ・・はあっ,んぅあああぁぁっ」
ヒップに押し込まれる,男の下腹部に自らの腰を押しつけ,円を描くように腰をくねらせる。
秘肉の内部では,熱く濡れた壁が,絶頂を促すように補佐官の男根を強く締め付けていた。
「おおぅ・・っ・・」
「あ,あっ・・く・・くふ・・っ・・んああああぁーっ!!」
細いウエストを抱き,最深部で欲望のたけをドクドクと吐き出す男根に,セフィリアもまた背中
を大きくよじって叫びを上げた。
第4回
「何とか・・・間に合いそうだが・・」
ベルゼーは呟いた。
降って湧いた,思わぬルートの犯人の逃走経路に,警察はもっと右往左往するかと思われたが,
ここに来ては急ピッチで配備が進められている。
「最初は,どうなることかと思ったが・・・何が味方するか,分からんものだ」
ベルゼーは,渋い表情を崩さないまま嘆息する。
皮肉なことに,警察を『本気』にさせたきっかけは,犯人の要求からではなく,村長邸の爆破と
いう力の行使によってであった。
「犯人,爆薬を使用!」
それは,一つのデモンストレーションであり,力の誇示でもあるが,逃走の邪魔をすれば力の行
使を躊躇わないという意思を読み取ることができる。
こちらの動きを,牽制しようとする狙いであることは間違いがないだろう。
普通ならば,警戒を助長させて当然なのかもしれない。
しかし,数日間,犯人たちの様子見に徹し続け,動くことを許されなかった警察官たちにしてみ
れば,パンパンに膨らんだ風船に鋭い針を突き付けられたようなものだった。
「もう,我慢できん。どこまで俺たちをコケにすれば気が済むんだ。調子に乗りやがって!」
「我々を牽制して,逃走を容易にしようと狙っているのだろうが,浅はかなヤツらよ! そんなこ
とで,びびるダリル市警察ではない! 逆に,墓穴を掘ったことを教えてやる!」
重苦しくピリピリとした緊張から一転,爆ぜる火山や吹き荒れる暴風雨のような雰囲気が彼等を
支配する。
ダリル市警察は,犯人からの信号を『挑発』と受け取った。
かくして,警察本部長,ラッツェンからの檄文が各部署に飛ぶ。
『我らは,ダリル市の威信をかけて,この不遜で凶悪な輩を全力をもって排除する。我らは,平和
を脅かす姑息な手段を決して許さない。犯罪の地に,ダリル市を選んだことを,犯人どもは強く後
悔することになるだろう』
『犯人の予想される逃走ルート全てに網を張り,出来る限りの警察力をもってこれを捕らえる。人
質の無事は,クロノスが保証してくれている。諸君は,ダリル市の名誉を胸に,これを守護する誇
りを持って行動されたし!』
続けて,矢継ぎ早な指令が,詳細に渡って通達されてくる。
「これほどの重要事項が,期限は3日間だと!? 本部長も人使いが荒い。時間がない,すぐにか
かるぞ!」
拙速と緻密さを要求する内容に,現場全体は慌ただしさに包まれた。
威信を語るラッツェンが,とりわけ強力に推し進めたのは,対テロ用とも言うべき非常時におけ
る警察の再編成であった。
「しかし・・・そんなことが可能なのか?」
ラッツェンからこの計画を聞かされたとき,ベルゼーはにわかには信じられない表情で眉をしか
めた。
時間は,あまり無いのだ。
警察という組織において,鈍重以外の動きを見た記憶をベルゼーは持たない。
それも,これほど大がかりな作戦を行うなどと・・
ラッツェンは,笑った。
「ベルゼー殿,我々,ダリル市の警察力を舐めてもらっては困ります。これをご覧ください」
ラッツェンが机上に広げ示した資料は,最近一年間の犯罪発生についてまとめたものだった。
「これは・・・・なるほど・・そういうことか」
ざっと軽く目を通しただけで,ベルゼーにはその言わんとするところを理解した。
ラッツェンの説明が始まる。
「はい。お分かり頂けますか。我々の市の治安は,ここ最近,近隣都市や諸国でも見られないほど
の安定を保っています。他の都市ならいざ知らず,我々の街では,夜の闇を徘徊する売人もいなけ
れば,無目的にたむろする少年たちもいない」
「これほどとは・・・これなら,可能ということか」
ベルゼーはうなった。
特に,ここ半年ほどの,犯罪件数の激減ぶりには目を見張るものがある。
加えて,犯罪検挙率も極めて高い。
警察が,誇りと自信を持つのも当然だろう。
「理解して頂けましたか?」
ラッツェンの言葉には,自信とそれを裏打ちする根拠が十分にあり,口調も熱を帯びたものに変
化していた。
「犯罪検挙で多忙な他都市ならばいざ知らず,我々であれば,全力をもってヤツらを追い詰めるこ
