奥田民生(60)と吉川晃司(59)のユニット「Ooochie Koochie(オーチーコーチー)」が17日、都内で広島県の新大型プロジェクト「OK!!広島(おいしいけぇ、広島)」応援団長に就任し、記者発表会に出席した。
同じ1965年生まれで、同じ広島県出身。吉川は会見冒頭は「地元だと広島弁だけど、プロっぽい感じになると出にくい」と言いつつも、少しずつ広島弁を強めていった。続けて「東京で同級生で集まって飯食ってても店の人に『あの…ケンカは外でやってくれませんか』と言われたりする」とあるあるを披露。奥田から「言葉だけじゃなくてその姿やと思う」とつっこまれ、「要因はワシなんか。やめんさい」と笑うなど、広島弁で和やかなトークを繰り広げていた。
広島弁が自然に出る芸能人と言えば、ポルノグラフィティやPerfumeの西脇綾香(36)、豪快キャプテンのべーやん(30)などが思い浮かぶが、吉川に広島弁のイメージがあまりなく、自然に繰り出される広島弁に少し驚いた。ただ、怖い印象は一切なく、温かみのある広島弁と柔らかな表情が印象的だった。
広島名物のお好み焼きの話題にもなり、奥田は「広島の人ってお好み焼きとも言わない。『おこのみ』です。『おこのみ食い行こうや』みたいな。だから広島の言い方は『おこのみ屋』ですね。街を歩けばおこのみ屋に当たる」と、広島でのお好み焼きの呼び方を熱弁した。吉川も「ほうじゃのう、大体300メートルに1件ぐらいあるけえ」とうなずいていた。
記者はプライベートで毎年2回ほど広島に行くが、広島で「お好み焼き」という呼び方をする地元の方は、たしかにあまり見かけない。今年の春に広島でお好み焼きを食べた際も、店員は「おこのみ」と呼んでいた気がする。“広島風”という呼び方の議論はテレビ等で耳にする一方で、現地でほとんど聞かなかったのは、お好み焼きより「おこのみ」という呼び方で浸透しているからだったのだろうか。県外出身の記者にとっては、当然初めての気づきだった。
奥田は続けて「おこのみは鉄板の隅っこで皿を使わずコテで直接食べる。それで鉄板の場所取りがあるんよ。焼いているところの目の前が熱いんで、隅っこの余熱のところを取りたい。で、店が混んでいて焼いとるおっさんのど真ん中にされたときは敗北感がある」とおこのみ屋でのあるあるを披露。広島県民ならではの「おこのみ」に対するこだわりの強さを見せ、笑いを誘っていた。
広島県出身の芸能人から郷土愛が語られることは少なくないだろうが、ここまで深く掘り下げた話を聞く機会はほとんどないのではないだろうか。レジェンドミュージシャンが和やかに郷土愛を語る姿に、親しみを覚え、より広島への興味が湧いた。【野見山拓樹】