とが出来るのです。つまり,最小限の人員を都市部に残し,逆に最大限の人員を投入します。それ
によって,戦力の集中が可能になり,本作戦の成功率を飛躍的に高めることができると考えます。
犯人どもにとっては,相手が悪すぎたと言えましょうな。自分たちの運の悪さを,存分に思い知ら
せてやりますよ」
「確かに・・・それが出来るだけの環境は整っているようだ」
ベルゼーは,思考を深く巡らせる。
犯罪件数が少ないほど,警察に余力が増してくるのは自明の理だ。
・・だが・・それならば,なぜ犯人どもは,わざわざこの地を選んだのだ?・・
疑念が,頭をもたげ渦巻く。
・・警察を,平和が故の大きな犯罪への対処能力不足と見たか・・・動きが悪くなっては,細かい
作戦もザルに変わる・・・
そこを狙われているのであれば,ジェノスと共に行かせたクロノスの要員に,警察のカバーに廻
るよう指示せねばならない。
ベルゼーは尋ねる。
「実行できれば,完璧に近いとは思うが・・・これだけのもの,経験がないものにとっては無理で
はないのか?」
しかし,ラッツェンの返答は完璧だった。
「いえ。全く初めてではありません。ここまで大規模な展開を見せたものではありませんが,必要
があれば最大限の余力を用いて叩き潰す・・・ダリル市は,私がこの役職に就いて以来,その方針
を徹底してきました。経験は,ダリル市警官は皆,積んでおります。あとは応用力の問題ではあり
ますが,重要事項は身に染みついているでしょう」
「そうか・・・経験はあるか・・」
恐らく,士気も高いだろう。
どう考えてみても,犯人たちに,まったく付けいる隙はないように思える。
ベルゼーは,一つ頭を振った。
・・何れにしろ,これを超える策はない・・とすれば,後は完璧を期すだけだ・・・
ラッツェンを見上げる。
「セフィリアの報告では5日と見ているが,何日かかる?」
「再編成と配置に3日。残りの時間は,作戦の徹底とシミュレーションにかけます」
「うむ・・それくらいは必要だが,随分と性急だな。やれるか?」
「無論です」
話は,具体的な作戦内容へと移った。
ラッツェンが退出した部屋に,夕暮れ時の紅い光が入ってくる。
窓の前にたたずみ,その空を眺めながら,ベルゼーは先ほど交わした会話を思い出していた。
『ところで・・』
どうしても,尋ねておかずにはいられなかった言葉。
『警察に,それだけの動きが出来るのならば,なぜ最初から動かなかった? クロノスは,最初か
ら早期での解決を訴えていたはずだが?』
『それは・・・』
ベルゼーの鋭い言葉に,ラッツェンが,初めて視線を落とすのが見えた。
ダリル市が始めから動けば,或いはセフィリアに指令が下ることもなかったのかもしれない。
そんな思いが,抑えようとも抑えきれずに滲み出てくるのを,ベルゼーは止められなかった。
ベルゼーの目に,言い淀むラッツェンの表情が,微かに翳りを帯びたように映った。
『我々も・・・一枚岩ではないということです・・・力及ばず・・申し訳ありません』
短い返答。
感情を押し殺した,淡々とした声。
それが全てを物語っているように,ベルゼーには感じられた。
『そうか・・つまらんことを聞いたな』
ベルゼーは,既に恥じていた。
怒りの矛先を,どこかに向けようとした苦い後悔が胸を押し包んでいた。
・・セフィリア・・すまぬ・・
ベルゼーは胸の中で呟く。
・・セフィリア・・すべては貴女にかかっているのだ。貴女が成功しなければ,この作戦は根本
から意味を成さずに瓦解する・・辛いだろうが,頼む・・
紅く染まった太陽が,最後の光を投げかけてくる。
ベルゼーの手で,グングニルの槍が眩く反射した。
セフィリアの力を,信じていないわけではない。
きっと,いや,間違いなくやってくれるだろう。
だが,その陰でセフィリアは,いったいどれだけのものを捨て去らなければならないのか。
「くっ・・・」
胸の痛みを己に刻みつけるかの如く,ベルゼーはグングニルを正中線に構えた。
槍先が,ゆっくりと弧を描く。
・・我らは・・クロノスは・・時の番人は・・果たして一枚岩なのか・・・
・・俺はどうなのだ・・俺とナンバーズ・・クロノス・・胸を張って一枚岩と言えるのか・・
違うという自分・・
そうだという自分・・
うなる槍を振るい,型を黙々とこなすベルゼーの髪から汗が滴り落ちる。
低く風を切る槍舞の音だけが,ひとしきり部屋の中をこだまし続けた。
終わり
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